老化のはじまりは中顔面から? | 美容外科開業医の独り言

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30代の患者様で、何となく老けてきたから治療したいという希望が増えてきました。

で、どこが気になるのかと話を伺っても本人もよく分からないと。

疲れて見える、怒って見える、証明書の写真を見て老けたと感じる、通勤帰りに電車の窓に映る顔を見てぎょっとする、などなど。

フェイスラインを引き上げてみても、何だか変わらないし、若く見えない。。。。

 

これらの原因の多くが中顔面の萎縮です。骨の萎縮や脂肪の質変化、下垂など頬正面の加齢性変化が現れると上記のような症状が出現します。フェイスラインももちろん弛んでいますが、比較的早期に目に見える形で現れるのが顔の正面であると言えます。

 

治療は失われたボリュームと張りを回復させることになります。骨や脂肪の減少が少なければ糸などで持ち上げるようにすると自然に若くなります。引き上げではなく持ち上げるように糸を挿入するのがポイントです。

ボリュームロスが大きい場合にはヒアルロン酸などの注射療法が最適です。若年者であるほど馴染みの良いヒアルロン酸等を用います(押しても潰れないタイプのヒアルロン酸ではなく面状に持ち上げるタイプを使います)。他人に気づかれず、でも何か変わったような、「入れた感」を感じさせない方法です。

 

1〜2本の使用によって数歳若く見えるようになるこの手法はプレーンリフトと称されています。ドイツの医師と台湾の医師の手法の「良いとこ取り」をして考えた手法は、ヒアルロン酸の「レスチレンシリーズ」を販売しているガルデルマ社の推奨する手技の一つであり、製剤の特徴を最大限に利用してます。

数年前から、技術指導医というものをさせて頂いており、この手技については監修しています。

 

海外の手法をそのまま持ち込んでも、保守的な日本人には受け入れがたく、また注入本数も多くなりがちです。その点を日本人向けにアレンジしたプレーンリフトは、当院でも人気の高い手技であり、もちろん様々なバリエーションがあり、個々の顔貌によって単独若しくは組み合わせて実施をしています。

当院でのヒアルロン酸注入は8割が1本のみで実施をして満足を頂いています。

膨らませるだけではなく、下がった脂肪の下に小石を置いて支えるような手法であれば、少量で十分ですし、「入れた感」も出ずに自然に馴染むと私は考えています。