今日は、20世紀最大の天才子役と言われたシャーリー・テンプル(以下、シャーリー)と、黒人最高のタップダンサーと言われたビル・ボージャングル・ロビンソン(以下、ボージャングル)が共演した「小連隊長」(1935)です。

ボージャングルは、フレッド・アステアが敬愛したダンサーのひとりで、アステアが幼少の頃実際にタップの指導を受けたことがあります。アステアがボージャングルに敬意を表して踊るのが、「有頂天時代」(1936)の“ボージャングルス・オブ・ハーレム”です。

また、グレゴリー・ハインズが主演したボージャングルの伝記映画として「キング・オブ・タップ」(2001)という作品があります。この作品については、いずれレビューする予定です。


1935年 アメリカ
監督:デヴィッド・バトラー
出演:シャーリー・テンプル、ライオネル・バリモア、イヴリン・ヴェナブル、ジョン・ロッジ、ビル・ボージャングル・ロビンソン

小連隊長


1870年代。南北戦争終結後のケンタッキー州。

南部のロイド大佐(ライオネル・バリモア)の娘エリザベス(イヴリン・ヴエナブル)は、北部のジャック・シャーマン(ジョン・ロッジ)を愛している。しかし大佐が北部の男性との結婚を許さなかったため、2人は駆け落ち。6年後、2人にはロイド(シャーリー)という女の子が授かっていた。

ロイドには、金色の巻き毛、茶色の瞳、そしてエクボで連隊を魅了した功績により名誉大佐の称号が与えられていた(ここが実に微笑ましい)。

6年ぶりにロイド大佐とエリザベスは再会するが、大佐は容易にエリザベスを許そうとはしない。しかし一方で、孫のロイドにはメロメロだった。

この映画は、絶縁状態になっていた大佐とエリザベスの関係が、ロイド"名誉大佐"(シャーリー)の活躍で修復されるまでを描く。




この映画のジャンルを何にするか迷いました。ミュージカルというほどでもなく、音楽映画でもない。しかし「映画:ミュージカル・音楽・ダンス」には入れたいということで敢えてミュージカルとしました。ボージャングルとシャーリーのタップが2ヶ所、シャーリーの歌もあります。



当時7歳ごろのシャーリーが愛くるしい。

シャーリーは、ダンスが踊れ、歌が歌え、演技もできるという20世紀最大の天才子役でした。この子を見ていると自然に笑みがこぼれてきます。不思議な魅力を持った女の子ですね。

ロイド(シャーリー)の父親が熱病を患って家に戻ってきたとき、感染してはいけないというのでロイドが祖父の家に預けられます。このとき、家の二階の部屋に寝に行くのを嫌がるロイドに対し、執事のウォーキー(ボージャングル)が階段の新しい上がり方を教えてあげるといいながら踊るのが有名な階段タップ。


この作品のオリジナルはモノクロですが、DVDにはカラー版も収録されています。面白いのは、モノクロ版もラストのシーンだけはカラーになっていることです。


ボージャングルとシャーリーによる階段タップ



馬小屋の前で踊るボージャングルとシャーリー






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