5月の水しぶきの味。こんなに堕落した自分は美味しいものを食べる事は許されない気がするのに、やはりあり着いてしまう。冷酒があまりにも美味しくて、ふらふらな足取りで夜を歩く。このまま闇の中に消えてしまえば、楽だよという声がする。私は何も手放せず、何も手に入れる事は出来ずに、いつもふらふらとしている。私の映画の話を、ちゃんと聞いて。大好きな「八月の鯨」。8月まで出会えなかったら…季節の意味も、亡くしてしまう。どうか思い出してください。