美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

美容外科・美容皮膚科は怖いとか、よく分からないなどと思っている人も多いはずです。しかし、女性の多くは美に対する興味をお持ちのはず。どんなものだか、ちょっとでも興味があれば読んでみて下さい。
時々マニアックに走りすぎて、こいつ何が言いたいんだと突っ込みたくなるかもしれませんが、お許し下さい。
美容医療はビジネスライクになりがちです。しかしそれだけではありません。美容医療を通じて人が幸せになれる、そう信じて仕事をしています。みんなが幸せになれば自身も幸せ・豊かになり、同業者に正しい情報を広く伝えればトラブルが減り、より良い美容医療が発展、さらに多くの人が幸せになる、それが願いです。

なお治療に関する相談などは、クリニックの公式サイトにて承っております。

今回は完全な同業者向けの告知です。

4月28日にヒアルロン酸注入製剤の国内承認品であるRestylaneシリーズの医師向けセミナーが開催されます。

販売会社であるGALDERMA社の最大級のイベント。解剖でご高名なCotofana先生をお迎えして、3名のinjectorのドクターの手技と解剖を交えながら解説する非常に面白い企画です。ヒアルロン酸は国内で2社の製品が承認されていますが、国際標準であるGALDERMA社のコンセプトAARTなどを広く公開して製剤特性を活かした注入手技などを紹介するのは初めてだと思います。特に解剖をベースに危険なゾーンや効果的なポイントなどを討論しながら進めていきますので、きっと初心者からベテランまで満足していただけるものと思います。こんな機会は滅多にありません。

 

私自身はmodelatorとして全体の仕切りをさせて頂きます。

今回は同時通訳もつくようで、お気楽に仕事します。

 

 

私はこのReatylaneシリーズが国内販売を開始した当初からFacultyとして関わらせて頂き、パンフレットやコンセプトの作成にも関与してきたのです。

この製剤、世界的には非常によく知られた製品ですが、国内ではまだまだ認知度が低く、承認製剤であることを知らない医師も多くいます。グローバルな戦略からは日本はちょっと置いてけぼりとなっていますので、これを機に巻き返しを図るようです。私の関わる仕事も増えそうです。

 

もう少しだけ席には空きがあるようなので、医師向けにブログで紹介させて頂きます。

 

お申し込みはこちらから

 

 

 

先週後半は休診とさせて頂き、神戸国際会議場で開催された第67回日本形成外科学会総会・学術集会に参加してきました(会長:神戸大学形成外科 寺師浩人教授)。

今回のテーマは「ニッポンの形成外科へ未来を託す」だそうで、それに関連する様々なセッションが組まれていました。

私は形成外科専門医ですが、美容というのはその中のごく小さな分野です。形成外科の中に美容外科があり、さらに機器や注入を用いるノンサージカル分野というのはその中の少数派。ということで仕事に直結する情報はほとんど得られません。しかしながら現在の形成外科のトレンド、動きを毎年きちんと把握しておく必要があり、参加をしています。

今回の私の仕事は2つ。座長&講演と講演でした。

学会初日は午前診療。夕方に到着し、夜は美容外科医の先生方と会食。

 

学会2日目。

早朝にちょっとランニングしてから学会場へ。午前中は聴講してお勉強。

この日の仕事はランチョンセミナー座長と演者兼任で。

当院で人気のFotona社製レーザーを用いた口腔や下眼瞼結膜の粘膜照射によるたるみ治療のメカニズムについて講演させて頂きました。そして、引き続き長尾沙也加先生、荒尾直樹先生の講演の座長を担当。

 

セミナーは無事終了。満席近くの来場でした。

 

その後は企業ブースを巡って、夜は神戸牛の鉄板焼き。

Fotona Japanの代表、Bjelic Mileとともに。

 

学会3日目。この日もランチョンセミナーで講演。私が開発に関与したJeisys medical社製の高周波たるみ治療機器Densityについて、そのメカニズムの詳細、先行機種の国際特許を紐解いて機器の物理的な話をさせて頂きました。ちょっとマニアックすぎたかな。

ということで無事終了。金曜夜に帰京となりました。

 

 

