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地震で被災、ペットと避難生活…避難所での注意点は? 犬の鳴き声・臭い・糞尿トラブル回避するためには?

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1日午後、石川県で最大震度7を観測した能登半島地震から一夜明け、徐々に被害の全容が明らかになってきました。気象庁は、今後1週間程度は最大震度7程度の地震が発生する可能性があるとして、引き続き警戒を呼び掛けています。

 

 災害時の避難には、避難所への避難のほかに、在宅避難や車中泊避難などの方法がありますが、ペットを飼っている場合、どのような基準で避難方法を選べば良いのでしょうか。

 

 避難所での注意点や、日頃からできる備えとは? 

 

1日午後4時10分ごろ、石川県で最大震度7を観測する強い地震がありました。 震源は石川県能登地方、震源の深さは16キロ、地震の規模を示すマグニチュードは7.6と推定されています。気象庁は石川県能登地方に一時、大津波警報を発表し、輪島港では1.2メートル以上、金沢港で90センチの津波を観測しました。 避難を余儀なくされた人の中には、ペットを飼っている人も少なくありません。

 

 避難をためらわないよう、環境省はペットとの「同行避難」を推奨していますが、実態は自治体によって異なり、まだまだ課題も多いようです。

 

 家族の一員であるペットとの避難生活。 どのような基準で避難方法を選べば良いのでしょうか?獣医師に聞きました。

 

 ふじい動物病院 藤井浩平 獣医師

 「ペットは同行避難と言って、避難所に飼い主と一緒に行けるんですが、ペットは外で室内には入れません。ですから、おのずと在宅避難や車中泊避難を選択する場合が多いとは思います。

 これに関しては各自治体がペット可の避難所を早急に整備する必要があると思います」

 

 自治体によって異なりますが、避難所に同行避難した場合、ペットの飼育スペースは、飼い主の居住スペースとは異なり、リードを着けた上で、飼い主が持参したケージやキャリーバッグの中などで飼育することが求められているということです。

 

 ふじい動物病院 藤井浩平 獣医師

 「動きを制限されることは、どんな動物にとってもストレスそのものだと思います。避難所で一番重要なのは飼い主がペットの性格や持病の有無を把握し、互いに極力ストレスフリーな環境を整えてあげることだと思います。 仮にストレスがかかることにより持病の悪化も考えられますし、最悪の場合、亡くなることも考えられます」

 

そのため、災害時に受け入れ可能な動物病院を確認しておくことも大切だといいます。

 

 一方、様々な人が共同生活を送る避難所でペットを飼育する場合は、動物が苦手な人やアレルギーを持っている人などもいるため、当然ほかの人への配慮が必要となります。

 

 環境省によりますと、東日本大震災に伴う自治体へのアンケート調査結果で、避難所でのペットのトラブルでは、犬の鳴き声や臭いなどの苦情が最も多かったということです。

 

 その他、「避難所で犬が放し飼いにされ、寝ている避難者の周りを動き回っていた」、「ペットによる子供への危害が心配」、「ノミが発生した」など、飼い主による適正な飼育が行われていないことによるトラブルが多く見られたということです。

 

 ふじい動物病院 藤井浩平 獣医師

 「避難所では全ての避難者が愛犬家、愛猫家であるわけがなく、特に糞尿の始末は飼い主の責務だと思います。

 また、抜け毛対策で犬が服を着させるのも効果的であると思います。服を着ることは、避難所でのノミやダニ等皮膚トラブルを回避するのにも幾らかは有効な手段だと思います」

 

 そのほか、災害時にペットがパニックになり、居なくなったり、どうしようもなくペットを自宅に置き去りにしたりすることも想定されるため、すでに義務化されているマイクロチップ装着も重要だということです。

 

 環境省では、ペットの避難に必要な用具などを日頃から準備しておくことや、普段からしつけや健康管理をしておくことなどを呼びかけています。