たるみ:ふくらむのか、くぼむのか。どっちなんだい? | 美容外科開業医の独り言

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加齢によって生じるたるみは、個人差が大きく、全く違う変化のように見えます。ある人は丸々としてきて、目の下が膨らみ、顔の下半分が垂れ下がり台形の顔になります。ある人は頬がこけ、目の下がくぼみ、ガイコツのようになります。

この両者のたるみは全く違うものなのでしょうか。
実際には同じ変化が起こっています。老化は皮膚や皮下脂肪の下垂と骨などの組織の萎縮の2つが主たるものです。
但しその表現が違うのです。
元々丸い顔で皮下脂肪が重たければ垂れ下がりがメインで現れ、骨などの萎縮は見えにくいでしょう。皮下脂肪がしっかりあれば、加齢で構造的に柔らかくなる皮下脂肪の質的変化をもボリュームが補います。高齢になるほど、その差は顕著です。
細身の顔なら皮下脂肪などの乏しさから骨格が分かりやすく、骨が萎縮した形状が見えやすくなります。皮下脂肪が少なく、かつ顎の形状が元来シャープだと、垂れ下がる感じも出ずに、比較的フェイスラインの形が保たれる人もいます。また骨の萎縮は特に頬正面の構造的に薄い膜様の部分(中が空洞で副鼻腔)で始まります。
元々の顔立ちの相違と、体重の増減、紫外線などによる皮膚の変化、運動や食事、環境的素因による骨、筋肉などの変化が加味されてどんなタイプのたるみとなっているのか、これらをしっかりと見極めて治療プランを作っていく事で自然な若さを作り出せます。
たるみと言えばハイフで全て解決とか、そんなことはあり得ませんし、また窪んでたら全てヒアルロン酸注入でもありません。
どこに何をおこなうのか、これこそが医師の経験であり知識です。
顔が丸々してる人にも必要な部位のヒアルロン酸注入が効果的だったりするので、面白いです。

さて、
最近は20代でも、たるみを気にして来院される方が増えています。
もちろん加齢性変化はありますが、本当の意味ではたるみではありません。10代の頃のようなふっくらしたパツンパツンの顔立ちから比べればハリがない感じがあるのかもしれませんが、これは大人の顔立ちになったと考えるべき、下垂や萎縮はありません。では30歳そこそこは?20代後半では?
たるんでないから何もしない?それともハイフで直後に腫れさせて誤魔化す?
やはり頬骨正面の萎縮は若くても多少生じていることがあります。ではどう治療するのか、やや特殊な注入手技で解決することが多いです。数年前の顔に戻ったと感じていただけるように。