昨今、なろう系を始めとする
異世界転生俺強ェモノの大量繁殖、
跋扈していることに辟易している私です。


私と同じ考えの方は沢山いると思います。
そこで少し考えてみることにしました。

 

前編では過去の名作における俺強ェ系について語りました。

後編は近代の俺強ェ系について語っていきます。

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はい、出ました、アインズ様!
まごうことなき俺強ェ系主人公です。

しかし、認められている側の俺強ェですね。


☆何故、アインズ様は認められているのか?

部下たちの忠誠心の厚さに
気苦労が耐えないところが面白い!

部下たちの忠誠心に応えるべく
ハッタリかましているのが面白い!

時たま、リアルの本音ボイスが出るのが面白い!


と、上記のような愛嬌があるのが理由の1つです。


あとは文字通り、オーバーロード(君臨者)として、
おいそれとオモテには出ずに部下たちを動かしている。
なんでもかんでも自分が自分がと動く、
そこらへんの俺強ェとは違います。


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「ワンパンマン」の主人公サイタマ
あまりに強すぎてどんな敵も
ワンパンチで倒してしまう俺強ェ系主人公です。

 


彼に対しても不快感はありませんね。
何故か?

実力に見合った身分を保証されていない点。
どう考えても最強なのに、彼はヒーロー協会のC級。
S級ヒーロー以上の実力があるにも関わらず。

彼自身、地位や名誉を必要とせず、
ヒーロー活動は趣味、自分が好きでやっているだけ、

と謙虚なところがあります。

1期OP歌詞にも
『俺を称える声や喝采なんて欲しくはないさ。
だから人知れず悪と戦う』

…とありますし。


ワンパンマンの他に良い部分を挙げるならば、
基本はサイタマ以外のキャラクターを視点に
ストーリーが進行していっている点
でしょう。

サイタマが戦えば瞬殺してしまいますが、
肝心のサイタマはどこかで別なことをしていたりw
他のヒーローたちが苦戦しながら敵と戦っています。

BOYと同じく、最強主人公に依存せず、
周囲のキャラクターを活かす手法だから楽しめる。




ちなみにサイタマはゲームはクッソ弱いw

 

キングはサイタマとは真逆の存在で、
見た目が厳ついだけの一般人なのに

ハッタリと運でS級ヒーローに座位しています。

普通ならヒンシュクものですが、
何故か憎めない存在となっていますねw


強い主人公がオモテ舞台に出ずに影で活躍する上で、
看板的な存在が必要とされているから?
立ち位置的にはミスター・サタンっぽい扱いです。

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慎重勇者の竜宮院聖哉
この作品はタイトルで損をしている感がありますが、
許された俺強ェキャラといえます。

尊大な性格でウケが悪そうなのに不人気にならない理由は、
終盤で明かされる過去のシーンが大きい。

作品としての人気の理由は、聖哉が強キャラであるとともに、
敵側もかなりヤバいところです。

勇者が降臨する始まりの街に四天王を送り込んでくる魔王軍とか。
RPGをプレーしたことのある人が一度は疑問に感じることを
覆してきたところが面白い。


そうなのです、俺強ェ系が嫌われる理由は、
敵をバッタバッタとあっさりなぎ倒してしまうところ。
主人公が強いのなら、

敵も強いのを用意すればいいのです。
いわゆるご都合主義な展開がアウトな原因!


慎重勇者のシナリオ上の欠点は

ヒロインが不在なところですかね。


え?リスタルテがヒロインですって?

 




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俺強ェ系主人公に不快感を感じる原因の1つとして、
やたらキザなところが挙げられます。

キザは漢字で書けば気障
気に障るわけで!

キザな主人公は見ているとイライラしますね。
ですが、すべてのキザなキャラがイライラするわけでもない。




ルパン三世や冴羽遼、彼らもキザですが、
好感が持てるキャラクター性をしています。

好かれる理由として共通するのはキザではあるものの、
三枚目の一面があるところでしょう。



こういうギャグな一面があるから、
キザな部分も許せてしまうと言えるでしょう。
 

 


私の個人的な解釈ではリヒトーさんも嫌な感じはしません。
過去の悲惨さを知っているなら尚更。



キザといえばコイツもイライラするタイプの主人公でしたわ。
推しヒロインが咲き誇れない作風も低評価に繋がりましたが、
まずこいつのキャラ性が受け付けませんでした。

まず、見た目がかなりヤサ男なのに強いという設定がね。
もっとゴツめの体格にすべきじゃね?
いくら武器の性能が良いといっても、
体脂肪率一桁にしか見えない痩躯
巨大な物質をバッサリ斬るとか物理的にありえませんわ。

見た目もそうですが性格もアウトでした。
相棒が公衆の面前で拷問チックに

痛めつけられ辱められておきながら、
それを行なった双子に対して、
男の方には歯が折れるグーパンをかまして倒すくせに、
女の方は校章を割って失格にするだけ。

 

こういうフェミニストは虫唾が走ります。
男女平等パンチの上条さんを見習え!

