今日は、「マイ・シスター・アイリーン」(1955)というミュージカル映画です。


1955年 アメリカ
監督:リチャード・クワイン
出演:ベティ・ギャレット、ジャネット・リー、ジャック・レモン、ボブ・フォッシー、トミー・ロール、ディック・ヨーク

マイシスターアイリーン


作家志望のルース(ベティ・ギャレット)と女優の卵アイリーン(ジャネット・リー)姉妹がニューヨークで職探し。

早速見つけたアパートは、地下でカーテンもなく外から丸見え。外を通る車が跳ねあげた水が飛び込んでくる始末。先が思いやられる2人だったが・・・。



1940年にブロドウェイミュージカルとして初演されたものが1942年に一度映画化されており、今作はそのリメイクです。1942年の作品では、ルース役をロザリンド・ラッセルが演じており、アカデミー主演女優賞にノミネートされました(受賞は「ミニヴァー夫人」のグリア・ガースン)。1942年版は日本ではソフト化されていないようです。

1955年版も日本では未公開であり、あまり知られていない作品ではないでしょうか。

この作品で注目すべきは、「キャバレー」(1972)や「オール・ザット・ジャズ」(1979)などのミュージカル映画を監督、振付したことで有名なボブ・フォッシー自らが出演しダンスを踊っていることです。

フォッシーが出演している作品を日本で観ることができるのは、「マイ・シスター・アイリーン」のほかには、「キス・ミー・ケイト」(1953)ぐらいだと思います。この作品はそういう意味でも一見の価値があります。


トミー・ロールが出演する映画としては「キス・ミー・ケイト」のほか「掠奪された七人の花嫁」(1954)があります。なお、トミー・ロールは現在86歳で健在のようです。


アイリーンがオーディションを受けるのを待つ間、彼女に事務所を紹介した新聞記者(ボブ・フォッシー)とカフェの店員(トミー・ロール)がダンスの競演をするのですがこれが素晴らしい。


当時28歳ごろのボブ・フォッシーと26歳ごろのトミー・ロールによる超絶のパフォーマンス。絶品のダンス。必見です。曲は"コンペティション・ダンス"。
直接ここには貼れなくなっているのでリンクします。



余談になりますが、ボブ・フォッシーが敬愛していたのがフレッド・アステア。山本健翔著「フレッド・アステア 20世紀のショウ・ストッパー」には、1981年4月10日にアメリカン・フィルム・インスティチュートの生涯功労賞がフレッド・アステアに贈られたとき、ボブ・フォッシーは、「フレッド・アステアはわが人生の憧れでした。・・・中略・・・自分がフレッドのようになれないと気づき始めた時・・・中略・・・他の仕事に就いたほうがいいのだと悟りました。そして振付師になったのです」と感謝の言葉を述べたと書かれています。


ボブ・フォッシーとジャネット・リーのダンス



ベティ・ギャレット、ジャネット・リー、ボブ・フォッシー、トミー・ロールの4人で踊る楽しいシーンもあります。






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