そして週末はちょっとのんびりのはずが、日曜日はinmode社のセミナーに参加。座長の仕事でした。

inmode社は高周波の技術に優れた会社で、日本ではあまり知られていませんが、ニードルRFのMopheusは大ヒット商品。今国内に流通しているメーカーのものより世界では遥かに知られた優れた製品です。海外に行かない医師にとっては全くの初耳のような話ですが、このようなことが昨今の日本では沢山起こっています。

 

inmode社が設立されて最初の大きなイベント。海外から同社のkey opinion leaderのドクターたちを招いてフォーシーズンズホテル大手町で大々的に開催されました。

 

 

座長席からパチリと。結構な参加者数でした。

 

座長なのでお気楽。しかし長時間のお仕事でやや疲労困憊。

 

海外のドクターはポーズも決めます。。。。アジアンなおっさんは立ち尽くすのみ。

 

そして夜は懇親会ということで屋形船へ。

インターナショナルな1日となりました。

 

ということで、ややバテ気味ですが今日からまた診療再開。

 

 

 

 

 

 

当院で導入した新しいたるみ治療器デンシティDENSITYですが、患者様の評価が高く、連日施術希望者がいらっしゃる状況が続いています。やや予約が取りにくくなっておりますが、何卒ご容赦ください。

 

少し前にもブログで少し理論には触れましたが、ちょっと今回はマニアックなお話。

 

デンシティは従来のモノポーラ容量結合型RF機器サーマクールと同じ機構を持ち、深部まで作用して三次元的にたるみを引き締めますが、それだけではなくバイポーラ(双極式:2極間に電流を流す)という浅い部分に熱を生じさせるチップ(Hi-Tip)を有しており、ちょうどウルセラなどのHIFUが筋膜(SMAS)と皮下や真皮を焼灼するのと同じく2層に熱作用を及ぼします。2つのレイヤーを加熱することでよりダイナミックに引き締めること、直後の作用が強いことが特徴です。高周波機器で2つの層へアプローチできるのはデンシティだけです。いわゆるサーマクールコピー製品ではないのです(だからこそサーマクールとの使い分けもでき、引き立てられます)。新しいたるみ治療機器の分野になり得ます。

施術を受けられたほとんどの患者様は直後から顔が引き締まったのを自覚されますので、鏡でお見せしています。

真皮や皮下の一次収縮という熱によるダイレクトな線維組織の収縮と軽い炎症によるものであり、この炎症が収まると少し効果は落ち着きますが、引き続き生じる創傷治癒機転(傷を修復する作用)によってコラーゲンなどが増加し二次収縮が生じ、引き締め効果を得ます。

 

サーマクールをはじめとしたこれらモノポーラの容量結合型RF機器の特徴は電流としての高周波(RF)を深くまでしっかりと流して主に線維性結合組織をジュール熱で引き締めることです。これによって他では得られない三次元的な収縮を生じさせるのです。

ではなぜデンシティは浅い層に熱を生じさせる必要があるのでしょうか。そしてこれらは従来のバイポーラ高周波機器やソフウェーブなどと何が違うのでしょうか。

 

2つの特徴があります。

 

ひとつめ、容量結合型という構造への理解が必要です。容量結合型はインピーダンス(電気抵抗みたいなもの)の合致によって表面に電流を流さず深部に電流を生じさせます。これがないと深部へ高周波は電流としては流せません。モノポーラの容量結合型RF機器の最も重要な構造が容量結合というものを生み出すコンデンサ:誘電膜です。

さて、本来バイポーラ機器というのは最短距離を通るので、通常皮膚表層は少し濡らしてもインピーダンスが高く体表を電流が流れがちです。ここに容量結合が生じると従来バイポーラで通るべき電流の道よりも深い層に流れていくことになります。深さ、つまりは真皮を含めた深層を確実に加熱するバイポーラ。

二つめ、単純にバイポーラで照射しているのではなく、モノポーラとバイポーラ両方を1つの照射でおこなっています。電流をいくつかのパルスで発振して、モノポーラでの照射ののち最後にバイポーラ照射をおこなっているのです。このパターンが組織学的に最も深部へ熱が発生することがわかっています。

