着物沼にハマって10ヵ月
いろんな呉服屋さんを見てきて思ったことを
素人目線で赤裸々に語ってみようと思う
声を大にして言いたいのは
このままでは着物業界は衰退する
もうずいぶん前から始まっているけれどね
着物業界が衰退するということは日本の着物文化が衰退するということ
主な原因のひとつは
大手呉服屋による
よってたかって囲って買わせようとする営業活動
これね
着物初心者にとっては恐怖の対象以外の何ものでもない
着物の相場がわからないので、何が良いのかもわからない
そもそも着物の種類がわからないので自分の好みすらよくわからない
そんな状態のまま、あれやこれや勧められて、1人だった店員さんが2人に増え、そのうち「1番偉い人」まで現れて
三方向からガッチリ固められて逃げ場がなくなる
こういう大手の呉服屋さんが未だに存在する
(わたくし個人としては
小規模、個人の老舗の呉服屋さんは強引な営業は少ないと感じている)
初期段階でそこまででなかった場合
安心するのはまだ早い
次の段階があるのです
ちょっと慣れてきて目が肥えてきたりすると
やたらと「特別な着物」を勧めてくるようになる
しかも、お店によっては
お店側が売りたい着物(反物)や帯の中で お客が好みそうなものを予め用意してある
そう
お客側が欲しいものではなくあくまでもお店側都合
イベントは要注意
特に会場を用意して行う催事
これを続ける限り
着物業界に未来はない
産地、職人さん、作家さん、着付け講師…
和装業界に関わる全ての人達、着物を愛する全ての人達
その文化を守り、育て、伝える最前線に位置するはずの呉服屋が最も足を引っ張っている現状
わたくしが着物を着るようになってから「わたしも着物を着たい」という声を多く聞く
同時に「呉服屋さんに行くと買わされるから･･･」
という声も聞く
せっかく「着物を着たい」という人が現れても
呉服業界のこの悪しき習慣がなくならない限り
実際に着物を新調する人は減り続ける
今、着物初心者の多くがリサイクル着物を愛用していることを呉服屋の人達はご存知なのかしら？
着物を仕立てるのは正直お値段が張る
それに比べ、リサイクル着物はそこそこ良いものが数千円から手に入る
仕立てたときは数十万したであろう着物も数千円～数万円で手に入れることができる
自分にピッタリサイズではなくとも
着物は工夫すれば多少寸法が違っても着ることができる
昔の質の良い着物や帯が、失われることなく
リサイクル着物として次の代に受け継がれていくことはとても良いことだと思う
でも
それが主流になってしまったら
今現在の職人さんや作家さんの仕事がなくなってしまう
ということは
技術を受け継ぐ次世代が育たない
今、この古いスタイルを変えていかないと
本当に着物文化は廃れてしまう
着物を着るようになって、改めて着物は素晴らしい日本の文化だと感じている
匠の手による素晴らしい作品を身に纏うことができる着物は世界でも稀な衣服でしょう
でも
それだけでは着物人口は減る一方
着物文化の最前線の砦･呉服屋が今すぐに取りかかることは、高価な着物を売ることに力を注ぐのではなく今すぐに裾野を広げるための行動をとること
着付け講師や着物を愛する実際に着物を着る人達が裾野を広げようとしているのに
その最前線の砦となる筈の呉服屋が最大の壁となってはいけない
今の日本の着物はもはや風前の灯火
これを阻止するために今できることは
着物を売る側と着る側が共に裾野を広げる行動をすること
遅すぎるかもしれない
それでも
今やらなければ着物文化に未来はない
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