新型フラクショナル炭酸ガスレーザーCO2REの実力 | 美容外科開業医の独り言

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最近、新型フラクショナル炭酸ガスレーザーのCO2REを使用開始としました。
現在ほくろの治療、イボの治療、シワ、ニキビ跡治療などに少しずつ用いています(もちろん被験者は業者さんから開始)。
今までほくろやイボには、20C&サージタッチという均一に削る力では最強の、名機と言われるシャープランのスーパーパルス炭酸ガスレーザーCシリーズを使用していましたが、CO2REはこれを超えるものと確信しました。
何しろ削ったときの均一性と焦げカスの少なさ、コンピューター制御の正確さ!!!  非常に綺麗に削れるのです。
あとはサイズが1ミリまでにしか絞れないので、これが0.5ミリまでになると最強です。この部分はソフトウェアの対応で可能とのことであり、本社の社長にも直接希望として伝え、その機能は付加される予定となっているのですが、動きが遅い....

小じわ、にきび跡にはハードな照射からソフトな照射まで可変ができます。deepモードとfushionモードというものを用いることになると思いますが、特にfushionは強烈です(プロの方向けに書くと強力・精密なTotal FXです)。ただ、副作用も大きいと考えられますので、このへんは設定を考えなければいけません。deepモードは当院での使用機種eCO2よりも精密にコントロールでき、出血も少なく、さすが最新機という印象です。
照射出力をそんなに上げずに瞬発力を強くする(W数を上げる)、レーザー波形をデジタル制御することでリスクを下げて効果を高めることが出来そう、赤みなどのダウンタイムも抑えることが出来そうです。
最近登場してきたフラクショナル炭酸ガスレーザーはその発振波形をコントロールできるものが多くなり、eCO2などの第1世代と比較すると、優れた安全性や低リスクという意味では広範囲の施術には有益なのかもしれません。
ただ、eCO2の強力な熱作用、皮膚へのダメージというのは欠点でもある反面、利点でもあります。比較すると、皮膚科医ならeCO2ではなくCO2REのようなリスクを抑える治療を選択するべきでしょうが、形成外科医のような外科系の医師であれば、ハードに削る(特に傷跡など)治療においてはeCO2の方が良い部分もあります。しかし、それをCO2REのfushionモードで達成できる可能性も大きく、この点はソフトウェアの開発によるのかなと思います。
この点がクリアされたら、本格的ににきび跡などにも使用していこうかなと思います。

いずれにせよ、患者様の要望するダウンタイム・リスクの程度によって、幅広く設定できそうなCO2REは優れもので、買って良かったと思える機種になりました。

来月行われる、日本形成外科学会と日本皮膚科学会総会では、この機種についてセミナー講演をさせて頂く予定です。症例はまだまだフォローできずに、大まかな話になってしまうと思いますが、基礎理論と有効性に関しては自信を持って話が出来そうです。