以上によって通常のバイポーラよりかなり深く電流が発生、加熱します。さらにはソフウェーブのように限局した層への強い熱ダメージではなく、広がりを持つので即時の三次元的な引き締め効果が生じます。これは肌質の改善も期待できるはずです。

 

難しい話となりましたが、理論はこんな感じです。

 

具体的にどれくらいのエネルギーで、どういうパルスの組み合わせで発振するのかの設定などを、昨年依頼されて試行錯誤しつつテストしてきました(今はソフトウェアの設定上簡便に表記されブラックボックスになっています)。

また構造的な問題についても初期からアドバイスして、トリートメントハンドピース、チップの改良を進めましたが、機器オタクの私にとって、まだまだ改良の余地はあると確信しており、実際に使用して新たな発見をしていきたいなと思います。

 

来月の形成外科学会総会・学術集会におけるランチョンセミナーでこの辺りの話はもっと分かりやすく、そしてさらにまだまだ書ききれない(一般の人には難しすぎる)特徴などを講演予定です。

オタクマインドがくすぐられる〜

 

 

先週は金曜日を休診とさせて頂き、木曜夕方から日曜まで米国シアトルへ3日半の弾丸出張をしてきました。

かなり過酷なスケジュールでしたが、まあいつもの事ですので何とかなるかなと機器オタクの心をワクワクさせての旅でした。

目的は全く新しい医療用ファイバーレーザーの見学です。本当に良い機器なのか見極める事が任務。

到着初日は夕方からミーティング。それまで数時間あるので街を散策して時差ボケ解消。



ミーティングでは本社の担当者Benから事前に頂いた資料をもとに新しいレーザー機器の概説から、理論的に分からないことを2時間かけて質問攻め。それでもやっぱり分からない。最後はI don’t knowと笑顔で言われてしまいました。
見せてもらった臨床写真はどれも素晴らしく、ダウンタイムは殆どない設定も可能。光老化した皮膚を改善できるのみでなく、たるみも解消できるという優れもの。傷跡の治療も従来のフラクショナルレーザーを上回る効果。本当に素晴らしいのですが、既存の赤外線波長レーザーと大きく異なるわけではなく、それでどうしてここまでの効果があるのだろうと不思議になります。ただファイバーレーザーという医療では新しい技術を用いて特殊なパルス発振や照射形状を可能としたことは画期的ではあります。
私の疑問は深達度と効果、光熱作用だけで説明できない現象についてであり、これを質問したのですが、答えが出ない現状。
こんなに理論が不明な機器は初めてで、でも結果は良いし。。。。

ディナーはシアトル郊外のレストランにて。ここに翌日見学に行くクリニックのDr. Linnellが合流。楽しく盛り上がりました。
ここでも質問攻め。やはりなぜかは分からない、けれども効果は素晴らしいと。



翌日、早朝に旅RUN。Space needleやLake Unionなどを訪れました。





さて、クリニック訪問。メディカルビルの一室にLinnell dermatology aesthetics があります。



実際の施術を見学。同行業者さんが被験者。もちろん私も自らの顔の一部などに照射。

あれっ、大して痛くない。蒸散ゾーンは浅く、引き続き起こる炎症で真皮まで変化が起こると論文には書かれてますが、論文上でもそのあたりはまだ解明が必要とされています。まさにその通り。炎症は軽く、つまりダウンタイムは軽微で、かつ効果が大きいとなると理想的ですが、臨床で受けた感じは本当に軽い感じ。しかし特に色素沈着しやすいアジア人にとっては面白い治療になるかもしれません。

ちょうど、ユーザーである知り合いの米国の女医さんへこの機器の事をメールで聞いたら、やはり結果は素晴らしいとのこと。

さあ、導入するかどうか、検討に入ります。ただ非常に高価みたいなので、大阪商人根性で色々考えます。

という事で昼14時過ぎに任務終了。

やっと半日遊びです!

