「いすぽんピアノ演奏会」のあとはそのまま汐留イタリア街の「ドゥエ・イタリアン」でランチ。



「限定」ってことばに釣られて「醤油わんたん麺」食べてしまった。



旨かったけど、「らぁ麺フロマージュ生ハム入り」はさらに旨そうだったな。ううむ。


新宿に移動してエルタワー28階の新宿ニコンサロンでインベカヲリ★写真展『やっぱ月帰るわ、私。』この日最終日で、1500までなのに、いろいろあって会場到着が1400。かつ、次の予定があって最大で1430までしかいられない状況だった。ううむ。写真集、買わないとな。



原宿に移動。「サッドカフェ」で「リノベーションアイデアコンペ」の最終プレゼンテーションを聴いた。

現在日本全国に空き家が800万戸。それでも年間80万戸以上の家が造られ、2040年の空き家率は40%という。まさに垂れ流される建築。


この問題を何とかするためのアイデアのコンペ。したがって、「リノベーション」とは、この場合、単に1戸の建物の改築のみならず、都市計画の刷新を含む。

13のアイデアのプレゼンを見た。結果はその日のうちに出ているが、私はまだ知らない。それで、当日聴いたもので印象に残ったものを紹介する。

と言っても、細かいところまではもはや記憶が曖昧だ。私はまだ見ていないけど、当日の模様はこちらなので、参考にしていただきたい。

http://www.ustream.tv/channel/renovationktv

やはりリアリティのあるものがおもしろかった。

最もおもしろかったのは「宇野港 東山ビル リミックスアパートメント」。

岡山の宇野にある「東山ビル」という築40年以上の建物のリノベーションを中心とした「町のリミックス」。長年放置され、潮風にさらされた「こんなビル、よくリノベーションして住む気になりましたね。」という感じのビル。でも、宇野港のリミックスを図るなら、おそらくこのビルは最高の素材だっただろうと納得させる力がプレゼンにあった。

内部のすさまじいがれきの山を手作業で片付け、何とか住める形にして、実際に住む。お風呂を屋上につくって消防署から注意される。人をつなぐイベントを次々とうち、町の人々をビル中心の「渦」に文字通りパワフルに巻き込んでリミックスしていく様は圧巻としか言いようがなかった。

結局町を作るのはそこに関わる人なのだ。スライドに具体的な人物の写真を次々と映し出したのは巧いやり方だった。そしてなによりもプレゼンを担当したこのプロジェクトの中心となっている女性が魅力的だった。彼女みたいな人が中心にいれば、そりゃみんな「渦」に巻き込まれるさ。ああいう人を「発掘」し、うまく活かすことが、今後の鍵かなと思った。

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AKY48」もネタとしておもしろかった。

もうタイトルだけでだいたい内容がわかってしまう。空き家に「神7」を住まわせて「聖地化」し、そこに集うさまざまなオタクのさまざまなスキルを活かして、町全体を再生させようというプロジェクトだった。

まず空き家にアイドルが住まねばならない必然性がわからない。まあ、でもオタクの多様性と経済力に目を付けたところは確かにうまいと思った。たしかに彼らの購買力はすごい。それを町造りに活かせたら結構な成果を上げることができるかもしれない。結果生まれた町が、誰にとっても「住みたい街」になるかはわからないが。というのは偏見だな。特殊な個性のある町があるのは良いことだと思う。「ユニクロ街道」みたいなのがあちこちに実在する現在は、とくにそう思う。

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最後に、「THE ポジティブ空き家」。

僕は実はこれを聞きに行った。私が大好きな鎌倉のカフェ「テールベルト」の店主・湯川美雪さんが関わっていたからだ。

高齢化・人口減・観光産業衰退の進む東京・八丈島を、「2040年の日本の縮図」ととらえ、その「社会的バッド・サイクル」を抜け出すために空き家を活用するというアイデア。空き家をインフラが整い、すぐに使える「ポジティブ空き家」(八丈島には、島外にいて時々島に帰る人のために、このように維持されている家が少なくないそうだ)と、そうではない「ネガティブ空き家」に分ける。前者はノマドワーカーや観光、国内版ワーキングホリデー就業者向けに長期滞在型ホテルとして活用し、後者はそのような人々が島体験の末に住みたくなった場合、その人のための住居として提供する、というものだ。

実はプレゼンを聴いているときは、正直なことを言うと、それほどすごく魅力的な感じのアイデアには聞こえなかった。が、いまこうして自分で文章に起こしてみると、すごく良いアイデアじゃないか。空き家をポジティブ/ネガティブに分けるアイデアはプレゼン当日もおもしろいと思ったが、すごく効率的だ。ネガティブなもののうち、耐用年限を超えたものはどんどん解体していけばいい。

ただ、これは聴いているときにも思ったのだけれど、人口減や観光産業が衰退しているのは、それなりに理由がある。たとえば、観光産業に関して言えば、「カネの若者離れ」によってそもそも旅行のできる余裕自体が失われつつあるように思う。それに、長期滞在するほどの休暇も取れず、現在の職を投げ打って八丈島に住もうと思う人がどれほどいるだろうか?ノマドワーカーの現在の総数はどの程度だろうか?そのうち八丈島に来てくれそうな人はどのくらいの割合でいるだろうか?国内版ワーキングホリデーを実現させるとして、八丈島にはどのような職種で、どの程度の雇用が見込めるだろうか?そういうところをもっとリアルに示せるとすごくおもしろかった。もちろん、プレゼンの時間制限内にここまで説明できるか難しいが。

私は八丈島には行ったことがないけれど、伊豆大島はこの1年で2回行った。東京に住んでいて、近くに気軽に行ける離島があるというのは本当にすばらしいことだと、よく理解しているつもりだ。これは審査員の誰かも言っていたけど、やはり八丈島の魅力を発信し、人を呼び込むことがまずは肝心だと思う。

美雪さんはこれからも八丈島に関わり続けるみたいなので、このアイデアがさらに洗練されて、現実に近づくとよいと思う。

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ところで、町全体のリノベーションといえば、じつは僕は鎌倉にこそ注目している。鎌倉はこれからもどんどんおもしろい町になるんじゃないかな?

だって、関わっている人たちがおもしろいものね。




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