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キリトは賛否両論のあるキャラクターです。
私は『賛』の方ですが。

キリトはよくチート系主人公と言われていますが、
原作を読んでいる立場としてはそこまでチートではないのですよ。

まず、アインクラッド編でキリトが他のプレイヤーより
LVが頭1つ抜きん出ていた件について。


これは常にソロプレーを貫いてきた結果。
他のプレイヤーがパーティーを組んでレベリングや
攻略している中で、キリトだけは常にソロでした。

たとえば4人の団体行動をしているプレイヤーたちより、
ソロのキリトの方が4倍経験値を得られるので、
LVが高くなるのは当然のこと。

その反面、キリトは大きなリスクを背負っています。
パーティープレーならば即死攻撃が超過ダメージに
気を付けていればいいのですが、
ソロの場合は麻痺や睡眠などの異常状態ですら死に直結します。
仲間がいれば異常を回復してくれますが、
ソロのキリトには不可能ですから。

一撃食らうだけで異常が戻る(起きる)睡眠ならまだしも、
麻痺はほぼ即死の状態異常と同じです。
ちなみに私はドラクエ3で4人パーティーなのに、
雑魚敵の焼け付く息で全員麻痺して全滅したことがあります。


一度のHP全損で実際にリアルでも死んでしまう条件で、
キリトの行動は正気の沙汰とは思えませんがw

 


フェアリィダンス編やファントムバレット編でのキリトは
元データをコンバートした結果なので強くてニューゲーム状態。

ただ、キリトはフェアリィダンス編で須郷を倒した後、
新生ALOでは新アカをイチから作成しています。

SAO(アインクラッド)での思い出はそのままにして、
不公平感がないようにと他のALOプレイヤーと対等に。

むしろチート(コンバート組)なのは旧SAOプレイヤーたちの、
アスナやリズベット、シリカやクライン、エギルたちの方でw




髪の毛が逆立っているのがフェアリィダンス編でのキリト。


新アカを作って以降のキリトは髪の毛を下ろしています。
(選択種族はそのままスプリガン、影妖精のままですが)
 

 


賛否両論のうち「賛」な私ですが、
「否」の人の気持ちもわかります。

先述通り、キリトはキザな部分が目立つところ。
コミュ障の分際で

きっちりハーレムを築いている

ところでしょうね。

SAOではアスナ、ALOではリーファ、
GGOではシノン、UWではアリス
と、
行く先々で現地妻を拵える生きざまはまさしく…。


SAO界のアドル・クリスティン
と言っても差し支えがないでしょう。


ただ、ハーレムとは言いますが、
キリトはアスナを正妻として認識しているわけで、
一人の女性を既に選んでいるという点に於いては、

高潔な存在であると私は言えますね。

そんじょそこらにいる
ハーレム主人公と一緒にしてもらいたくないです。




ちなみにコチラの方は、
コミュ障であることが功を奏しているパターン。


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この辺りからでしょうか。
世間に能力を正しく診断されておらず低評価ながらも
活躍する主人公
というのが出始めたのは。

上条さんは右手で超常現象を打ち消せるだけで、
基本的には生身なので正当な扱いですが…。



同時にネガティブな単語をタイトルに用いる
ラノベが増えてきましたよね。


最弱だの劣等生だの落第だの
ロクでなしだのデスマだの

ありふれた~だのスライムだの
(スライム=弱いはドラクエの概念であって、
その他のファンタジー作品では比較的強いですが)



その代表であるお兄様ですが…。
この作品で面白かったのは第1章の入学編までですね。

 

評価ができないから劣等生に甘んじているのに、
周囲が実力を認めちゃったら
タイトルに劣等生を付けている意味なくね?

 

俺強ェを描きたいならネガティブ単語を使わなければいいのに…。

劇場版は未視聴だし2期がどうなるのかはわかりませんがね。

 

 


最弱と言われながら無敗なヤサ男兄貴も
個人的にアウトなキャラでした。




落第騎士の黒鉄一輝は許せるタイプでした。
魔力が少なくて騎士足りえないのを別の要素で補っている系。

他の騎士候補を倒しても認められず、
お前のような半端モノがいると他の無能力者も
勘違いして淡い希望を抱くから害でしかないと
実父に言われる始末w


こういうタイプが日の目を見るのは清々しく感じます。



不遇な環境からの逆転劇といえば、
尚文様にも精通しますね。こちらも好感度高い。

まあ、周囲のクソっぷりにイライラするのは相変わらずで、
2期や3期に期待するしかないですが。

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個人的に絶対に許せないイセスマ太郎。
キング・オブ・クソ!

