先週の土日は、わたしが認定医を持っている日本顎咬合学会の北海道支部の学術大会でした。
その後の認定医教育研修会は
「高齢者の摂食、嚥下と機能回復」というテーマでした。
大腿骨頸部骨折とはお年寄りがする骨折の代表的なものなのですが、骨折した後どうなるのかというのは恥ずかしながら詳しく知りませんでした。ある医療機関の資料によると
1年後には 1割が死亡
5年後には 5割が死亡
これには、かなりの衝撃を受けました。
咬合(かみ合わせ)が悪いと、平衡感覚つまりバランス感覚が悪くなります。
骨粗鬆症などで骨密度が低いと当然、骨折のリスクが高まります。
すり足をしたり、歩幅が狭い人は転倒のリスクが高いといわれています。
こういう転倒リスクの高い方の歯科治療は特に、
「もしかしたら、この治療が最後になるかもしれない
転倒して寝たきりになってしまうかもしれない」
と今まで以上に考えて説明、治療にあたっていこうと強く思いました。
平均寿命は世界一となった日本ですが、健康な状態で暮らせる寿命、つまり健康寿命とはかなり差があるのが現状です。
いかに健康寿命を長くするか、口の中の健康を保ち、かみ合わせを安定させるのは歯科医の大切な役割ではないでしょうか。