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私は言う 派!





LGBTというのは、文字の並び左から

レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシャル(両性愛者)、トランスジェンダー(体と心の性が不一致した人)

の頭文字を並べたもので、「性的少数者(セクシャルマイノリティ)」を言う。

幸いにも、私にはゲイもレズビアンもバイセクシャルもトランスジェンダーも、ニューハーフも含めてLGBTの全てに知りあいがいるが、彼ら彼女らに共通しているのは、自分がLGBTだと打ち明けることに長い躊躇いがあったことだ。

ずっと親しくしていたガールフレンドが、ある日、わたしは本当は在日韓国人なのだと打ち明け、それでも友だちでいてくれるかと言われたことがある。

嫌韓嫌中の嵐が吹き荒れる日本では、国籍を明かすことにも勇気がいるが、LGBTのカミングアウトも、おそらくはそれと同じだ。

NGO法人国際レズビアン・ゲイ協会(ILGA)によると、同性カップルを認めているのは、欧州や北南米など三十二ヵ国と四十七地域だけらしい(2014年5月現在)。

日本や中国、韓国では同性愛を認める制度や法律はなく、イスラム圏やアフリカでは同性愛は違法扱いになる。カトリックもまた、同性愛は認めていない。

日本はウタマロの国なのに、何故か性と性の開放に関しては遅れているのだが、渋谷区が全国で初めて同性カップルを「結婚に相当する関係(パートナーシップ)」として認め、証明書を発行する条例案を今月の議会に提出することが報じられた。

条例案が定めるパートナーシップは、実に難解難読かつ極めてお役所的文言が並んでいるのだが、「男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備える戸籍上の性別が同一である二者間の社会生活関係」と渋谷区では定義している。

難しすぎて全然わからないが、証明には、「当事者双方が相手を「任意後見受任者」の一人とする契約の公正証書を作成し、登記すること」等が条件とされている。なんだか、『デート』の杏ちゃんの台詞みたい。

理解するには少し時間がかかりそうだが、このパートナーシップにどのようなメリットがあるとかというと――、


「たとえば、渋谷区の区営住宅の入居条件は『事実上の夫婦』までは認められていましたが、今後は同性カップルにまで拡大する。ほかにも、同性のパートナーが大病を患い、見舞いに行こうとしても、病院で『親族以外は面会謝絶』という状況に陥ったとき、証明書を提示すれば面会できる、といったことが考えられます」(渋谷区総務課長)

この条例案を、新宿二丁目の住人でゲイの女装家ブルボンヌ氏が歓迎する。


「数年前、当時のカレがひどい病気にかかってICUに入ったの。すぐに病院に向かったけど、ICUでは家族以外の面会ができないのが普通。カレに会えないことは覚悟していたわ。ところが、カレが家族にゲイをカミングアウトしていたらしく、わたしのことも知っていた。それで、ご両親が『恋人だから入れてあげてください』って病院を説得してくれたの。そのおかげでカレと面会できたわ」

カノジョ(?)は運がよかったが、同じようなケースでパートナーの死に目に会えなかった同性愛者はたくさんいる。

だが、渋谷区が発行する「証明者」があれば、このような不幸は避けられる、とブルボンヌ氏は言う。

その前に肝心なことをひとつ。

この証明書は、法的な婚姻関係を認めるものではないということだ。

あくまで渋谷区として認めるもので、法的な手続きが必要になるもの――、

たとえば、遺産の相続に関する権利や、税金の免除などに関してはいっさいの効力を発揮しない。

また、条例の趣旨に反する行為及び条例の悪用があった場合は事業者名を公表するなどの措置を取る旨を条例案に盛り込む予定だともいう。

ちなみに、この条例案を提案したのは、渋谷区議の長谷部健氏だ。

2012年6月のことだ。

「一緒にボランティア活動をしているゲイの知人がいるんですが、彼や彼の仲間を通してLGBTの苦しい実情を知り、何かできることはないかと考えました。思いついたのが『パートナーシップ証明書』だったのです」(長谷部氏)

偉いぞ長谷部区議。

このたび海水浴場での飲酒と音楽と入れ墨のいっさいを禁じた鎌倉市議たちよりよっぽど立派だ――、と私は思う。

ついでに東急東横みなとみらい線の渋谷駅をもっと使いやすいよう東急グループにも言ってやってくれ。

区議に釘を刺してほしい。

「『渋谷系音楽』『渋カジ』など、渋谷はかつて文化の発信地でした。でも近年は渋谷発の文化が少なくなっている。街から活力が失われたと感じていました(中略)ですが、LGBTをはじめ、多用な人材が集まれば、渋谷は再びクリエイティブな街になれる。元から渋谷に住んでいたLGBTの方が、大手を振ってこの街を歩けるようにしたい。この条例案は、その一歩になると信じています」

