母の日

「娘が夢に出てきたの」

 彼女はそう言ってにこやかな表情で私を見た。
 彼女の娘さんは59歳で亡くなられたと以前に話していたので「きっと母の日だから会いに来てくれたのですょ」と言うととても嬉しそうだった。

 彼女の亡くなられた長女は音大出身と以前、話してくれた。私も違う大学だが音大出身。しかも卒業してから彼女の大学の研究会に所属していた話をすると何か嬉しそうな笑顔。

彼女は、三人のお子さんに恵まれていて、彼女の一番下のお子さんと私は、同い年くらいではないでしょうか!?と彼女に聞かれたときに「何年生まれですか!?」とお聞きすると私が一つ下だと言うことが分かり親近感を覚えた。



彼女の母の日は現実に元気でおられる三人目のお子さんと過ごしたのだろう。そして、若くしてこの世に別れを告げたお子さんと夢で素敵な時間を過ごしたことでしょう。

 私自身の母の日は実母がこの所、頼るべき長男が倒たり、様々な要因から精神的にまいってるようなので、例年、お花を贈るのだが今年は食べてなくなるような物を贈ったら、とても嬉しそうな電話がかかってきて少々、ホッとしたのは言うまでもない。