研修で合格基準が曖昧だと文句を言う。 | テンポス森下 商狂老人 百姓経営者 蒲田のドラッカー

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商売道を求めて、さまよい続け、やっと面白くなってきた。
今に見てろと激流に身を投じ50年!
故郷の村人は変わらずも、田畑荒れ、茶摘み、草刈りに帰るのみ。

 

テンポスでやる幹部研修「飲食道場」を2泊3日で行ってきた。

10年で受講生およそ1500人を超える。

その研修の1つに「素読」がある。

渡された文章を、声を張り上げて、読み上げるものである。

何回声を張り上げても合格にならない。「再挑戦!」の判定が次第に虚しく聞こえてくる。

5回 10回と挑戦しているうちに、緊張が続かなくなり、声もかすれて出ないようになる。

意識もうろうとして、ふらふらになる程 声を張り上げ続けると、やっと合格が出る。

審査員も受講生も、抱き合って涙を流しながら、喜びを分かち合う。

審査員の側からすると、声を張り上げているようでも、腹の底から声が出ているのか、上っ面だけなのかは、よく分かる。

ただし、一人一人の審査は、真剣にやっているので、何回も「再挑戦」を宣言するだけで、審査員もクタクタになる。

勢い、合格者が出ると、思わず駆け寄って抱きしめて良くやった良くやったと、受講生と二人して涙を流す事になる。

ところが壁を乗り越えられなくなった受講生の中から、1~2人 毎回同じクレームがある。

大声で素読を読んでも「合格基準が曖昧」なので、頑張りようがない、というものだ。

どのように説明するか

われわれの仕事には、合格基準がわからないものだらけです。

店で、お客さんに喜んでもらえる基準がわからないものだらけですよね。

美味しい料理は、誰がどんな基準で、「美味しい料理」と判定するのですか。

自分が美味しいものを作れば、お客さんが美味しいと言ってくれますか。

自分が作るものは「多分お客さんが美味しい」と言ってくれるだろうと思って作る。

評判が良くなければ、自分が美味しいと思って作ったものを、作り直さなくてはならない。

美味しいの基準がないからだ。

感じの良い店もそうだ。客によって、感じの良い店の基準が違う。

繁盛店を作る基準があれば、誰だって繁盛店を作る事が出来る。

学校の試験の様な、明確な合格基準がある場合の方が少ない!

それよりも、あなたの問題は、素読に挑戦して、何回も不合格になり、次第に意欲がなくなって、挑戦出来なくなった理由を「合格基準が曖昧」だなどと、いかにもの理由をつけて「やれない言い訳」をしている。

これからの人生で、挑戦しようとすれば、挫折することは何回もある。

楽な道を選択すれば、「挫折はない」

挫折もない様な、成長しない人生を送るのではない!

今日の研修は、あなたにとって、見事に「挫折」をさせているのだよ。

折角の克服のチャンスを「言い訳を言って」逃げてはいけない。