9月25日の金曜日の深夜、渋谷からタクシーで自宅に向かっている途中、

飯倉片町の交差点で突然タクシーが何かにぶつかって

「あ、事故だ」

と思ったのですが、そのあとすぐに車が回転し始め

「あ、これヤバいやつだ。夢でしか見たことないパターンの事故だ」

と思い、

「俺、死んだかも」

という考えが頭をよぎりました。

その後、タクシーは一回転して横になった状態で止まり、タクシーの運転手は宙吊りになったまま呆然自失になっていたので

僕は頭上にある扉を開こうとしたのですが、ドアガラスが全部割れているのが分かったので、そこから頭を出して脱出し、携帯電話も見失っていたので通りかかった人に警察に電話してもらいました。

その間にもタクシーから白い煙がわんわん立ち上っており、変な匂いもしてきてどうしたらいいかわからなかったのですが

通りかかった外国人の方が、「このままだと運転手さん死んじゃうよ!」と叫び、扉を開けて運転手に呼びかけエンジンを切らせました。

さらにそのあと、持ってきてもらったハサミで運転手のシートベルトを切り、みんなで協力して運転手を救出したところに、警察が駆けつけました。


というわけで、かなり大きな事故に遭ったんです。


よく「奇跡的に」とか言いますけど、運転手を救出していたところ警察の人に「あなたは?」とたずねられ「後部座席に乗ってた者です」って言ったら

マジで衝撃受けてましたから。「自力で外に出ました」って言ったら二度見されましたからね。

そのあと僕は救急車に乗って広尾の救急病院に行き精密検査を受けたのですが、外に出るときガラスで切った傷以外にまったく怪我はありませんでした。


「本当に、奇跡だなぁ」


と思い、この事故には本当に色々なことを考えさせられたのですが、とりあえず、僕を助けてくれた人たちに感謝の意を伝えるブログだけを更新して眠りについたのです。



――このとき、僕は、何事もなく無事に済んだと思っていました。思っていたんです。



しかし、あくる日目を覚ました僕は

、、、、、、、、、
ちょっとした違和感


を覚えました。


ただ、それは(僕の思い過ごしだろう)と思って深く考えないようにしてたんです。


しかし、日増しにその違和感は大きくなり、そして僕はついに、「あること」を確信するに至りました。



まず、最初に違和感を持ったのは、事故が起きたあくる日のyahoo!ニュースでした。




どれだけ探しても僕の記事がないんですよ。





僕がこれまで出版界――ひいては日本社会に貢献してきた内容からすれば、「水野=日本の宝」と言っても差しつかえはないと思います。


その「お宝」が、飯倉片町の路上で一回転半しちゃったわけですから、


それは、ニュースになるでしょう。ニュースになってしかるべきでしょう。


僕、救急車の中で、消防署の人に聞きましたからね。




「たまに、芸能人とかが事故してニュースになるじゃないですかぁ。あれってどうしてなるんですかねえ」




翌日の、新聞の見出しコピーまで考えましたからね。




『夢をかなえるゾウの著者、夢半ばで死にかける』




それが翌日のyahoo!ニュースで、一文字も取り上げられてなかったんですよ。



僕は何が起きているか確認するために、速攻で「水野 事故」で検索したんですけど、出てくるのは



あんたが今読んでるこのブログのみ



つまりは、僕が自己申告で書いた記事「飯倉片町事件」だけでした。



――いや、でもね。


確かに日々色々な事件が起きているわけですし、しかも僕は大怪我をしたわけでもないのでニュースにならない可能性も、100歩譲ってあるだろうな、

そんなことを自分に言い聞かせながら日常生活に戻ろうとしたのですが、

あり得ないことが


本 当 に あ り 得 な い こ と が起きたんですよ。


↓の画像を見てください。





コメント1






これ、分かります?



飯倉片町で事故に遭い憔悴しきった状態で、それでもなんとか更新したブログと、過去に更新したブログの



コメント数が同じ



なんですよ。


これはあり得ないだろ!


これはさすがにあり得ねえだろ!!!!



だって、このブログに来る人って、水野が「日本の宝」であることが、もう骨身に染みて、骨内膜を通り越して骨髄液までひったひたになってる人たちなわけでしょう!?


その宝が失われかけた以上、「ご無事でなにより!!!」とか「本当に安心しました!!!」とか「水野さんが死んでたら後を追うことに決めていました!!!」的なコメントが




最低5000件はついていい状況において




コメント数がいつもと同じなんですよ。




この状況を前にして、僕は完全に、「あること」を確信したのです。




それは―――





飯倉片町の事故で僕はすでに死んでおり、今、僕が生きているのはパラレルワールドだということを





つまり、僕は


飯倉片町の事故でもう片方の「片町」に来てしまったのです!




そう考えたら、色々なことをつじつまが合うんですよ。



たとえば、福山雅治の結婚ね。




福山って結婚する?



福山って、結婚する存在?



いや、俺の元いた世界じゃ福山が結婚するってあり得ないわけ。


もし万が一そんなことでも起きようものなら、即デモですよ。


国会議事堂取り囲んでた女の子たち、全員そのまま吹石邸を取り囲みますよ。


それがこっちの世界じゃなんとなくみんな受け入れられちゃっているわけだから、


これは完全にパラレルワールドとしか考えられないんですよ。


あと、政治でいえば「おおさか維新の会」とかもね、


こっちにいる皆さんにとっては自然なことかもしれないですけど、俺のいた世界では橋本さんは「政治家を引退する」って宣言してましたから、完全に「橋本=パラレってる」じゃないですか。



あと、僕、最近、仲良くなったブラジル人の女の子とLINEしてて、まあみなさんも想像つくと思うんですけど僕のLINEハンパないんですよ。英語でもバンバン笑い取りまくってて




LOOOOOOLLLLLLLL



とか超来てて


これ僕英語詳しくないんですけど、「超ウケるー」ってことですよね?



これめっちゃ来てたのに、こればっか来てたのに、LOLの連チャンマジ止まんねえって感じだったのに



事故以降、完全に既読スルーされてますからね。



僕、ブラジル人を世界の向こう側に取り残してきちゃいましたよね。



まあでもね、このことに気づいたときはショックでしたが、よくよく考えたらそのままの世界にいたら死んでしまっていたわけですから、むしろラッキーだったなって、


こっちの世界でまた一から積み上げていくしかないなって思えるようになってきました。



あ、そうそう。そういえば今月の24日に、久しぶりに本のサイン会やるんですけど


僕、サイン会やるの3年ぶりくらいで、どうせこのブログで告知する前に、すぐに埋まっちゃうから別に告知しなくていいかなって思ってたんだけど、


パラレルワールドに来た以上、下手したら俺の客一人も来ないからね。一応告知しときますね。


「偉人たちの最高の名言に田辺画伯が絵を描いた。」
http://www.yurindo.co.jp/storystory/workshop/3751


いや、告知したところで? こっちの世界には僕のファンはほとんどいないみたいなんで


当日は、田辺さん目当てで来たお客さんに対して



(前にいた世界では、俺は日本の宝だったんじゃぁ!)



って奥歯を噛みしめながら、見知らぬ人の手を全力で握り締めることになると思いますけどね。








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今回の作品は前回よりも、さらに面白いネコの写真を選べた気がします。
僕が特に気に入ってるのは次の二つです。


猫1



猫2

あと↓も好きです。


猫3






人生はもっとニャンとかなる! ―明日にもっと幸福をまねく68の方法


よろしくお願いします!