10年くらい前にフェニクッス郊外の友人宅からレンタカーを借り、セドナに1人向かった~ワクワク、ドキドキの旅の始まりだった。

セドナでは不思議な体験を沢山した。その中でも、一番不思議な体験だったのが、10日間の滞在を終え、再びレンタカーでセドナの町を背にハイウエイを走り出した時、妙に去りがたい、まるで母親の元を旅立っていくような、安心し幸せだった母親の元から離れるような不思議な気持ちになった。

ハイウエイ脇に車を止め、何度も何度もセドナの町を振り返りながら、溢れる涙を拭いながら、クッと心を奮い立たせ、再びアクセルをフェニクッスに向けて踏んだのだった。

長く住んだ場所や人たちにはそんな感慨深い気持ちになる事はあるが、初めて訪れ、1人で、特別に何する訳でもなく、ただ居ただけの所なのに。ボルテックスに行き、ただボーとしていただけなのに。

場所、セドナそのものに去りがたい気持ちになるなんて、自分でもびっくりした。場所という気はしなかった。本当に生命を感じた。丸で母のように。

とても不思議な場所だった。セドナは。

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