続きです。
「いやいや、そもそも育児と会社の仕事を同一にとらえるのはむりがないか?」
と思うかも知れない。
ごもっともで、育児の仕事と会社の仕事では、本質的に大きな違いがある。
会社の仕事は、ある程度、予測可能で計画通りに進めていくのに対して、
育児の仕事は、不測の事態が起きまくるため、まず時間通り・計画通りにはいかないこと。
そもそも、育児のために予定表をつくり、計画をつくること自体が、ナンセンスだともいえる。
出勤時間ギリギリになって、突然子どもが「うんちもらした~!!!」と大騒ぎすることもある。
思いがけないところでケガをしたり、
突然熱出したりすることもある。
赤ちゃんの限っては、なんで泣いているのかわからない。
夜寝るのも、きまぐれであったり、
気を抜いたら突然死なんてこともある。
だからといって、予定や計画をたてなくていいわけでもない。
むしろ、予定や計画が立たないのにもかかわらず、
予定通り・計画通りに進めなければならないという、なんとも矛盾を抱えた仕事、それが育児。
たとえば、子どもに規則正しい生活をさせる場合。
夜、決まった時間に寝かせる、栄養バランスのよい食事をつくる、などなど。
もちろん、大人相手の普通の仕事にも、トラブルや不測の事態はよくおこる。
そんな場合は、大抵は1人で解決するよりも、チームで解決した方がよい。
みなさんの仕事場で起こった、トラブルやその対応を思い出して欲しい。
たくさんの人が、問題解決に動いたはずだ。
逆をいえば、トラブル対応の場に、仕事できないやつがいると、かなり邪魔でもある。
仕事できないやつは、トラブルを解決するどころか、トラブルを持ち込む”火種”でもある。
あるいは、トラブル対応で右往左往しているのに、1人でのほほんと自分の仕事してて、
協力のそぶりも見せないやつは、そこにいるだけで目障りでもある。
育児のお仕事は、普通の仕事より不測の事態・トラブル対応に追われることになる。
育児のトラブルも、普通の仕事と同様、チームで解決するのが望ましい。
チームのメンバーは、普通であれば、ママとパパなんだけど、
「とるだけ育休」で問題になっているパパは、
さらなるトラブルを持ち込む”火種”であり、そこにいるだけで目障りな、仕事できないやつ
ということになる。
よくニュースで、
”男性の育休取得というけど、いるだけで目障り”
とか
”育休期間中は、育児はしなくていいから自分のことをしっかりやってほしい”
というママ側からの声をきくと、こう思う。
男性の側は、
育児が仕事であることや
その業務内容の多くが、
不測の事態によるトラブル対応だ、ということをわかっていないのではないか?
それとも、普通の仕事も場でも、仕事のできないやつなのか?
いるだけで目障りと思われたら、会社の中でどうなるかというと、
クビ?までにはならない。
でも、窓際になるか、不要な人間として居場所を失う。
なんどもいうけれど、家庭で繰り広げられているのは、立派な業務なのだ。
だから、仕事できないやつ(育児できないやつ)は、あきらめられるか、ほされる。
家庭内で居場所がなくなったのは、
会社で居場所がなくなるのと同じく、仕事ができないからだ。
そういう意味では、家族は会社のような1つの組織でもある。
では、それはどういう組織なのか?
つづく