ここは星空の大聖堂
昼間はシスターが一人
誰かの祈りを聴くためだけにそこに居る
夜ーーー
ひんやりした空気と静寂が大聖堂を包む
その静けさすらも
耳に心地よい
今日はビアンカと
二人きりでここに来た
自分の気持ちのまま
離れて旅をしている間に再会し
とても綺麗な女性になっていた。
ずっと心の何処かに居たビアンカ、
ずっと心の何処かに居たビアンカ、
そのビアンカが今
ぼくの目の前にいるーーー
「・・・確かに」
意地悪くそう言うと
ビアンカはそっぽを向いて怒り出した
ぼくらは基本、なんでも言い合う
ぼくらは多分、なんでも知ってる
お互いのいいところも
お互いの悪いところも
そう、なんでも知っているーーー
そんなわけないのに。
なんだかつい
そんな風に、思えてしまう。
本当はまだ
お互いを知り始めたばかりかもしれなくても。
ふざけあった後、
ビアンカは呆れたような
懐かしいような目をしながら言った。
「幼い頃、レヌール城で道を間違えた時も
こんな風に喧嘩したっけ。
私はあなたより少しお姉ちゃんだから
一生懸命守らなきゃって思ってたんだよ」
ビアンカが微笑みながら語るその声が
星空の大聖堂に静かに響き渡る。
知っていたよ、ビアンカーーー
あの時、ぼくの前を歩き
お鍋の蓋とくだものナイフを握りしめながらお化け屋敷の城に入る君は、
強気な口調と裏腹に
小さな肩がとても震えていたってこと。
ぼくが守る。
この、星空の大聖堂で。
fin.
Special thanks.
撮影協力
場所:星空の大聖堂
ブルーさんより
人物:
☆ドラクエ5主人公役
ユーリル(シンシア)
☆ビアンカ役
やまゆう
★この話は、スクエアエニクスのドラゴンクエスト5天空の花嫁を元にやまゆうがちゅうにびょうを発揮して作ったフィクションです。
星空の大聖堂を作ったブルーちゃんと、
いつも変な遊びに付き合ってくれるシンシアへ