心理学には「○○分析」というのが、
たくさんあります。
分析というのは、
「こういう症状の人には、
こういう心理が隠されていて、
それはこういうことが原因で起こっている。
解決法は、こうである」
というふうに、
問題をパターン化したものです。
心理の世界に入りたてのころは、
○○分析を知ると、
見事にパターン化されているので、
すべてが分かった気になり、
魔法の杖を手に入れた気分
になれるんですね。
初心者は、クライアントを前にして、
いったい何をどうしたらいいのか
分からないので、
パターン化してくれる○○分析は、
とても重宝するわけです。
私も○○分析にはまった時期がありました。
でも、やってみると分かるのですが、
すべてのクライアントさんに当てはまる
わけではありません。
そもそも、○○分析は、
きちんとした統計をとってつくった
ものであるとは限らず、
作った人の主観がかなり入っています。
かの精神分析でさえ、
フロイトの主観がかなりはいっていて、
統計的には有意ではない。
といわれています。
そして、気をつけなければならないのは、
統計はあくまで「傾向」を示すものであり、
「法則」ではないので、
例外がいくらでもあるということです。
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「傾向」と「法則」の違い
しっかり理解してください。
「法則」は、絶対的なもので例外がありません。
物理法則がそうです。
それに対して「傾向」は、
こういう条件では、こういうことが
起きることが多いということでしかなく、
例外がいくらでもあります。
○○分析は覚えることが多すぎて
一般の人には使えないので、
一般の人向けに「○○の法則」
というのが出てきました。
ですが、心理の世界に「法則」はありません。
すべて単なる「傾向」ですので、
注意してください。
しかし、○○分析(○○の法則)の
信奉者たちは、例外を認めません。
無理やり人間の方を
法則にあてはめようとしてしまいます。
「あなたの苦しみの原因は、
あなたの心のこうこうこういうことが
原因なのです。
それを認めない限り、
この問題が解決することはないでしょう」
と、強迫まがいのセラピーを
してしまう人もいます(はぁ)。
私は、○○分析(○○の法則)を全面的に
否定しているのではないですよ。
相手や自分を知るのに、
よい手掛かりになるのは確かです。
○○分析(○○の法則)をうまく
使いこなしている方は、
あくまでひとつの手掛かりとして参考にし、
それひとつで判断することなく、
さまざまな要素を取り入れています。
○○分析専門の先生方は、
たくさんの臨床経験をお持ちなので、
たくさんの例外を知っています。
だから、分析が役立つときには使う。
分析が当てはまらないときは、
別のやり方をしていらっしゃいます。
分析するには、たくさんのことを
暗記しなければならない。
そのうえ、せっかく暗記したことも
例外だらけで、すべてのクライアントさん
に当てはまるわけではない。
間違った分析をして、
ありもしない問題を作ってしまう危険もある。
なので、私はいっさい分析しない
ことにしました。
(とはいっても、
「これはこういうことかもしれない」
と仮説を立てたり
見立てをすることはします)
分析するのではなく観察する
ことにしたのです。
踊る大捜査線の青島刑事流に言うと
「クライアントは、
あんたの頭の中にいるんじゃない。
あんたの目の前にいるんだ!」
だから、頭であれこれ分析するのではなく、
目の前のクライアントさんを
よく見て
話をよく聴きましょうよ。
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