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【尾張の衆 Owari no shu 】

 

タートルアイランド(TURTLE ISLAND)は日本を代表するハードコアパンクバンド。

出所は愛知の豊田エリアで、和太鼓やチンドン、お囃子(はやし)の要素と合体した重厚なサウンドを繰り広げる。

 

もうかれこれ20年くらい前に、初めて愛知でタートルと犬式で対バンしたときは、その音圧とエネルギーの高さにぶっ飛ばされて、戦国時代の尾張・三河の織田信長の軍団が強かった理由が分かった気がした。

 

彼らが主催する「橋の下世界音楽祭」は、日本のインディペンデントな音楽フェスの象徴のような存在になっているし、福島や能登の震災の時にはパンクスシーン特有の迅速なネットワークによって現地に入り支援活動を行う。ソーシャルパンク。これはドイツなどの左派パンクスなどにも共通して見られる、世界的な文化だと思う。

 

そして右派や左派すらもう超えたところで、自分たちの「あり方」で世界を変えようとするカルチャーが広がっている。

政治や経済やプロパガンダやイズムが綺麗事を並べてる前に、俺たちは自分たちで仲間たちのためにさっさと動く、という姿勢。

 

【愛樹 Yoshiki】

 

タートルアイランドのVo永山愛樹(よしき)は、そうしたパンクスのコミュニティのエネルギーでサツマイモの自然栽培と焼酎の製造までやってしまったりするし、畑は違えど目指すベクトルはすごく同じで、そして時代が差し迫るほどに音楽がジャンルの垣根を超えて繋がりあっていく中で、すごく波長の同期した同志、仲間として僕はリスペクトしている。

 

バンドマン同士、フロントマン同士、若い頃からライバル意識とか、意見が違うとか、そういうのはよくあるもんで、

僕と愛樹の間にも多少なりとも歴史があったりする。

 

そもそも、福島へ支援に入った人たちと、放射能から距離をとった人たちとの間で、根深い感情の溝が存在した時期もある。皆んな傷ついて、皆んな疲弊していたピークの頃には。そして皆んな誰かを助けたかったし、助けられたかった。

 

2013年の選挙フェス(1回目の参院選)の時は、選挙の場での演奏をしっかりと断られている。

 

「俺たちはその船には乗らない」

 

そこには愛樹自身が韓国ルーツで、選挙権を持っていないことの複雑な思いや感情もあったと思う。

 

でもとにかく、それぞれがそれぞれのフィールドで「漢を魅せる」(古い「男言葉」だけど)たびに、それはちゃんと届いていたように思う。

 

コロナやウクライナをめぐる偏った報道に世間が踊らされる中で、国連PKOの紛争調停も担った経験のある伊勢崎賢治さんに直接、ロシアとウクライナの話を聞きに行ったりという発信は、ややもすれば安易な「悪と正義」のストーリーに乗っかりがちな世間にあって、貴重だったし、勇気をもらった人も多いと思う。

 

「パンクスは動くのだ。さっさと自分の足りない頭で動くのだ俺は。」

きっとそんな風に言うだろう彼は。

 

2012年くらいか、鳥取のフェスの打ち上げで、放射能をめぐる意見の交換をしたとき、当時多くの仲間を全国から集めて福島の支援に入っていた愛樹は僕にこう言ってきた。

 

「洋平、俺たちはバカだからさ。動くしかできないんだよ。洋平しか理解してない情報があるのなら、俺たちにもわかるようにどんどん教えてくれよ。」

 

この一言は、僕が翌年に1回目の選挙に出ることを決めた理由が100個くらいあるとしたら、その1つに数えられる。

 

 

 

 

咆哮(ほうこう)してほしい。

雄叫びをあげてほしい。

老若男女踊り狂ってフロアの力でバンドを押し上げてほしい。

 

皆んな誰かを助けたかったし、助けられたかった。

それは今も変わらないはずだ。

 

 

 

 

4/27(土) 2145〜(2200に変更) TURTLE ISLAND (ライブ音響:内田直之)

 

 

 

開催まであと2日!

4/27〜28

 

赤壁邸 「犬ってばかりの亀」

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(赤壁音楽祭2024開催記念 特別連載 「俺たちに明日はない」⑤)