前回のブログ「こども脳機能バランサープラス:レビュー1」 からの続きです。

まずは前回のブログをご覧下さい。
最後で『先に結論から書くと、4・5・6歳児の「ちょっと気になる子」には是非ともやらせてみて下さい』と書きました。
この根拠について書きます。

以前のブログで『5歳児検診について』というブログを書きました。
これも読んで頂きたいと思いますが、現在、乳幼児検診は、6ヶ月・1歳6ヶ月・3歳と検診があります。
しかし5歳という年齢は一番、発達障害(特に高機能圏)について、ちょっと気になる注意信号を出している時期でもあります。

それは3歳ではまだ三年保育や幼稚園に入ったばかりで、社会経験も社会交流も他人も意識しない環境ですが、幼稚園や保育園で、3年間も過ごすと、お友達とのコミュニケーションを経験し、その中で「気になる子」も見えてくるからです。そして翌年には小学校への就学も控えている。
ここで親が我が子の特性を見極め判断をする大切な時期でもあります。
でもこの時期に市の療育機関へ行って診断を受けようとすると、なかなか手続きなどが面倒で(市で予約したり児童相談所へ行ったり、診療所への予約したり等)少し敷居が高くなります。

しかし、そこに移る前に、まずは親として我が子の発達凸凹を簡単に調べるツールとしては、とても効果的なソフトだと思っているからです。

2~3日も子どもにこのソフトをやらせればゲーム感覚で子どもも楽しく、すぐにある程度の発達指数は出すことが出来ます。
発達指数が数値で出ますのでとても分かりやすいです。

ただ気をつけて頂きたい事は、この数値に神経質にならないでほしいということです。
これはあくまで目安であり、この数値が低いから発達障害とも限りません。
大切な事は親がその得手・不得手を数値化して見ることが出来るということです。

発達障害(またはその疑いがある)のお子さんをお持ちの親御さんは、我が子の成長の遅れを気にしてしまいます。
そして不得手を克服しようとします。

ただ私は、大切なところはそこではないと思っているのです。
私はこのソフトで感動したところは、親でも気が付かなかった我が子の「こんなに優れたところがあったんだ」と気がつけたことです。
例えば、我が子はまともな会話ができない。だから当然空間認識とか、違う表現になると理解なんでできないと思い込んでいました。
しかし、このソフトをやらせてビックリ!「えっ!こんな事もできるの?」と気がついたところです。

今年の3月に行われた、埼玉県内のセミナーで、田中康雄先生が講演の中で言われていた言葉がとても印象的でした。
それは「発達障害の子どもを持つ親御さんはどうしても我が子の苦手なところに目が行ってしまい、良い部分に対して盲目的になってしまう。そこで親御さんはいつも必ず我が子の良いところを5つ即答できるようにしてください。何でも良いです。「明るい」とか「足が速い」とかなんでも良いです。必ず5つ良い部分を答えられる工夫をしてください」と言われていました。

確かに「どうして我が子はここがダメなんだろう」と親はマイナス評価をしてしまいます。
しかし、マイナスに評価された子どもはどんどん「自分はダメなんだ」と思い込んでいってしまう。
でも発達障害児・者が将来、社会に出て自立していくときには、どの社会でも「挑戦」は付きものです。
その挑戦を全くやらないと、自立していくことはとても困難です。
その挑戦への種を子どものうちに摘んでしまっている可能性もあります。

そう考えた時に、我が子の良いところをみつける。
こども脳機能バランサー は、この部分にとても優れています。

人間は会話(話術)の善し悪しで、初対面の人を評価する傾向があります。
ですから、会議等で多く発言する人は目立ち、評価されますが、逆に「口は災いの元」といわれるほど、言葉によるコミュニケーションは重要に扱われます。

発達障害者はその言葉によるコミュニケーションに弱い人が多いです。
ですから、評価をされにくいのですが、近年はITの分野も大きく成長して、言葉以外の能力が評価されつつあり、そのような仕事に就いて、自立している人もいます。
そう考えると「言葉」という表現方法は、ひとつの手段となってきて、他に優れた部分があれば、評価をされてくる時代にもなりました。
そこで、言葉以外のその子のもっている良い部分を見つけるにも、このソフトはとても優れていると感じました。

こども脳機能バランタープラスについては、私なりに提案をしていきたい事も出てきました。
とても面白いツールだと感じています。
私の評価やレビューはあくまで一例ですが、4・5・6歳児位で、ちょっと気になる子を抱えていたとしたらまずは、このソフトで学習させて、親が前段階としての評価をしてみるのも面白いかもしれません。