もうひとつ、知人によく聞かれるのがデザイナー住宅でよく使われている「ガルバリウムって何?」、「なんでガルバニウムがかっこいいの?」といった質問です。
よく間違っておられるのがアルミニウムから来てるのか「ガルバニウム」と覚えている方もいます。ニウムではありません、ガルバリウムです。

まあ、いってみればトタンの親分みたいなもんです。と答えているのですが、、


建築エコノミストのブログ-ガルバリウム外壁


ガルバリウムとはアメリカ合衆国のベスレヘム・スチール社が開発したアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板のことです。名前はなんか○○リウムっていうから何か特殊な新素材っていうイメージがあったでしょ?でも要は鉄にめっきなんですよ。

そもそもこの亜鉛めっき鋼板というものは、めっき層の亜鉛 (Zn) が鉄 (Fe) よりもイオン化傾向が大きいことを利用し、腐食環境下においてFeよりも先にZnが溶け出すことで、原板であるFeの腐食を防止(犠牲防食)するという仕組みです。 

つまり、芯の鉄Feよりも亜鉛Zn(水平リーベ僕の船・・の弱い方です。)がまず先に「俺が先に溶けちゃって全体をコートしてディフェンスしますんで、先輩はそのまま頑張ってください。」ということが金属表面で起こっているわけです。

ガルバリウム鋼板は、このめっき金属として純亜鉛ではなく、アルミニウム (Al) 55%+亜鉛43.4%+珪素 (Si) 1.6%の合金を使っています。アルミニウムAlはめっき層表面に強固な膜を形成してめっき層を保護し、亜鉛Znがめっき層の腐食進行を抑制します。 亜鉛Znの外にもう一枚アルミAl膜が形成され芯の鉄Feを守るという体制です。
ペタしてね
実は、私の仲間で金属製品の知恵袋的な人間がいるのですが、その彼から重大なウラ話を聞いたんです。

国内の鋼鈑事情、鉄鋼事情まで踏み込んで みると、今国内の鋼鈑世界は統合再編が進みつつあり、このままでいくと鋼鈑製造のバリエーションが非常に狭くなってしまう可能性があるのです。

このガルバリウムは米国のグローバル戦略素材なんです。

なぜ僕が自分の仕事ではなるべくガルバリウムを使わないかというと、日本のガルバリウム鋼鈑は大本の鋼鈑コイル製造で特許が抑えられていて、使えば使うほどアメリカが儲かる仕組みになっているんですよ

ところが我国は
ベスレヘム・スチール社のガルバリウム鋼板に対抗するすばらしい素材を持っているのです。
それが日新製鋼が製造しているザムだ!
http://www.zam.biz/

ガルバリウムをベースとして、さらにマグネシウム (Mg) を添加することでより強い耐食性の発揮を期待された、わが国独自品種の合金めっき鋼板です。ザムの表面表現はステンレス生板から青味を抜いた感じですこ~し白っぽいシャープな金属色。
また、より耐食性を高めたシャー専用ザムみたいな表面マットブラックの「タフザム」という製品もあります。

ということで、侍魂をもつ日本の建築家諸君!君たちに大和魂があるなら今すぐガルバリウムをやめて、屋根や外壁の板金素材は「ザム」を指定しなさい。

もちろんステンレスが使えたらその方がいいのですが、カラー鉄板とステンレスの間くらいのコストパフォーマンスです。