『露骨な差別に批判の声。乗客を助けようとした黒人女性医師に客室乗務員は…客室乗務員から受けた露骨な人種差別


トピックに上がっていたので拝見。

読んだ感想は、これは恐らく事実とは異なるのでは無いか。

一見すると、こんな酷い客室乗務員いるのかー!

黒人医師こんな差別受けて可哀想!

あり得ない!やはりアメリカ!差別大国!


とも見えますけれど…。


私の率直な感想は真逆ですね。



まず第一に、客室乗務員は規定によりいくら本人が医者と主張しようとも証明ができない限り、医療行為、他のお客様の処置に手は出させません注意

海外では医療免許証を携帯している医師が多いです。

日本では病院勤務であれば胸から下げているIDですね。

また、医師といえども誰もが処置できるわけでは無いんです。歯医者に頼んだって出来ないこと、産婦人科医師に出来ないこと、皮膚科医師に出来ないこと、美容整形外科に出来ないこと、まちまちですね。

専門的なことを除いたとしても、医師証明を所持していないこの黒人女性に機内で医療処置をお願いすることは100%ありませんね。


私はDELTA航空とはなんの関係もありませんが、この客室乗務員の対応は正しいと思います。

基本的に何か予定外の事態が機内で起こってしまうと、人は集まってしまうものです。立ちはだかるとネガティブに書かれていますが、当然ですね。

機内は狭いので、人が集まってしまうと客室乗務員も対応が遅れてしまう。客室乗務員には、状況把握という仕事と、ある程度の医療訓練は受けているので、最初の処置をしなければならないんですね。




第二に、二番目に現れた医師は医師免許確認無しに医療処置をお願いされていたとのこと。

もしかしたらこの黒人女性が見えない所で医師免許を提示したか、医師IDを提示したか。

また考えられるのは、その医師が医師No.、名前などの個人情報を客室乗務員に伝えていた場合、客室乗務員が某所(Medlink)と連絡を取り合い、医師と確認することが出来るのです。

機内ではこの方法がかなり役立ちます!

機内で緊急医療事態が起こった場合、殆どのエアラインはMedlinkという場所へ電話します。

Medlinkはアメリカ•アリゾナに拠点を置く航空医療の専門で、沢山の医師が24時間常駐。また、世界の医師登録もコンピューター管理されているので、医師の名前と医師No.伝えただけで、その医師の情報が瞬時に分かるのです。

医師No.が分からずとも他の個人情報で検索もできます。


この事から、二番目に現れた医師はこの時点で何らかの方法により『医師』だと黒人女性よりも先に特定することができたのでしょう。


客室乗務員がMedlinkに電話するのはかなり頻繁にありますよ。私も二度経験があります。(トレーニング含めたら5回くらいあるわ!笑)しかも事件が起きてからMedlinkに電話する速さは想像以上だと思います。数分以内ですね。


何か医療緊急事態が起きた!
状況は全て把握していないが、取り敢えず一人がMedlinkへ電話
電話している間に、他の客室乗務員が状況の把握そして伝達
Medlinkと話している客室乗務員が伝わってきた状況を伝達


と、こんな流れですので、一概にキャビンにいる客室乗務員が何もしていない、ただ立ちはだかっているだけとも言えないと思いますね。

この双方の点から考えても、DELTAの客室乗務員の対応は正しい。


もう一つ加えて言えば、医師が処置中は他の医師(医師だと確認を取れたとしても)が同時に処置をお願いする事は決してありません注意

これは混乱を防ぐ為。ですので、先に男性医師がこの緊急事態に対応しているならば、この黒人女性は医師だと確認取れたとしても下がって頂きます。これはどの航空会社にも共通する規定ですね。


記事では酷い人種差別のように書かれていますが、その点には疑問を抱かざるをえないかな。


私もアメリカに住んでいましたし、人種差別がある事は事実ですが、この一連の記事内容では人種差別と特定することは出来ないと思います。



Medlinkはほぼ全てのエアラインが加盟していると言っても過言では無いと思います。

プライベートジェットも多くが加盟しています。

電話一本で、本当に的確な指示をくれるのです!!!グッ

また、アメリカ拠点だから米語アクセントなんでしょ?なーんて思うかも知れませんが、えぇ、米語アクセントですけれどね、分かりやすく、確認も何度もしてくれるので、最高の助っ人ですグッ


この点からも英語でコミュニケーションが出来ない客室乗務員が多く在籍しているエアラインは一流とは言えないと私は個人的には思ってしまいます。

申し訳ないけれどTOEIC500点しか無いけれどCAなれました!なんて自慢している方々を見ると、プロでは無いな…と思ってしまいます。全く自慢になりませんよ…乗客の命を預かる乗務員のプロとしての誇りを持ち努力すべき、それが乗務員のベースだと…私は思います。


話はそれましたが、

Medlinkはコックピットから、客室乗務員の座席の電話から、航空会社によっては客席のハンドセットからかけられちゃうの〜

ですので、キャビンの何処で緊急事態がら起きようとも、電話係、状況把握係、処置係、医者探し係、他のお客様コントロール係などと一瞬で役割分担し対処するもんなんです。

このDELTAの客室乗務員は批判ではなく賞賛されるべきなのでは?


と、記事から読み取れる範囲での私の見解ですパー