海外に暮らしたとき、知りあったガールフレンドたちのアパートに何度か遊びに行ったのだが、大半の女性たちがゲイの男性とルームシェアをしていた。

そして口々に言うのである。


同居人がゲイなら、どんなことをがあっても襲われることがない(=レイプの心配がない)。

それどころか、何かあったら身を挺して助けてくれる。

こんなに頼もしい用心棒はいない。

それに、ゲイはきれい好きで料理上手。

一緒に暮らしていれば、トイレもリビングも家じゅうピカピカで、おまけに手の込んだ美味しい料理を食べさせてくれる――、だそうだ。

繕い物までやってくれるらしい。

残念ながらレズビアンと同居している男性を知らなかったが、一度だけレズのカップルの部屋を訪れたことがあって、彼女たちの部屋は実に艶めかしかった。

本棚を見るとレズの手引き書みたいな文献が何冊も並んでいた。

私が暮らしたのはシドニーだが、あの街では多くのゲイと、ほんのちょっとのレズビアンと知りあう機会があった。

多くの人が、自身のゲイやレズビアンを公にしていた。

ちょうどいまの時期、シドニーでは「マルディ・グラ」というLGBTの一大パレードが催されるのだが、大胆に女装したドラァグクイーンの集団なども見られ、オーストラリアでは最大のイベントにもなっている。

そして、こうしたイベントを、シドニー市長や政治家らが支援しているのである。

そういった意味では、日本が遅れている感は否めないが、早稲田大法学学術院教授の棚村政行氏(家族法)は渋谷区の取り組みを評価している。

「日本も同性カップルを公認する一歩を踏み出したと評価したい。運用が開始されパートナーシップ証明でどんなメリットがあるかが具体的になればさらに広がる可能性はある。婚姻制度を損なうという懸念はあるだろうが、外国ではその議論を乗り越え段階的に発展してきた、あと必要なのは、性的少数者を認めることが社会にプラスだと市民が納得できる説明や時間だ」

棚村教授はこう評価するが、東北大大学院教授の水野紀子氏(家族法)は、性的少数者が暮らしやすい社会は必要だと言うものの、渋谷区のパートナーシップにやや否定的だ。

「(前略)同性婚の承認については、生殖補助医療によって子を持つことの承認まで意味するのであれば賛成できない。欧米に比べ、歴史的に同性愛者に寛容な日本では同性婚を求める運動も欧米ほど先鋭化しておらず、渋谷区の制度が同性婚実現にまで進展するかは疑問だ」

有識者によっても考えは違うが、渋谷区に続き世田谷区、横浜市もパートナーシップ証明を検討中とのことだ。

私は、この取り組みが早く全国的な展開を見せてくれることを願っている。


私らしくとか、あなたらしくという生き方があるのなら、

ゲイらしく、レズビアンらしい生き方もあるべきで、

ゲイが幸せに暮らせる社会、レズビアンが幸せに暮らせる社会が理想だ。

もし、同僚や知りあいにゲイがいたとして、私は、だから何だと思う。

彼がゲイだからといって差別をしたり、蔑んだりするのは愚か者のすることだ。

テレビのバラエティ番組には「おねえ」と呼ばれる人たちが多数出演していて、彼らが必要以上に身体をくねらせ、執拗に好みの男性に抱きつくような醜態をさらしているから、何も知らない人たちに「ゲイってこうなのかも」との偏見を生むが、本当のゲイはおねえとは大きく違う。

本来のゲイの認識は、まずスマートなことだ。

クールと言ってもいい。

それから、インテリで話し上手。繊細で、芸術などの分野に造詣が深く、凛としていることだ。みだりに身体をくねくねさせたりはしないのである。そこが決定的におねえとは違う。

市場調査会社イプソス(本社フランス)が2014年に15ヵ国で行なった意識調査では、性的少数者の友人や同僚がいるか――、の問いに、日本は8%が「いる」と答えている。

が、15ヵ国の平均が46%だった結果から考えるに、日本に同性愛者が少ないのではなく、同性愛者であることをカミングアウトできない人が多いのではないか、との推測に行き着く。

あなたは、同性愛者や両性愛者に、心を開けますか――?

でも、私たちは忘れてはならない。

何よりも大事なことは、世の中には「異性愛」ができない「性的少数者」がいることを理解し、彼ら彼女らを孤立させてはいけないってことを。


参考記事:毎日新聞2月27日付 降旗学氏
週刊新潮:3月5日号
週刊プレイボーイ:3月9日号他



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