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この写真からは想像も出来ないような、

ものすごいドキュメンタリーを観た。

Amazonプライム「悪いやつほど裏切らない」。

以下完全にネタバレ

⬇︎

90年代、600匹以上の犬を一人で保護し、一躍メディアで英雄となった本多さん。




しかし、膨大な寄付金による人間トラブル、家の全焼、メディアの手のひら返し…


「あそこは犬の地獄だ」


とまで雑誌に書かれ、

居場所をなくし、日本からすっかりと忘れられてしまう。






本作はそんな本多さんが、

まだ犬と暮らしていると知り、

カメラが会いにゆくドキュメンタリー。






畑の広がる田舎に膨大な粗大ゴミ(私たちにはそう見える)と犬とたちがいる。






カメラがターンすると、

今まさに捨てられた小さな小さな子犬を抱えた本多さん(70歳)が

道路のむこうから歩いてくる。





「GWにはまた置いてく人がふえっから、ずっといなきゃなんねえだろうなあ。100匹は覚悟しねえと。」という。



「ここに置いていくんですか?笑笑」

「だよ〜。電柱に括り付けてったりしてっから。」



という会話がされる。

話の語尾のプロデューサーの笑い声がいちいち気に触る。



この撮影にあたり、キチガイのおっさんを撮るの怖いだろうなと、

急にキレたりするのかな、と思いながら見始めたが、


次第に、このゴミと犬と暮らしている本多さんが

聖人でこちら側が気がおかしいと思い始める。





まっすぐすぎて胸が苦しくなる。

本多さんは犬を愛でながら夢を語る。


突拍子もない夢だったが。

本多さんも、本多さんの周りの犬たちも目が優しい。狂気と優しさが常に隣り合わせ。





本多さんを「聖人」と言うと違和感はある。

本人もはっきりと「最後は金だよ」と言っているので。




ただ、「金だよ」と言いながらゴミ屋敷で暮らすというアンバランスさは、

お金のトラブルで、一緒に働いていた人たちから裏切られ、

メディアからも叩かれたからこそ、

本当の「金」の意味に気がつき、

裏切らない犬たちと極限のような生活をしているのだと思った。(本人は至って幸せそう)








スタッフが何度目かの撮影に行く。「本多さんー!」と呼んでも犬たちも本多さんもいない。





しーんとしている。





枯れた花がゴミにさしてある。

「本多さんは急死した」のだと通りすがりの人が教えてくれた。





スタッフが市役所に遺骨の場所の確認の電話をする。



「少々お待ちください。ごそごそ…本多ただまさの遺骨の場所を確認したいって、笑笑」



「笑笑」て……。




電話のむこうから聞こえてくる職員同士の笑い声。




今はただゴミ置場と化した本多さんの王国を上空から写した映像。





35年を信念と生きた本多さんの姿は紙一重。

内容を見ればとても恐ろしくもある。




ただその信念の半分も自分は持てないこと、

そして犬を捨てる軽薄な人間に本多さんが笑われる事、

本多さんが志半ばで亡くなった事、

まだまだ犬たちが捨てられていると言う現実。




上空から移されたゴミ置場を見て、涙が止まらない。本当に本多さんは幻だったのかもしれない。

それほどに人生は儚い。






YouTubeに予告があるので、ぜひ。

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