今日は、数少ない1970年代のミュージカル映画のうちの一本「ウィズ」です。

1975年1月に開幕したブロードウェイミュージカル「ザ・ウィズ」の映画化で、オールアフリカ系アメリカ人キャストで製作された作品。

原作はライマン・フランク・ボームによる「オズの魔法使い」。

ジュディ・ガーランドが主演した1939年の「オズの魔法使」があまりにも有名です。


なお、原作の邦題が「オズの魔法使い」であるのに対し、映画については、1939年の作品では「オズの魔法使」のあとに「い」の送り仮名がつきませんが、これについて確固たる理由は分かっていないようです。

また、映画版として、1910年版「オズの魔法使」、1925年版「オズの魔法使」、1933年版「オズの魔法使(短編アニメ)」、2011年版「「トムとジェリー オズの魔法使」もありますが、いずれも送り仮名に「い」はつきません。


1978年 アメリカ
監督:シドニー・ルメット
出演:ダイアナ・ロス、マイケル・ジャクソン、リナ・ホーン、ニプシー・ラッセル、テッド・ロス、リチャード・プライアー、メイベル・キング

ウィズ


ニューヨークに住むドロシー(ダイアナ・ロス)の家でパーティーが行われている。しかし引っ込み思案のドロシーはあまり人の前に出たがらない。

外出もあまりせず、通りの南側にも行ったことのないドロシーのことを案じたエムおばさんはドロシーに対し、幼稚園の先生を辞めて高校の教師になるように勧める。

通りの南側にも行き、新しいことを知ってもらいたいと考えたからだった。

ある時、家で飼っている犬のトトが雪の降る街に飛び出して行ってしまう。トトを追うドロシー。外でトトを見つけ抱き上げた瞬間、竜巻が起こり、ドロシーとトトはオズの国に運ばれてしまう。この時、竜巻を作り出しているのが良い魔女のグリンダ(リナ・ホーン)。

オズの国に着いたはずみで悪い魔女のエバミーンが死に、壁に塗り込められていたマンチキンたちが助け出される。

ドロシーはマンチキンたちに、早く家に帰りたいと訴える。しかしそのためにはエメラルド・シティのウィズに会って事情を話さなければならない。

意を決したドロシーがエメラルド・シティに向かって歩き始めると、脳のないかかし、心のないブリキ男、勇気のないライオンに出会う。

かかしは知恵が、ブリキ男は心が、ライオンは勇気がほしいという。ドロシーは、彼らの願いも叶えられるよう、共にエメラルド・シティを目指すのだった。



必ずしも世の中的には評判が良くないようです。確かに微妙だなあと思うところもいくつかあります。

まず、ドロシー(ダイアナ・ロス)がニューヨーク在住であることに違和感があります。ドロシーと言えばカンザス。カンザスと言えば竜巻。竜巻と言えば「オズの魔法使」。「オズの魔法使」と言えばドロシー。ドロシーと言えば・・・。・・・。・・・。

雪が降るニューヨークで竜巻が起きるんでしょうかねー。

あと、ダイアナ・ロスがドロシー役というのも・・・。幼稚園の先生で24歳という設定。しかしダイアナ・ロスはこのとき34歳。可憐さは全然ないし。どうなんでしょうね。

1939年版「オズの魔法使」を何度も観ているので、どうしてもそれと比較してしまいます。マンチキンもウィズも"らしく"なかった。


しかし、出演者は超一流であり、その点では申し分ありません。ダイアナ・ロスにマイケル・ジャクソン、リナ・ホーンまで出ている。


ここでは4曲ご紹介しておきます。いずれも超オススメのシーンです。


"Ease on Down the Road"・・・ドロシーとかかしが黄色の道を歌い踊るときに使われる曲で、1975年のブロードウェイミュージカルが1stバージョン。この映画の中でダイアナ・ロスとマイケル・ジャクソンが歌い踊るのが2ndバージョン。マイケルのダンスにも注目。軽く踊っているように見えますが、実はこれがすごく難しい。片足で軽々と4回転(たぶん)します。



"No Bad News"・・・西の悪い魔女(メイベル・キング)が、自分の工場で従業員をこき使いながら歌います。ド迫力です。この人は、ブロードウェイミュージカルでも同じ役を演じています。



"If You Believe"・・・ドロシーに、信じれば家に帰れるのよと歌う南の良い魔女グリンダ(リナ・ホーン)。リナ・ホーンが美しすぎます。当時61歳ごろです。



"Home"・・・家に帰れることを願って熱唱するダイアナ・ロス。






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