Y.YさんのSTEP感想

美穂さんのブログでの感想文を読んで刺激されて書きます。

我が家の長男9才は、
3才の時に自閉症と言われました。

生まれて診断を受けるまでは、
1日2時間、テープの回るのを
じっと見ながら音楽を聴いたりして
他の子と関わりがなくマイペース。
さすがうちの子、これはただ者ではないぞと思い
かわいがっていましたが、
1歩外に出れば1人でさっさと
何処へでも行ってしまうので、
何かあってはいけないと必死で追い回す。

また家中のスイッチを押しまくり、
多動でこだわりが強いので、
こだわった物がなくなると
火がついたように泣きパニック。
必死で捜し、それが1日何回もあり。

その他とても一言では言えない苦労がありました。
そして、いろんな情報を捜しますが、
今の医学では、自閉症の原因も分かっていなければ、
脳の事もまだ全部分かっていないわけで、
いろんな先生達がいろんな事を言い、
本を読んでも考え方等が違うので、
振り回されてしまいました。

テレビがいけない。
生まれてすぐスキンシップをして、
母乳をあげないといけないとか、
妊娠中にストレスが多いといけない。
愛情が足りないとそういう子が産まれやすい
という本などを読むと、思い当たる事ばかりで、
自分を責めつらい日々が続きました。 

ドーマン法・七田式と、いろんな療法を試みましたが、
思うようにメニューをこなしてくれず、
電車やドアの開閉や全てのことに固執する彼と、
無意味に見える行動を止めさせ、
意味のある(私にとって)取り組みをやらせようと
固執する母との戦いでした。

友人から小さい頃、Tと同じように自閉と言われ、
小学校に入ってから治ってしまったという話を聞き、
益々欲が出て、このまま放っておいてはいけない、
かわいそうという気持ちもあり、
私がこの子をなんとかしてあげなくてはと、
手出し、口出し、先回りし自分で勝手に不安を作り、
将来を思い落ち込んだりし、その思いが彼に伝わり、
益々落ち着かず多動になるという悪循環。

あるがままの彼を心から受け入れたい。
普通の人の枠の中で彼を見てはいけない。
彼の世界に少しずつ入ってみよう。
彼の世界をもっと分かりたい。
思えば自分も枠から外れていた人間だったのだから。

私は、小学校の頃の事は少ししか覚えていません。

勉強が好きじゃなかったし、
ずっと座っているのも退屈で、
高校では当時のロック音楽にはまっていて、
同じような趣味の人は少なく、
心を許す友人も1人ぐらいでいつも枠から外れ、
我が道を行くという感じで、
問題の多い家庭で育ち、大人への不信感や
親に対する反抗もあり、
ピアノをやっていたので音大に入るはずが、
私は自分の弾きたいように弾く、
人に決められたレールを歩くのは嫌と、
Jazzの専門学校に入り、
それからは世間の常識など全く通用しない
独特な世界でずっと仕事をしてきました。

しかし、いざ自分の子どもとなると、
他の子ども達と一緒の事をしない、
枠から完全に浮いている子に不安になり、
少しでも落ち着いて他の子ども達と
同じ事をさせるのにこだわり、
そうすれば良くなるという錯覚をし、
自分の作った枠を彼に押しつけていました。

また本人がやる気になると、
出来そうな事が多いのでつい欲が出て怒ってしまう。
すると全く何も聞いてくれなくなってしまう。

言葉より、人の気持ちを敏感に
分かってしまう彼はまるで私の鏡のよう。
私か不安になり何かにしがみつきたくなったり、
イライラしていると、落ち着きがなくなり、
行動でそれを示します。

彼を信じて見守るというのは難しい事です。

まず、息子を変えようとするのを止めて、
自分が変化の中心にならなくてはいけないと思い、
あるがままの彼を受け入れたい。
毅然とした強さが欲しい。
私がもっと成長しよう、
そうすれば自然に周りも変わって行く、
というより私は彼がいることによって、
いろんな事に気付かせてもらい、
彼という鏡を通し、いつも自分の中心を
見つめざるをえない立場に置かれ、
私か足りない所を学ぶ為に彼がいる。
息子はあるがままにそこにいる。
それを受け止める私の問題なんだと思っています。

 日々忙しいのを理由に、積もっていく問題。
それにフタをするように、
忙しくしていないといけない自分がいたと思います。

STEPを受けるとスイッチONになってしまい、
響きすぎて、毎回問題を書き、
書かないと眠れないという状態になり、
自分の過去に戻ったり、親のことを思ったり、
自分の足りない所もより明確になり、
日常の小さなやりとりや問題の中から
お互いの問題が見えてくる。

私か息子のぺースに巻き込まれて
すぐカッとなってしまう。
子どもの奴隷になりかかってたと自覚し、
危ないことは真剣に注意し、
彼の問題という時は無視するようにしました。

前より少しづつパニックは減ったように思います。
STEPでは今までば漠然と思っていた事が、
より明確に見えてきました。

分かっているのに行動出来ないで
流されているとストレスがたまり、
何かの時に子どもに怒鳴ったり、
また、自分に対して腹を立てるという状況は少なくなりました。

STEPでもらった行動に移す
エネルギーと知恵を使い始めると、
今までと違う角度で物事が見えてきて、
自分の足りない所もしっかり自覚し、
問題は収まる所に整理されて行く。

また何かあった時、
全部のフタを空けなくて済むようになり、
必要な所だけ出してきて、
処理出来るようになったと思う。

本当に大事な事は、彼を信じて見守るという事、
そして、美穂さんの言っていた、
「花ならその花にあった質と量の肥料を
良いタイミングであげないと上手く育たない。」
その子が生まれながらに持っている天の才
(鳥山先生の言葉です)を引き出してやるという事。
そして親も子もお互いに
問題を起こしながら学び合っている。

最近では、このめちゃくちゃな母に
息子がつき合ってくれていると思ってます。

私は人に説明する時は、
自閉症とか障害児と一応は言ってますが、
私の中では彼はあれで普通なのです。
ただ、物の考え方、感じ方、見方が違うのです。
私達とは少し違った行動をします。
そしてすごく敏感です。
自分を受け入れてくれる人がすぐ分かります。
沢山の大人がいても自分の気に入った人の所へ
自分なりの表現をします。
彼の心は、とってもシンプルです。

でも障害児だからいって
何をやっても良いという訳ではない。
一応この地球の社会に生まれて来たのだから、
最低限の躾、社会性を教え、
自立させるのは親の役目と思ってます。

STEPを受け、
いらない枠(人によって違ってます)は取り外し、
そしてつまらないプライドも捨て、
一番大事な所をしっかり見つめる事が
分かってきたと思います。

そして、私にも与えられた天の才がある。

障害のある子どもの為に
全てを捨てて全エネルギーを注ぐのではなく、
私自身が充実している事も大事だと思って、
時間は作ろうと思えば作れると思い、
大好きなピアノで曲作りをしようと思ってます。

時間がなくて訳の分からない文になってますが
皆さま気持ちは分かって下さい。

子ども達の目の輝きを私や
その他の大人が失わせませんように・・・。