この作品のどこがアウトかというと、
これでもかというくらいにご都合主義なところ。

漫画にしろ小説にしろ、話の構成やキャラ設定を踏まえる上で
プロットという段階を踏みますが、
プロットなしで書き始めたんとちゃうか?
というくらいに酷い。

作家があれこれ悩み抜いた上で物語を構築する、
いわゆる生みの苦しみがまったく感じられない。

プロ作家の作品とは到底呼べない。
(なろうはそもそも書いた時点では素人ですが)

昔、作家を目指して挫折した私からすると、
こういうのが商業誌となり
アニメ化となった現状は断じて許せない。

私と同じように作家を諦めた人や
これから作家を目指す人は

ガチギレしていいレベル。

まさしく業界に悪例を生んだといえるでしょうね。


内容に関して脳裏に鮮明に残っている部分といえば、
魔法の得意不得意についての話題で、

ヒロイン2人が2~3属性を得意としている話の流れから、

主人公が全属性を遣えてさらに無属性も使える、
といったところですね。

あの瞬間、脳の何かの線が
プチっと音を立てたのを覚えています。


と、同時にケンシロウの時にも書きましたが、
主人公がなんでも全部こなせるのだったら、
味方キャラクターを出す必要性ないやん?

ということです。

そんなこんなで、イセスマ太郎は史上最悪の俺強ェ
バッドランキングのトップであるといえるでしょう。

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それと同格クラスと言えるのが賢者の孫。
一応こちらは最後まで視聴しましたが、
イセスマ臭がかなりよぎるレベルの糞アニメでした。

1話の最初の、転生したシンを育てた大賢者が、
「常識を教えるのを忘れてた」

発言した時点でアホかと。

人の親がまず子供に教えることといえば
常識でしょ?それが最優先でしょ?


賢者じゃなくて愚者やんけ!
愚者の孫やんけ!

 


で、能力・技術的に何も教わるものがないのに、
学園生活に放り込むという基地外っぷり。

まずは家庭教師なりなんなりをつけるかして
最低限の常識を身に着けてから学園に放り込め!

さらに言うなら高等学校じゃなくて幼稚園にな!

学園で知り合った級友たちを集めて、
アルティメットマジシャンズ(ダサ!)
結成するわけですが、
学生という同じ身分の分際で
ゼミを開くことが常識外れ以前に理解不能。


こういう形式(ゼミ)にするのであれば、
学生としてではなく講師として学園に入るべきでしょう。
学生と同じ年代だとか1,2歳上程度の教師キャラなら、
他の作品でもいるわけですしね。
(面倒なのであえて例には挙げませんが)



とりあえず、このセリフがイラっときますね。

イセスマ太郎でも思うのですが、
主人公に嫌味がないのが、
一周回って嫌味である

ということを、
原作者はもっと理解した方がいいのではないかと。

キザじゃなければいいという話ではないです。

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異世界転生モノで思うのが現実における死の軽さ。
だいたいが通り魔に刺されたとか交通事故だとか、
まあそれ自体は不幸ですが、
ハッキリ言って転生の理由として軽いと言わざるを得ません。

異世界に転生することでハッピー展開にするのであれば、
現実世界での死はもっと過酷なものでなければ割りが合いませんよ。

それこそ某北の国から亡命しようとして
捕まって拷問されて処刑されたとかじゃないと。


で、異世界に来たら似たような独裁国家があって、
そういう環境をどうにかしようとするとか。


上記の例は置いとくにしても、とりあえず…、

ベルセルクのガッツくらいの苦難な人生を送ったのなら、
転生後のハッピー展開も許せますね。


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最後に…。


メイプルは可愛い!
可愛いは正義!
大正義!



上記の基準で判断するならば、
ハッキリ言って防振りはアウトな領域です。
そうでありながら私を含めこの作品がウケていたのは、
メイプルの可愛さゆえであると言っても過言ではない。

 


メイプルは俺強ェ…、
性別な女なので私強ェしていながら、
無自覚かつ天真爛漫な性格。

先のイセスマ太郎や孫四郎は、
嫌味じゃないのが一周回って嫌味と言いましたが、
メイプルの場合はその法則に当てはまらない。

 


逆に言えば、メイプルを可愛いと思えない側からすると、
防振りはダメな作品という判定になるわけです。


認められる俺強ェになるか、許せない俺強ェになるか、
すべてはメイプルというキャラへの感情次第!

 

 


以上を持ちまして、
この長くなったコラムを閉じることとします。