アマゾン「本」で「発達障害」というワードで検索すると、ものすごい数の書籍がヒットします。『子どもの発達障害』だの『大人の発達障害』だの『発達障害グレーゾーン』だの『発達障害の人が見えている世界』だの『発達障害と人間関係』だの『発達障害の子どもの才能を伸ばす』だの『発達障害とペアレントトレーニング』だの……。

 多くはいまある「生きづらさ」をどうしたら「生きやすくできるか」といった視点のものが多い気がします。一方、薬物療法について書かれた本はほとんどありません。

 つまり、発達障害は薬物療法には直結しない?

 そのはずですが、現実は、まったく逆行しています。

 これだけ「発達障害」の本が世にあふれ、新聞、雑誌等でも特集を組まれている今という時代、「自分ももしかしたら発達障害かも」「うちの子が育てにくいのは発達障害だからでは?」と考える当事者、親が増えるのは自然な現象です。

 これまでの理由のわからない「苦労」が「発達障害」というキーワードで説明できたら、これはこれで人生において一つの「解決」をもたらします。

 で、発達障害だから、どう生きれば、少しでも生きやすくなるのか、それを求めて受診する人も多いでしょう。あるいは、そう考えて子どもを受診させる親も多いでしょう。

 入口はこのような動機です。まさに本のタイトルと同じ傾向。

 でも、精神科(児童精神科)を受診すれば、やっぱり薬が出ることが多い。

 本人なら、これを飲めば発達障害が「治る」と考えるかもしれません。親なら「これで少し楽になる」と考えるかもしれません。

 以前、看護師さんからあったコメントのように(老人の場合ですが)「家族が飲ませてください」と言うケースも多いようですので、親がすすんで受診させ、薬でコントロールしたいと希望するケースもあるでしょう。

 で、精神科病院の病床は子どもの入院患者でいっぱいになります。児童を対象とした精神科ではなく、そこでは病床数が足りないため、一般の精神科の病棟が子どもでいっぱいになるのです。

 これだけ世に「発達障害」が流布していれば、確率論的に、その網にかかる子どももそれだけ増えるわけで、服薬する子どももそれだけ増えるわけで、入院する子どもも増えるわけです。

 

 知人の女性から教えてもらったのですが、以前、受診して服薬して、副作用でひどい目にあった経験を持つ彼女が通院していた病院(一般の精神科病院)に通っている人たちのTwitterの記事です。この病院には常勤の児童精神科医はいないとのことですが・・・。

 入院していた成人の投稿で、その感想です。「入院するとき、職員に言われたんだけど、病棟には子どもが多くて、とても騒がしいと」、「ゲーム依存で入院している子が多いみたい」「入院中、病棟が子どもたちだらけだった」、「最年少は令和生まれだった」・・・。

 

教えてくれた女性は多剤大量処方で副作用に苦しみました。大人に10錠以上も処方する病院が子どもに単剤処方できるとは思えないといいます。そりゃそうでしょうね。

日本の精神科病院はそのうち子どもの入院患者であふれかえるのかもしれません。この少子化の時代、日本の人口は2070年には8700万人にまで減るといわれています。2050年(27年後)には1億人を切り9515万人(現在は1億2247万人)。

こうした状況のなかで、子どもを発達障害として精神科につなぎ、投薬、入院。

日本はいったいどうなってしまうのでしょうか。

テスラのCEOで、さまざま問題発言の多いイーロン・マスク氏(自らをアスペルガーと言っています)ですが、彼は「このまま出生率が上がらなければ、日本は消滅する」と言っています。出生率もあがらず、数少ない子どもたちが発達障害とされて服薬となったら、日本の消滅はより一層早まりそうですが。


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