たるみ治療:完璧は駄目? | 美容外科開業医の独り言

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たるみの治療において完璧な結果はお勧めできません。

外科的治療では100%満足でも良いとは思いますが、それでもたるみというのは年齢とともに進行する「不治の慢性進行性の」ものです。100%の結果を出しても、またすぐに進行していきます。つまり数ヶ月後にはまた気になる箇所が出てきます。

 

特に注入系ではその傾向が顕著です。

ヒアルロン酸注入などで、シワ・たるみの全くない顔にしても、すぐに変化が訪れます。これは注入剤が吸収され減少することと老化が進行することが理由です。場合によってはヒアルロン酸の僅かな変形や下垂にも影響を受けます。

100%の結果だった後であるほど、僅かなほころび、劣化に対してまた治したくなります。これを高頻度で繰り返すと、造形された顔になってしまいます。若い頃より皮膚が伸びているのに注入だけで修正したら顔はパンパンになります。シワはなくて張りはあるけど、「何かが違う」顔になるのです。最初は綺麗なのですが、繰り返しがそのような結果を招きます。そしてなによりどんなに上手に注入しても大量に入れると、その質感は皮下脂肪などとは異なります。

だからこそ100%ではなくて70〜80%の結果を出していくことが良いと考えています。

 

機器治療でも強く焼灼するタイプのものは、効果が少ないからといって高頻度に施術していくと、内部に何とも言えない硬さを生じさせ、時には痩けた印象を与えます。

 

求めすぎず、でも数歳自然に若くする手法が良い、というのが最近の当院での考え方です。