先週の関西旅行の記録を記事化している途中ですが、ここで毎年恒例の1年振り返りを。

今年は、「動きすぎた」昨年の反省を踏まえて、いろいろなものをただ消費して結局自分の中に何も残さないという状態にしないように、読む本や観る映画、写真展や展覧会や講演会は厳選しようと思っていました。

ところが、結局途中からはそのように自ら経験の範囲を狭めることが無意味なように思えてきました。やはり、見るべきものを見、聞くべきことを聞き、話すべきことを話した方がよいのかもしれないと。それで、7月くらいからはこれと思ったイベントには積極的に脚を運ぶようにしました。

見たり聞いたりしても何も残せないことを恐れるわけですが、見ない・聞かないという選択をすることは「何も残せなかった」状態と同じことですからね。

今年はとくに写真を多く観ました。写真展ではインベカヲリさん、にのみやさをりさん、佐藤信太郎さんのものが印象に残っています。代官山蔦屋書店でのトモ・コスガさんと大橋仁さん、田附勝さんのトークも興味深いものでした。

映画もたくさん観ました。山戸結希さんという才能に出会えたことは望外でした。イベントでは、「馬喰町ART+EAT」での谺雄二さん追悼イベントが印象に残っています。

ただ、これは昨年と結局同じ感想になってしまうのですが、やはり自分が内に閉じてしまっているな、社会に開かれていないな、という気分があります

自分は本でも人でも良いものを見抜く目には自信があるし、実際にすばらしいものと出会っている実感があるのですが、残念ながらそれを活かせている気がしない。ここ数年ずっとそうです。

それは結局は、それらを感受する側、つまりは私の知性の欠落が原因かなと、そう思わずにはいられません。私よりも知的に優れた人が、私のように様々な「よきもの」に触れていたら、私よりも遥かに経験的な高みに到達できるのではないか、と。どうしてもそう思ってしまうわけです。

来年はもう少し知性に磨きをかけ、この時空に生きる幸福をもう少しきちんと享受したいなあと、そう思います。



みなさん、今年もお世話になりました。毎年願うことですが、みなさんにとって、来年がすばらしい1年でありますように。