地ビール飲んで、牡蠣食べて、夜はステーキ。

メーカーの方には大変お世話になりました。











本社のBenは私の事を前から知ってて会いたかったそうです。たまたま以前にいた会社で、機器改良に際してミヤタモードという開発コードがあったとのこと。

機器オタクゆえ、メーカーには改良を執拗に求めて、幾つかの機器では私の意見が取り入れられて製品化しているのです。表には出ないし、何の報酬も頂いてませんが、お世辞でもこういう言葉は嬉しいものです。


さて、翌朝には空港へ。日曜昼過ぎに帰国して、平常通り診療です。歳とともに体力は落ちていきますが、日々鍛えてまだまだ踏ん張ります。


美容医療は仕事ではありますが、私の知的好奇心を満たしてくれる素晴らしい世界だと勝手に思っており、このような依頼は喜んで引き受けますので、業界の皆様宜しくお願い申し上げます。



当院では短い糸(スレッド)によるリフトを主におこなっています。

もちろん長い糸が駄目なわけではないのですが、独特の違和感とひきつれが時に表面から見えること、その割に持続が短いことなどから、個人的な好みではありますが短い糸を多用します。

もちろん、いわゆるショッピングリフト(肌質や張りの改善)とは異なった糸の入れ方で、顔(頬)中央部を上方向に持ち上げて「支える」手法をとっています。

この方法、頬やマリオネットライン(口脇のたるみ線)には非常に効果があるのですが、最近では顎のラインもかなり綺麗に作ることができるようになりました。海外の学会での講演などをヒントに試行錯誤しながら改良してきたテクニックですが、なかなか好評でリピートの治療件数が増えています。またできるだけ少ない糸の本数で、ヒアルロン酸やHIFUなども同日に併用するコンビネーションリフトも結果が分かりやすく顔全体のたるみには有効です。決まった手法ではなく、さまざまな方法をその人のたるみの状態によって組み合わせます。

 

糸を使ったリフト(スレッドリフト)は医師それぞれに手法が異なりますし、使う糸も違います。当院ではより自然に引き攣れ感がなく数年前の顔に戻すようなイメージを目的としたリフトを目指しています。これはヒアルロン酸注入でも同じで、1〜2本という少量でバランスよく若く見せる手法をおこなっています。顔面骨の加齢性の形状変化を詳細に捉えて、ボリュームや顔の靭帯の補強だけでなく、個々の数年前の骨格と脂肪の位置を再現できるように注入することで他人にバレない、しかし確実に変化するという効果を得るようにしています。

個々の顔立ち、加齢性変化に応じた最適な手法を選択することでオーダーメイドな美しい顔立ちを作る、これには治療の引き出しをどれだけ持てるかが重要と思います。さまざまな手法、製剤を用いることができるよう様々なメーカーの治療ガイドや海外ドクターのオリジナルな方法などを学んで自身のものとし、それを系統立てて組み合わせる、そのために学び続けなければならないので、今年も海外の学会に参加していきます。予約が取れづらく申し訳ない状況の中、休診期間が度々あることをご了承ください。

 

 

さて、今年も東京マラソン、走りました。チャリティランナーとしてNPO「国境なき子供たち」に寄付させていただきました。

 

スタート地点。年に一度、都知事の顔を拝見します。

 

タイムは初マラソン含めて過去最悪でしたが、楽しんで走りました。

 

近年、長距離走ると腰痛がひどくて、そろそろハーフマラソンに転向しようかな。

前回のブログで告知していたように、引き締め治療の新しい高周波RF機器デンシティの治療を開始します。

サーマクールと同じ容量結合型RFの機種は最近次々登場しています。テンサーマ、オリジオ、ボルニューマーなど先行する優れた機種が幾つかありますが、デンシティは最後に登場しただけあってバイポーラ(双極)型のチップ(Hi-Tip)を搭載しています。これは他の機器にはない最大の特徴であり、容量結合型RFとしては初めての機構です。

バイポーラというのは浅い層に強い熱を生じさせる加熱方式で、そのために即効性があり、表面の皮膚質の改善まで得られるというものです。単にバイポーラで発振されるのではなく、モノポーラ(サーマクールと同じ様式)発振も行われ、特殊なパルスと冷却によってより効率良く深く加熱できるという面白い構造です。機器オタクとしては大変興味深く、プロトタイプの発表と同時に本社の技術陣と協議して最適な機構を模索してきました。工学的な部分と医学的な部分を結びつけるのは医師にしかできない仕事であり、形となって発売されたことは嬉しい限りです。

