老けたと感じる老化サインの一つに「しわ」があります。
シワのない方が若いに決まってます?
患者様で,鏡を顔に近づけて1本1本のシワをじっくりと観察、シワをなくしてほしいとか、治療後にまだ1本残っているとか、こだわっている方は案外多いものです。
しかし、シワの数と老化、見た目の年齢は実際には大きな相関はありません。
もちろん「しわだらけ」は老けて見えますし、全くない状態が理想ではありますが、自然な加齢の範囲内では,シワの数にはあまりこだわらない方が良いのです。
例えば、二人、それぞれ目尻のシワが1本と2本だとします。2本の人の方が老けているわけではありません。
局所のシワだけではなく、もっと別のものを見て、見た目の年齢を判断します。顔全体の輪郭や「印象」で若さというものは決まります。
頬がふっくらしている、顎が締まっている、目がぱっちりしている、表情が明るい、肌艶が良い、諸々で他人は判断します。案外「しわ」一つにこだわっているのは本人だけなのです。
他人の目元にシワが2本あるか3本あるか、右は3本で左は2本だったとか、覚えていますか?そしてそれを見て若さを判断していますか?
シワはあくまで「シワが多いな」「深いシワがあるな」と感じた時に印象に残るものであり、普通のシワは年齢を判断する上で大きなウェイトを占めるものではありません。
日本人は「ほうれい線」を最も気にする民族であるとも言われています。
患者様が来院された時に、「ほうれい線」が目立つのでこれを改善して若く見せたいと言うのであれば、それ以外に頬や顎など,全く別の部位を含めて改善策を提案することもあります。
「トータルアセスメント」。
加齢した顔貌に対して、全体を見て評価していき、何が足りないのか、どこを修正したら良いのかを考えます。
「木を見て森を見ず」の治療だけでは物足りません。
時にはほうれい線の改善をおこなわず、全体を改善して満足頂く事もあります。
ただ、もちろん「木を見る」ことも重要なので、100%ではなく少しだけ「木」であるほうれい線を改善するように手を加えることも必要だったりします。
「囚われた眼」を改めてもらい、若々しさを出すための治療をするためには、このあたりをきちんと説明して患者様に理解して頂く必要があります。