先日のGW、ぼちぼち年頃の姪っ子が、「原宿に行きたい!」と言ったんです。



初めて言葉を喋った時より、


初めて私を「にいに」と呼んだ時より、


ずっと待ち焦がれていた台詞でした。



別にそれが渋谷でも新宿でも柏でもよかったのですが、


ローティーンの娘が原宿ってのは、やはり健やかな響きでいいですよね。



待ち焦がれること12年、ついに私の出番が来た!


喜び勇んで竹下通り。



自分が初めて行った時よりもワクワクしました。


40過ぎて竹下通りで心が踊るなんて!


だからいつも以上に若作りをして、バレないようにバッチリ素顔で出かけました。






まあまあGWですもの。


こんなものでしょ。でも確かにすごい人。


たいていロケなんかだとカメラとかいろいろあるから、


すぐに人だかりができてしまうのですが、今日は大丈夫。




「あ!ミッツだ!」的な通りすがりの声は無視して、


「ほら。あの店もいいんじゃない?」とか


「とにかく手当たり次第カワイイと思ったものは手に取ってみなさい!」などと、


太っ腹な指示を出しながら進んでいきました。



姪っ子たちがどこかの店に入っている間、私は外で待つことに。




振り向いてみて、背筋が凍りました。









……。



いっしょに待っていた甥っ子が、


「意外とまだ人気あるね。」と呑気なことを言っているので、


「そうね。ちょっと安心ね。」などと応えてみたものの、


かなり洒落にならなそうな状況になってきました。





竹下通りというのは、行ったことがある方は分かると思いますが、


幅がそんなに広くない一本道なのです。


そんな構造的な要因にプラスして、


「ここは、どんなにミーハーしても恥ずかしくない場所。」という、


根拠のない共通認識が漂っています。



確かに田舎モンの中高生が多いのですが、


不思議なのは、結構なイイ大人までもが、


タガを外して、握手だ写真だならまだしも、



「変顔してください」(やだ)


「肌触っていいですかぁ?」(絶対にやだ)


「私たち双子なんですぅ!似てますかぁ?」(知るか)


などと、欲望を全開に振りかざしてくるのです。



そっか、ロケの時って、


スタッフや警備員さんがいるもんね・・・・・・。


どうしましょう。


私、大変な場所に軽はずみな気持ちで来てしまったのかも。



そうこしている内に、この無実ではあるが無秩序な群衆が、


将棋倒しにでもなったらエラいこっちゃ。


遠くに姪っ子の顔が見えたので手を振ったら、見事に他人の振りをされました。







これは店から出れず、私を囲む人だかりを姪っ子が撮影したもの。



危ないよ。押さないで。止まらないで。とりあえず進みましょう。などと言っても焼け石に水。


ついには街のパトロール隊のおじさんたちに、裏へ避難させて頂きました。


「ダメだよ。そんな大きいカラダで堂々と歩いたら。」と、言われたような言われてないような。



なんだかすごい迷惑をかけてしまったような気がして、ちょっと凹む。



だってね。


店に逃げ込んでも、


スマホかざして店の中まで大群で追いかけてくるんですよ。





こんな人気があるなら、何故にもっとコンサートとか来てくれないんだろう…。




そんなことを思っていたら、目の前に100円ショップがあったので、


「マスクを買おう!」と、マスクを探す。



そしたら甥っ子が、


「これの方がいいんじゃない?」と、あるモノを持ってきてくれました。


なるほど。これなら絶対に大丈夫だ。




私を何十年も支え続けてくれた、


プリプリの「Diamonds」という曲が、改めて私の中で鳴り響きました。


♪好きな服を着てるだけ 悪いことしてないよ♪













さっきまでの騒ぎが嘘のように、ピタッと収まりました。


すごく複雑。でも快適。



代わりに、


「わ!びっくりした!」


「何、超怖いんだけど!」


「マジ、何あれ、見て見て!」などという声が、


チラホラと聴こえてきますが、


オカマなんてやってると、そんなもの朝飯前なのです。


「あ、ミッツだ!」と言われる以前は、


こんなような言葉を四六時中浴び続けてきたのですから。





というわけで、般若の私を先頭に、


姪っ子・甥っ子たちを引き連れて、ショッピング継続です。






見て。カワイイ靴も買えたのよ。







クレープだって食べちゃうのよ。






カメラを向けるのは外国人観光客だけ。




姪っ子も、たらふく服やバッグを買えたようで、


華々しい原宿デビューが飾れました。




100円ショップありがとう。


ただ、このお面は竹下通りだったら大丈夫ですが、


一歩外へ出た途端、「不審者扱い」になります。


この般若は私にとってカボチャの馬車なのです。






そんなわけで、


3時間ぐらいかけて、竹下通りを貫通。





しかしながら、


このお面コーディネートが、意外なほどしっくりきてしまい、


やはり私は化物なんだと痛感しました。







そんな一連の顛末を、


つるの剛士くんに話したら、


「休日に変装なしで竹下通りに行くなんて、


絶対ありえない!ダメだよ!」と、お説教されてしまいました。




姪っ子も、


「次は友達と行く」と言っています……。















お面、流行らないかしらね。