その効果は即時性が高く、皮膚表面の引き締めや肌質改善だけでなく、従来機の持つ三次元的引き締め効果も併せ持ちます。

 

ではデンシティがあればサーマクールは要らないのか、という意見もあると思います。しかしそれは間違いです。私自身、他の容量結合型RFも国内外で見たりテストをしてきましたが、やはりサーマクールは偉大な機器です。その三次元的引き締め効果、深部への加熱作用というのは他社は追随できていません。痛みが強い、これは強い加熱作用の証です。痛くなくて加熱されるなんてことはありません。痛くないほど即時性に優れ、効果持続は短くなります。サーマクールは即時性が少し劣る分だけ引き締め効果がより強くかつ長期に渡ります。構造が同じであるほど、これは理論的に確実な話なのです。モノポーラとしての力は(他社製品全てを含めて)サーマクールが一番強いと感じます。だからこそデンシティは違う構造を持たせて即時の表層の変化を得るバイポーラチップも搭載したのです。

前回ブログで書いたウルセラとウルトラセルのような補完関係というのは、まさにこの部分です。

2つの機器を導入しているからこそ、使い分けなど含めてよりきめ細やかに患者対応ができると考えています。

 

 

さて、

当院では新たに看護師を募集します。新人を採用したのですが、3ヶ月にて退職することとなりました。久々に短い就業期間だったので、ちょっと今度は気合い入れて採用したいと思います。週休2.5日、しかも土日祝日は完全休みです。待遇も個人クリニックとしてはかなり良い方だと思います。欠点は院長がマニアックで覚える仕事が多めなことです。

ご興味のある看護師さんは当院の公式サイトの質問フォームから応募したいと問い合わせてください。前回も即決まったので、早めの応募をお待ちしております。

週末の土日はソウルまで弾丸出張。

新しい高周波治療機器デンシティのセミナーを聴きに行きました。

韓国大手の機器メーカージェイシス社が日本から多くのドクターを招待して開催されたセミナーでした。

韓国のカメラマンから、腕を組んで下さいと言われ、このポーズ。

 

昨年頃からサーマクールの技術に関する特許が切れたことに伴って、韓国では同じ機構を組み込んだ機器が数社から販売されています。サーマクールの特許技術は容量結合型高周波。インピーダンスマッチングという仕組みと、特殊なカプトンフィルムを用いたこの方式は非常に特殊であり、だからこそ皮膚や皮下脂肪にしっかりと熱を与えて三次元的に引き締めることができる唯一の機器でした。今まで販売された機器は完全コピーを目指したものであったり、廉価でカプトンを用いないでやや加熱形態が異なる機器であったりしましたが、今回のデンシティは他社と同じ完全コピーのClassic Tipと、全く新しいアイデアで即時効果と強い表面引き締めを得るHi-Tipという2つの先端部を持ち、かつ疼痛少なく治療が可能です。この組み合わせをどうするかで効果も異なります。基本的にはサーマクールのような引き締め効果が即時に出て、数ヶ月持続します。当院におけるウルセラとウルトラセルのような関係で、サーマクールの補完的な位置付けになると思います。最大の違いは即時効果と表面の変化。

 

実はこの機器、日韓を通じたパラメーター(照射出力や方法)を決めて欲しいという依頼があり、昨年4月から当院でプロトタイプを試用してきました。最初は設定だけという感じで気軽に引き受けたのですが、構造的に何か違うと感じ、その原因を突き止めるためにジェイシス社本社の研究開発チームを巻き込んで、最後は社長も巻き込み、私の方から色々な可能性を提示して、やっと原因を見つけて、改良もしてもらったのです。当院の職員も多大な貢献をしてくれ、思い入れの強い機器なのです。

その結果、本当に素晴らしい結果を出せる機器となりました。

 

