私は鎌倉が好きで、もう何度も脚を運んでいる。訪れたきっかけは源実朝だ。私はこの偉大な詩人政治家をとても尊敬していて(「いとほしや見るに涙もとどまらず親もなき子の母をたづぬる」「時により過ぐれば民の嘆きなり八大竜王雨やめたまへ」など)、いつか墓参りをしたいと思っていた。それで、初めての訪問は彼を暗殺した彼の甥が隠れて待ち伏せしたとされる鶴岡八幡宮の大銀杏が倒れる直前だから、2009年の年末だったか。

その後は年に1、2度のペースで訪れている。で、そうやって何度も訪れながらだんだんに気がついたのは、この街の魅力は歴史だけではないということだ。さまざまな興味深い事どもが、現在進行形で動いている。もちろん、それを動かす多士済々もまた、この街に集まっている。この国の中でも最も刺激に満ちた街のうちの1つではなかろうか。

で、「テールベルト」というカフェを発見したときの経緯については、以前このブログに書いた。店主の湯川美雪さんのインタビューが『朝日新聞デジタル』に掲載されている。お読みになればわかると思うけど、大変すばらしいカフェで、発見以来鎌倉訪問の際にはかならずこの店に寄るようにしている。

そのテールベルトが、しばらく店を閉めるという話を耳にした。葉山にあった「カノムパン」というお店と合体するための改装を行うという。その前に行っておかねばと思った。ちょうどそのタイミングで、「テールベルト」でベリーダンスのイベントを行うと聞いた。後述するとおり、私はダンスというものにとても興味があったので、これはとてもよい機会だと思った。私の現在の仕事は土曜日がなかなか休みにならず、しかしおもしろそうなイベントは土曜日開催が多いので、苦苦しい思いを常常抱えているのだが、この日は運のよいことに年に5度もない仕事のない土曜であった。

2月14日、バレンタインデーの朝、中年男性の私は一人で鎌倉駅に降り立った。




鎌倉駅では、私はいつも西口に降り立つ。鶴岡八幡宮やそれにつながる小町通りは東口なのだが、西口の扇が谷には実朝の墓のある寿福寺があるからだ。しかし、今回はこちらに降りる目的がもう1つあった。



それは「THE GOOD GOODIES」というお店で朝のコーヒーをいただくこと。実際行って飲んでみて、感嘆の吐息が自然にもれた。気分を落ち着かせる成分か何かでも入っているのか。とにかくこれはいい!今後は鎌倉の朝はここということで固定されそうだ。



江ノ電でいったん戻って鎌倉高校前駅。中学時代の広末涼子がグラビアの撮影に使用したという由緒あるベンチ。私は彼女のファンではないのだが、なぜかいつもここを巡礼してしまう。第三子を身籠ったそうで、おめでとうございます。



ついで、ここも私にとってお決まりのコースなのだが、新田義貞が太刀を投げて龍神にささげ、海を割って難攻不落の鎌倉に攻め入ったという伝説のある稲村ガ崎。




そして寿福寺に実朝の墓を訪ね、



鶴岡八幡宮を参拝。このあと、鎌倉市立中央図書館にこもり、ベリーダンス関連の書籍を読み漁り1800に始まるイベントの予習。