2015年 日本
監督:原田眞人
出演:大泉洋、戸田恵梨香、満島ひかり、内山理名、樹木希林、陽月華、キムラ緑子

駈込み女と駆出し男


1841年から1843年までの時代設定。通常は、女からは離縁できなかった時代。

暴力や理不尽な扱いから逃れるため、駆込み寺に駆込む女たち。そこで2年が過ぎれば離縁できるという幕府公認の駆込み寺、東慶寺。

この映画は、東慶寺に駆込んだ3人の女、じょご(戸田恵梨香)、お吟(満島ひかり)、ゆう(内山理名)、そして医者の中村信次郎(大泉洋)を中心に物語が展開する。



実は時代劇が大好きです。

特に好きなのは武家や武士を描いた作品。武家の美しい所作や言葉遣いに憧れます。所作は無理としても、言葉については日常の場面で少しでも美しい言葉が話せたらと思うのですがなかなかね。。

大和言葉は照れが先にたってなかなか使えません(使う以前の問題として知らないということがありますが)。

余談になりますが、現在NHKのBSで放送中のドラマ「鴨川食堂」で、店主の萩原健一が店の客を見送るときに「ご安全に」という言葉を使うのですがこれは京都では普通の言い方なのでしょうか。それとも日本語として普通に使われる言葉なのでしょうか。私は今までに聞いたことがなかったのですが、なかなかいい言葉だと思います。


時代劇を観ていていつも思うのは、俳優さんたちはきれいに正座しますよね。私は5分と持たないので感心するのですが、何かこつのようなものがあるんでしょうか。尤も、最近ではほとんど必要がなくなってきていますが。。


医者役の大泉洋が可笑しすぎます。彼は天性のコメディアンですねー。病気の女を治療するのに直接手を触れたり、目を見てはいけないという、極めて制限された状況下で治療しなければならない。例えば、腹痛を起こした女の治療をどうしたか・・・いや、書くのはやめておきます。映画を観てください(笑)。

映像は美しいし、当時の風俗や文化を忠実に再現している(たぶん)。

駆け込み寺としての東慶寺は1870年まで続き、救済した女性は2000人を超えているとか。


第58回ブルーリボン賞で、大泉洋が主演男優賞に選ばれましたね。ほかの映画をすべて観ているわけではないので分かりませんが、この映画を観る限り、その価値は十分にある演技だったと思います。


血を見るようなシーンは少ないし、いわゆるエログロのようなシーンもない、暴力シーンもほとんどないのでそれも評価できます。一瞬だけ、一秒もない時間でそれらしきシーンが映ったときがありますが、まあ許容範囲でしょう。


2時間半を感じさせない面白い映画でした。


予告編






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