今回のセミナーでは昨年のジェイシス社ユーザーズミーティングでも講演(その際私は座長)してくれたByun先生の基礎研究の講演とSuh先生の臨床経験の結果に関する講演を拝聴しました。基礎と臨床両面から、この機器の優位性が納得のいくものとして理解できました。他の韓国製品ではこのような基礎的研究はほとんどなされず、ここに圧倒的な優位性があるかと思います。

 

その後のdiscussionではDo Young Rhee先生が私の提案した照射方法で良好な結果を得ているという話をしてくれて、それを受けて、他の日本人ドクターの疑問の解消となるよう少し理論的なコメントをさせていただきました。

 

セミナーに参加した皆さん一緒に記念撮影。機器治療で名の知られた医師が多く豪華メンバーでした。

 

その後は懇親会。

乾杯の挨拶をさせて頂きました。

 

韓国のGeun Soo Lee先生、Do Young Rhee先生と。

 

最後は盛り上がって、楽しく。

 

名前入りの白衣も頂きました。

 

私自身、開発に関与させて頂き、また照射方法の最初の第一歩を作らせて頂いたので、ちょっと自信を持って治療開始したいと思います。照射方法も既にアップデートしており、より良い結果が出せるようになりました。

なお、当院に現在導入しているのはプロトタイプであり、すでに発注した製品版の納入を待って治療の開始となります。私のポリシーとして、モニター以外は自分でお金を出して買った機械でしか患者様への治療はしません。

といっても現在予約を取っていただくことは可能です。

照射発数によって費用は異なりますが、これについてはさまざまなパターンを用意しようと考えています。ただ、まず最初は一つの方法のみから始めます。暫定的ですが、費用は税込で110,000円となります。

今年最初のブログです。

先週末は第149回日本美容外科学会(JSAPS)学術集会に参加してきました。会長は順天堂大学形成外科の水野博司教授。

 

水野先生は私の大学同級生で、よくよく考えれば40年来の友人です。

長いですよね、40年。

水野先生と。お互い歳取った。。。。

 

今回はシンポジストとしてお声がけいただきました。

 

 

さて、最初は韓国のTENTECH社のスポンサードセミナーを拝聴。演者は韓国でバリバリ新進気鋭のYoung In Lee先生。10Thermaという機器を含めた高周波機器についてのご講演でした。

講演内容は、頭が良いドクターの発表!という感じで、理路整然と質疑応答も素晴らしく、これからますます有名になっていくんだろうなという感じでした。

質疑応答で少し技術的な質問をさせて頂いたあと、ご挨拶して、記念写真。昨年の韓国の学会Koreadermaで私の講演を聞いたそうです。伸びそうな若手中堅には媚を売っておかないと(笑)

 

10Thermaは、簡単に言うと従来機サーマクールと同等の性能でコラーゲン増加なども証明され、安価で使いやすいため、今後この手の機器は日本で流行すると思います。韓国では既に流行中。

次のブログで詳しく書くつもりですが、当院でも新しい高周波機器を導入します。痛みが少なく、即時効果が高い機器でサーマクールと同じ機構に加えユニークな機構を有します。昨年春から当院でテストして、改良を加え、いよいよ日本でデビューします。今度の週末は、その機器のお披露目会(inソウル)に参加します。

 

そして、シンポジウム「世界に飛び出せー若手美容外科医へのメッセージ-」での講演と座長。

最近の若い美容外科医はあまり海外に行かなくなってきているので、学会参加、発表をしましょうというメッセージ性の強いシンポジウムでした。

私は自身の経験をもとに、留学経験がなくても英語がたどたどしくても自身のアイデアを世界とシェアして友人をたくさん作りましょうという話をしました。それによって海外の一流のドクターから色々なことを教わり、国内の忖度ある情報や強い意見に惑わされずに本当に良い治療を実践すること、それが患者の幸せにもつながると思います。

SNSのマーケッティングや自己顕示欲などで華やかになっている美容医療の世界ですが、本質的に良い医療をすれば、そんなことに振り回されないで満足のいく仕事ができるはずです。

年寄りの戯言みたいになったかもしれませんが、自身の思いを伝えました。私くらい海外経験がないのに中年になってから海外活動に勤しんだ医者はこの業界にいないのでは?と思います。少し役に立つ話ができたかな?

