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動物を虐待から守る『どうぶつ弁護団』…「現場の保護活動する人が費用負担のない仕組みにしたい」「将来の抑止力に」自費で動き捜査機関に告発
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全国で相次ぐ動物虐待事件。国内唯一の組織「どうぶつ弁護団」が活躍しています。
奈良県内に住む男性にペットとして飼われている猫のにゃーちゃん、3歳。にゃーちゃんは去年、ある事件に巻き込まれ、命の危険にさらされました。写真を見ると左前足に突き刺さる金属片。長さ3cmほどの鋭利な矢です。
(猫を保護した男性)「前足ひきずっていてケガしている感じで、どうしたんや、けがしたんかって近づいてみたら、矢みたいなのが前足に刺さっていた」
去年12月、出勤途中に近所の河川敷で見つけたといいます。
(猫を保護した男性)「パッと見て、誰かがつくったんだとわかる感じでしたね。ダーツの矢に近い雰囲気だったんですけど。明らかに威力を上げるために改造してるんだなとわかる感じでしたね。ひどいことする人おるなと思いました」
すぐに猫の保護団体や警察に相談して、にゃーちゃんは無事保護され今に至ります。
にゃーちゃんに大けがをさせたのは奈良県王寺町の会社員・上南裕被告(49)。動物愛護法違反などの罪に問われていましたが、4月11日に懲役1年6か月・執行猶予3年の有罪判決が言い渡されました。
上南被告は猫を撃った理由について、「銃をつくるのが趣味で猫で試し撃ちしたくなった。撃った猫は食べるつもりだった」などと話していたこともわかっています。
警察庁が4月11日に発表したデータでは、去年1年間の動物虐待事件の摘発件数は全国で181件と過去最多になりました。
そんな中、相次ぐ虐待事件から動物たちを守ろうと立ち上がった団体があります。それが「どうぶつ弁護団」です。2022年に兵庫県の弁護士らで発足。動物虐待に関する情報提供があった際に、飼い主や通報者からは依頼費用はとらず「どうぶつ弁護団」が自費で動き、捜査機関に告発しています。理事長を務める細川敦史弁護士に話を聞きました。
(どうぶつ弁護団 細川敦史弁護士)「飼い主がいないとき、代弁する人が必要だよねって話があって。現場の動物ボランティアさんたちが僕なんかにお金を払って告発したという時期があったのですが、お金を出してくれる方がなんで1人で負担しないといけないのかなと。現場の保護活動している人が費用負担のない仕組みができたらいいなと」
全国各地の虐待相談を受けて警察などへの告発を繰り返してきましたが、逮捕に至らなかったり、不起訴処分になったりと、動物虐待事件の捜査の難しさを実感するといいます。今回の奈良の事件も、どうぶつ弁護団が警察に告発して初めて、有罪判決へと結びつきました。 今後の目標を聞きました。
(どうぶつ弁護団 細川敦史弁護士)「将来の抑止力につながることに我々の活動の意味があると思っていて、全国に同じような対応ができる弁護士を増やしたいなと」