からの続きです

 次に、このパーティにおける選出について解説します。このパーティは、相手がいかなるパーティを使っていても、殆ど同じ選出をすることが出来ます。その並びとは、真ん中ワタッコ、サイドの好きなほうにラプラスとサマヨールという形です。つまり↓のような感じになります。
$「みろうは黙ってポケモンしてろ」と言われました
 この選出は、相手にトリックルームを防がれないようにするための並びになっています。①のラプラスの項で説明したとおり、ラプラスは“ほえる”を持っているため、こちらのトリックルームを警戒して出てきたポケモンがほえるの届く範囲にさえいれば、飛ばすことができます。ほえるはムーブでかわすことが可能ですが、その場合は真ん中に繰り出さないと封印やトリックルームは撃てないので、結局向こうからすればまったく安定しません。それに、ワタッコの眠り粉やサマヨールの横取りまで存在するので、殆どのケースにおいて、相手は安全にトリックルームを封殺することが出来ません。(もちろん、こちらが安定するというわけでもありませんが、なすすべなく封殺されるケースがまずないという意味です)
 他の選出ケースでは、ラプラスの位置にカポエラーを出して、威嚇だけ入れてからラプラスに戻すというパターンもありますが、よほど相手が物理に寄っていないとまずありません。あとは、浮いてるポケモンもマニューラみたいな速い猫だまし使いもいなければ、サマヨールの位置にムシャーナが出てくるかもしれませんが、やはりそのケースも殆どありません。

 次に、巻き込み地震についてですが、このパーティはトリックルームが切れる前に勝負を決めてしまうために構築されているので、基本的に巻き込み地震は厭わないで撃ちます。雪崩の火力も決して高くは無いので、巻き込みたくないからとひよってしまうと、バクーダが死んで負けてしまいます。そういう意味では、バトルが非常に大味って感じに見えるんですが、立ち回りには繊細さが求められます。仮にトリックルームが切れてしまっても、ムシャーナを生かすような立ち回りさえできれば、問題なく勝つことができるので、なるべくこちらのダメージが蓄積しないように立ち回るのも、非常に重要です。


 最後に、なんでこんなパーティを作ることになったのかを書きます。
結論を先に述べますと、

①好きなことを見つけて押し通せるのがトリプル
②戦って得た経験は必ず次の構築で活きます

という二点です。

 このパーティを組んだのはもう1年半も前ですが、当時から自分のトリプルにおける構築はかなり変わっていたと思います。例えば、願い事が撃ったポケモンの位置にかかることを利用した“願い事とmoveを絡めた構築(通称ママンボウスタン)”や、緊張感リングマとワタッコって相性よくね?という謎の発想から生まれた“腹太鼓リングマスタン”等です。そしてその当時は、超火力というものにハマっていました。それは、腹太鼓リングマを使っていて面白かったからです。
 そこで、トリプルバトル初期から、袋叩きパというものが存在していたので、それと似たような面白いパーティを作りたいと考えました。そして色々考えた結果“正義の心”と同じような性質を持つ“いかりのつぼ”という特性に着目しました。
いかりのつぼ という特性を持つポケモンは、バクーダの他にも 「ケンタロス」「オコリザル」がいました(当時ワルビアルは未解禁)が、ケンタロスは見たことがあったということと、バクーダはリングマスタンで使い慣れていたという理由もあって、バクーダを選びました。バクーダにはタイプ一致で撃つことが出来る地震という技があったので、超火力というコンセプトに合うとも思いました。
 そして、リングマスタンを使っていると気に得たトリックルームを運用するノウハウを応用して、この構築が完成しました。
 これは後日談というか現状の話ですが、今自分が使用している構築でも、火力やトリックルームといった要素が活きています。

 さて、最後になりますが、皆さんも、「トリプルやったことないから分からない」なんて言わずに、面白いと思うものを探してみましょう。そうやって考えた構築は使ってて非常に楽しいと思うし、きっとトリプルというルールが好きになると思います。トリプルは、ポケモンの楽しさに一番触れることができるルールだと思います。この記事を見てくださった方が一人でも多く、人のパーティをまねすればいいやなんて思わないで、唸りながら悩みながらパーティを考えて、トリプルに参戦してくれることを望んでおります。


超余談・補足データ

種族値
535:ラプラス
487:ムシャーナ
460:バクーダ
455:カポエラー
455:サマヨール
450:ワタッコ
平均:473.7

トリプルでは、種族値が正義じゃないんですよ。