7月は映画鑑賞が8本、読書が9冊。ともにあまり捗りませんでした。

きょうは、読書のまとめ。


2016年7月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2813ページ
ナイス数:87ナイス

お任せ! 数学屋さん (ポプラ文庫 日本文学)お任せ! 数学屋さん (ポプラ文庫 日本文学)感想
季節外れの5月に転校してきたちょっと風変わりな男子中学生。彼が机に掲げた幟には"数学屋"と書かれていた。それは、生徒たちの悩みを数学で解決するというもの。運動場を野球部とソフトボール部でどう分けるか?、野球部員にやる気を出させるにはどうするか?気になる女の子に告白すべきか?などという一見数学とは関係ないものまで数学で解決してくれる。しかもちゃんと小説になっている。易しすぎず、難しすぎず。思わず紙とペンを取り出して確かめてみたくなるテーマが多かった。
読了日:7月28日 著者:向井湘吾
銀漢の賦 (文春文庫)銀漢の賦 (文春文庫)感想
幼なじみながら、一方は家老にまで上り詰め、一方は一介の平武士に甘んじている。20年前に起きた百姓一揆のあと絶縁状態にあったふたりがあることをきっかけに友情を取り戻していく。葉室麟さんの文章は美しく格調が高い。漢詩や和歌を旧漢字で引用し、新漢字で解説を加える。そのことで難しいものが読みやすくなっている。勉強になります。
読了日:7月23日 著者:葉室麟
おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)感想
身近に起きた不幸な出来事から距離を置くため、叔父叔母の家に預けられたおちか。やがておちかは、叔父が碁を打つために使っていた黒白の間で客たちから不思議なはなしを聞くことになる。とても不幸なはなしだったが、それはおちかの身近に起きた不幸な出来事と意外な繋がりを見せていく。解説の縄田一男氏が"やさしい怪談"、"怪談による心療内科"と書いているのは言いえて妙。宮部みゆきさんの「三島屋百物語」シリーズの第一作。
読了日:7月19日 著者:宮部みゆき
博士がくれた贈り物博士がくれた贈り物感想
寺尾聡主演の「博士の愛した数式」の原作者、小川洋子さんと3人の数学者との対談。数学はまったく苦手だったという小川さんが数学者を題材にした小説を書くきっかけになったことや、主人公の記憶が80分しかもたない設定にした理由など、執筆に関わる話が面白い。数学に関しては素人の小川さんがなぜこのような小説を書くことができたのかという質問に対し、「書きたいものから距離を取って、心を静めて、観察することが大事。中に入ってしまうと、その世界が見えてこない」という話は興味深いです。
読了日:7月16日 著者:小川洋子,菅原邦雄,岡部恒治,宇野勝博
将棋の天才たち将棋の天才たち感想
米長邦雄永世棋聖が週刊現代に寄稿したエッセイをまとめたもの。古今東西の名棋士の人と為りを米長さん特有の名調子で語ったもの。また、それぞれの棋士の生涯の一局、ここぞの一手を解説しています。しかしここでは、将棋の解説よりも、人と為りを語った部分のほうが断然面白い。将棋の世界は本当に厳しくドラマチック。天才中の天才でないと頂点に立つことはできない。凄い世界ですねぇ。大昔、会社のクリスマスパーティーに米長さんが講演にきてくれたことがありました。話の内容は忘れてしまいましたが、ものすごく面白かったことは覚えています
読了日:7月13日 著者:米長邦雄
ハーバードでいちばん人気の国・日本 (PHP新書)ハーバードでいちばん人気の国・日本 (PHP新書)感想
「平和で安定した国家をつくる」という偉業に成功し、経済状態が悪くても暴力的な事件や暴動が起きるわけでもない国。ハーバード大学経営大学院で取り上げられている様々な事例から、なぜ日本が人気なのか紹介している。例えば「新幹線お掃除劇場」。一車両を1人で担当し、車内の清掃から背もたれカバーの交換など、わずか7分で終わらせる。しかもその所作が美しい。これがひとりのリーダーシップと従業員の創意工夫によって成し遂げられた経緯について学ぶ。なぜトヨタは圧倒的に強いのか、楽天の社内英語公用語化など、興味深いものが多かった。
読了日:7月10日 著者:佐藤智恵
雨に殺せば (創元推理文庫)雨に殺せば (創元推理文庫)感想
ボーナスを運ぶ現金輸送車が襲われ、2人の銀行員が射殺されたうえ、1億1千万円が強奪される。有力な容疑者として事情聴取を受けた銀行の貸付係がマンションから投身自殺。事件は思いもよらぬ方向へと動いていく。大阪府警の黒木・亀田、通称"黒マメ"コンビが犯人に迫っていく「大阪府警捜査一課シリーズ」第二弾。二転三転するストーリー。犯人による周到な仕掛けをどう見破るか。ラストのラストで見せる亀田刑事の推理にうなった。
読了日:7月7日 著者:黒川博行
数学的にありえない〈下〉 (文春文庫)数学的にありえない〈下〉 (文春文庫)感想
フランスの数学者ピエール=シモン・ラプラスが主張した理論「ラプラスの魔」。例えば、「コインを投げたときに表が出るか裏が出るかは偶然の結果ではなく、手の角度、地面からの距離、コインを空中にはじきあげたときの力などによって100%決まる」のように、条件が整えば、未来は完全に予測できるというもの。主人公が持つその能力を利用しようとする科学者。主人公を救うため、共に行動する女性。周到に張り巡らされた伏線、確率論に対する深い知識。圧倒的な臨場感によりページを繰る手が止まらないノンストップサスペンス。面白い!
読了日:7月4日 著者:アダムファウアー
数学的にありえない〈上〉 (文春文庫)数学的にありえない〈上〉 (文春文庫)感想
多少、数学的な話は出てきますが、細かなところは読み飛ばしても中核となるストーリーには影響は与えないので問題ありません。登場人物が多く、最初は戸惑うかもしれませんが、事件とともに少しづつこれらが繋がってきて、面白くなってきたところ。
読了日:7月1日 著者:アダムファウアー

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