12月22日1320、新宮駅着。すぐに駅に付属する観光協会で自転車を借りようとするもすべて出払っていた。まあ、時間が時間なので致し方ない。ランチにとねらっていた店も臨時休業。


これで朝・昼と2食連続で食事の機会を逃す。

まずは「ゴトビキ岩」のある神倉神社へ。


石段は源頼朝が寄進したと伝えられ、538段。入口近くにある大木陰に荷物を置き、上り始める。

最初はかなりの急勾配で、正直に言うと、両手を使わないと上れませんでした。石段の大きさも段差も不揃いなんだよなあ。頼朝はもっとまともな仕事をしてくれよ。


3分の1ほど上ったところに祠のある平地があり、ここでたまらず10分ほど地面に寝そべって体力の回復を図る。残りの3分の2ほどはそれほどキツくはありません。








ゴトビキ岩着。



真剣に手を合わせる。何者に対してか?もちろん、ここまでがんばって上ってきた自分自身に対してである。


私の写真技術が拙劣すぎて全然伝わらないと思うけど、ゴトビキ岩直下からの眺めは本当にすばらしい。私は登山なんて趣味でやろうとは微塵も思わないが、こういうのが楽しいんだろうなあ、きっと。

実はここで先ほど紀勢線で会った白人男性とすれ違った。彼も本当にすばらしいと言っていた。それは良かった。結局彼には名前を名乗らなかったし、メールアドレスの交換もしなかったが、そういう1回性の繋がりも旅の楽しみの一つだろう。


帰りがまた怖いんですよ。脚がすくむ。ホント、頼朝のヤツめ。そんなことで良い国作れるとでも思っているのか。しかしここは平日の人の少ないときに来るに限るな。人がたくさんいたら、上るのはたいへんだと思う。


熊野速玉大社にも参拝。


すぐ近くに「仲之町商店街」というアーケードがあり、良い感じに寂れていた。



新宮にはもう1つ訪れるべきスポットがある。「浮島の森」だ。


「浮島」は単なる地名ではなく、本当に沼に浮いている。


湿地に生息している植物が完全に分解しないままに「泥炭層」として堆積したものに、新たな植物が生えていったものという。


帰り際、ここの受付のおばあさんに「新宮、初めてきましたけどすばらしいじゃないですか。見るべきものがたくさんある。」と、お世辞ではなく心から言った。