昨今、なろう系を始めとする
異世界転生俺強ェモノの大量繁殖、
跋扈していることに辟易している私です。


私と同じ考えの方は沢山いると思います。
そこで少し考えてみることにしました。


Q:俺強ェって本当にダメなのか?

A:いいえ、そんなことはありません。
認められる俺強ェはわりといます。



Q:では何故、俺強ェは

嫌われるケースが多いのか?

A:単純に設定、ストーリーの構築が甘いから。
言ってしまえば
作者がノータリンだからです。
これに尽きると思います。



Q:好かれる俺強ェって?

A:運用次第ですね。
それをこれから紐解いて行きます。


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そもそも、俺強ェ系の主人公というのは
今に始まったことではありません。


なろう系で大量繁殖するより以前、
それよりも数十年前から存在しているのです。
そして今とは違って

それらのキャラや作品は人気を博していました。



たとえば、これ。
コブラ!

滅茶苦茶、人気がありますよね?
設定を見れば昨今の俺強ェもビックリするほどの高スペック。

それでも人気があります。
コブラの人気については私も世代ではないので
(最近のコブラのは見たことがありますが)
語らないとして…。




このコブラに代表されるように、
20世紀の少年ジャンプ誌には
俺強ェ系主人公は沢山います。


しかし、そのどれもが人気であり、
今のなろう系のような嫌われ方をしていません。

 




北斗神拳の伝承者ケンシロウ
往年の少年ジャンプ誌に代表される俺強ェ系主人公にして
大人気の作品・キャラクターです。

正直なところ、北斗の拳、ケンシロウを知っている人で
彼を嫌いだという人の意見は聞いたことがありません。

(作風が嫌いだとかいう糞PTAの意見はともかく)

 


☆好かれる俺強ェは運用次第である。

核戦争後、クズな悪党たちが弱き正しき者から
略奪を繰り返すアウトローな世界の中で、
弱者の味方としてケンシロウは自分の拳を振るいます。

序盤は特に、出てくる敵がゲスすぎるほどで、
そいつらに対して容赦ない制裁は、
読者に爽快感を与えてくれます。

クラブに秘孔を突いて解除の条件に
情報を引き出した後、解除しない。

「お前が一度でも約束を守ったことがあるのか?」
因果応報を知らしめて殺すシーンなどはカタルシス!

こういう、俺強ェ系主人公を正しく
運用していることが人気の秘訣でしょう。

 

いわゆる時代劇におけるヒーローに精通するものがありますね。

遠山の金さんや暴れん坊将軍も、

行ってみれば俺強ェ系主人公です。

 

 

 


なお、ケンシロウは俺強ェですが、
都合3度敗北しています。


vsシン


vsサウザー


vsカイオウ

ラオウとの戦いで引き分けもありますし。
もちろん再戦、リベンジマッチでは勝っていますが。

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「BOY」の日比野晴矢

世界観は違いますが、先のケンシロウと異なり、
作中で一度も負けたことがありません。
(多少の負傷はしますが)

しかも性格は横柄で不遜。
はっきり言って嫌われる要素がありすぎです。

しかし嫌われていなかったし、作品もかなりの人気でした。


その理由として挙げられるのが、
BOYという作品は日比野晴矢だけに頼っていないという点。

読んだことのある人ならわかると思いますが、
日比野晴矢の周囲にいる登場人物。



例えば一条誠や岡本清志朗
彼らを立てる演出が非常に上手い。

場合によっては最強である晴矢を裏方に徹したりさせますし、
他にもそれぞれのシナリオで登場するキャラクターを
上手く活かしています。


なろう系の俺強ェがダメな理由の1つとして、
最強主人公が全部、なんでもこなしてしまう

ところですね。

そんなになんでもこなせるんだったら、
仲間キャラクターとか必要ないやん?

と思うところが多々見られます。


話を戻しますが、万能型主人公のケンシロウの場合、
それを弁えて仲間キャラクターはあまり同行しません。
非戦闘員のバットやリンは一緒にいることが多いですが。

ケンシロウと長く同行した一番のキャラはレイ
次にトキといったところですが、
ある一定の期間だけのものです。
(どちらも死にますし)

同志となったシュウやフドウなんかもあまり同行しません。
修羅の国に渡った後、ファルコなんて最初の一戦で死にます。

基本はケンシロウだけで行動します。

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こちらの作品は賛否両論があるかと。
ちなみに私は「否」の方ですがw

私は梧桐勢十郎はこちらではなく、
短編読み切りの方のが好きですし。
(そちらは私の心に響く名言あり)

というかこの作者は連載作品よりも、
短編読み切りの方が話の作りが面白い…。



梧桐勢十郎は日比野晴矢と同等か
それ以上に尊大な性格。
というかパクリ?

梧桐自身を四天王に含めず、
下の立場に四天王を配している設定が、
バスタードのパクリっぽく見えます。



あとは四天王最後の一人が
オカマだったことで一気に萎えたw


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ジョジョ最強の男と名高い空条承太郎
彼も俺強ェ系主人公の1人です。

ジョジョシリーズは主人公補正というのがあって、
主人公が優遇されるストーリーになっていますね。
なので承太郎が主人公ではなくなる4部や6部では、
強さを発揮できなくなります。

ジョジョ3部は敵キャラクターがシリーズで最も多く、
承太郎以外の仲間キャラクターが活躍するシーンも多い。
つまり、最強主人公だけに頼らない手法。

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うずまきナルトは終盤には俺強ェ主人公、
むしろチートキャラと化しますね。

しかし、そこに至るまでは落ちこぼれだったり、
体の中に封印されている九尾に苦しめられたり、
キツい思いをしています。


そういうのが近隣の俺強ェ主人公にはないところ。

大した苦労もせずチート級の優遇を受ける

主人公に魅力は感じられませんよ!


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態度は横柄な生意気なルーキーの越前リョーマ
公式試合では負け知らずの俺強ェ系主人公です。

しかし、自宅では親父にフルボッコにされていたりw
非公式の対決では手塚部長に負けたりw


そういうところに愛嬌があるのだと思います。

 

ちなみに原作よりアニメの方が性格がマイルドになっていますね。

後輩キャラとして先輩を敬う姿勢が見られます。


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公式戦負け知らずといえば藤原拓海も。
スペックで劣る車種をテクニックでカバーして
勝っているスタイルに好感が持てますかね。

まあ、個人的にはプロジェクトDの中盤以降は
勝負に負けて試合に勝つ、という
主人公側がやっちゃいけないパターンをやっちゃうしw
藤原ゾーンとかいう理解不能な展開についていけなくなりますがw

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とまあ、過去の名作における俺強ェはここまでにして…。

次回の後編からは近代の俺強ェについて語りますね。