昨日の①で賃貸と購入の双方での「もしなんかあって金が払えなくなったらどうしようリスク」について説明しましたが、もうひとつ「損か得か論」を考えるのはナンセンスだということをご説明しましょう。
毎月家計から出いく金額のみを比較した場合
賃貸家賃10万円
住宅ローン10万円
ここまでは同じですよね。家賃であってもローン支払いであっても毎月払っているのは同じ10万円なら出費の内容は同じです、つまり「あるところに住む」ために使っている金額は同じなのです。
よく言われるのが賃貸は払い続けてもなんにも残らないけれど、購入だと物件資産が残る。という説明があります。

本当にそうか、本当にそうなのか

購入の場合、最初にトータル3000万円のうちの2割程度の頭金を600万円ほどぶち込んでいました。で毎年の固定資産税が12万円くらいとしてさらに30年間で360万円必要です。しかも途中で2回ほどメンテナンスとリフォームに200万円づつ使ってしまいました。
賃貸派はもし同じ家計条件ならこの最初の600万円と固定資産税分360万円が預貯金可能なわけです。ですが途中4回ほど引越ししたのと礼敷金などで120万円くらい使っています。

最終的に30年後
賃貸派960万円の貯金だったが途中で引越し4回で120万円のマイナス=840万円の現金
購入派3000万円の不動産資産にリフォーム代金400万円のマイナス=3000万円の資産と借り入れ400万円
だったら問題ないわけですが、、、
購入時3000万円の物件が戸建だったら上モノ価値はほぼ0ですよね、土地分1500万円-400万円=1100万円
では3000万円のマンションなら、、購入額半額だったら恩の字らしいですから1500万円-400万円=1100万円
ここで注意しなくてはならないのは、後者が「資産価値という判定」でしかない!という点です。

経済的な価値を計る概念として「流動性」という言葉があります、これは流れやすさという意味ではなく、換金性、すぐ他のものと交換できる力、つまりはキャッシュにどれだけ近いスピード感があるかということを意味します。
残念ながら保持している中古マンションの資産価値の流動性は高いとはいえません、むしろ非常に売りにくいというのが実情です。急いで売りたい場合、値下げして売らざる得ない方がほとんどでしょう。

ここまでいろいろと書いてきましたが、私が言いたいことは家を買うなということではなく、「住むところを決めるのに損か得かで決めるヤツがあるか!」という喝を入れたいのです。
住むところを決めるのは損とか得とかいう経済的価値観ではなく、ご自分のライフスタイルがいかに豊かになるか、毎日が楽しくなるか、暮らしてて家族全員の気分がいいか、といったものが一番重要なのであって、「損か得か論」は住み手側の言葉ではなく、売り手側企業サイドの言葉だということを知ってほしかったからなのです。
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