 

演者の先生方と。左から山口憲昭先生、私、岩波正陽先生、犬飼麻妃先生、水野博司先生。

 

出番は終わり、少しまたお勉強の後はお酒を交えて情報交換と称したおしゃべりを楽しみ、個人的な都合で少し早く会場をあとにしました。

 

 

 

 

 

本日で今年の診療も無事終了しました。

ご来院いただいた多くの患者様に感謝いたします。

私の技量不足によって、満足のいく治療が出来なかったこともあろうかと思いますが、来年も精進いたしますので、何卒よろしくお願いいたします。

 

昨今は美容クリニックが急増し、ソーシャルメディア上でも沢山のドクターが優れた治療を紹介しています。

私自身はキラキラした世界が苦手ですし、凡人ですので、神の手のようなことはできません。他院よりも優れていることはありません。自身の力のなさを痛感することもしばしばです。ただ誠実に対応していき、ありふれた治療をきちんと行なっていく事をモットーに長く仕事を続けていきたいと思っています。まだまだ伸びしろがあると思ってもいます。

もちろん新しい治療でもエビデンス(証拠)のある、安全性の高いものを中心に導入していくつもりです。

すでにいくつか導入予定の機器、治療法があります。その一つ、痛みが少なくて効果の見えやすいたるみ治療を開始する予定です。

また海外の学会にも積極的に行って、最新、最善の治療を勉強してくるつもりですし、海外にも自身の治療で得た知見をシェアしてきます。

今年は韓国、台湾、シンガポール、香港、スロベニアなどで講演をさせて頂いたり、勉強をしてきました。ベトナムからのドクターの研修も受け入れをしました。全てが自身の糧となり、財産となりました。

 

 

来年からは木曜日午後が休診となり、そのぶん希望者の多かった朝に少し早く診療を開始します。

治療費も若干の値上げをいたします。何卒ご容赦ください。

 

最後に、当院を信頼して受診してくださっている患者様、いつも支えてくれるスタッフ、業者さん、そして家族に感謝したいと思います。

 

何か治療後に問題のある方は休診期間中でもサイト内の質問フォームから問い合わせをいただければ対応いたします。

 

また来年もよろしくお願い申し上げます。

 

週末は金曜に診療をお休みして、台湾皮膚科学会(正式には皮膚科医学会)に参加してきました。美容だけではない、大きな皮膚科の学会。そんな学会で何故だか日本の教授陣に混じって招待講演の機会を頂きました。

学会内で企業の共催するセミナーの講演とかではなく、ガチの招待なので気合い入れてプレゼン作成。


場所は高雄、最高気温は28℃でしたが、気候が良くて快適。


土曜朝のFight against pigmentation というシンポジウムでの講演です。ピコレーザーの本当の価値について、忖度のない私の考えを25分間お話ししました。ピコレーザーはピコ秒という発振時間だけが特徴ではない、それでは既存の機器とシミの臨床効果に差異はなく、本当に大事なのはその多様性と発振時間と波長、ピークパワーなどの最適解を見つけて最大限に利用することである、大雑把に言うとそんな内容です。


同じセッションの演者、座長の先生方と。


久々に痺れました。いくつか質問されて、最後の米国人からの質問の意味が理解出来ず聞き返してなんとかクリア。

ミッション終了です。

その後は高雄の街をランニング。






さて、今回も夜は台湾の友人達と楽しい時間を過ごしました。美味しいものも。

初日夜はホテルの中華。鶏のスープが有名だそうです。



その後は古くからの友人Peter Peng先生とサシで飲みながら色んな話をして(台湾のウィスキーが旨かった)、


翌日夜は新進気鋭のWilliam Ko先生と、

友人がオーナーという台湾料理の名店へ。





さらに愛河リバークルーズ。




その後はChao-Chin Wang先生、Hsu先生などと合流してWang先生のレジデンスのバーで情報交換。


最新の知見は、こんな飲み会から得られるものです。私の素晴らしい財産。


さて、学会から可愛い縫いぐるみ、頂きました。持ち帰りが大変でしたが、名前入り白衣を着ているので大事に。


月曜から通常通り診療です。12月も予約が混み合い、申し訳ありません。