元「劇団バッコスの祭の主宰」として発言するのはこれを最後にするつもりです。

2016年の秋に解散して、もう1年以上が経ちました。
まだ何か言いたいことあんのかいとお思いでしょうか(・∀・)



①まず、お客様へ

毎公演の終演後、お見送りに立っていた僕は、最後まであんまり笑顔ではなかったと思います。
もともと愛想がいいほうではないというのもありますが、それ以上に「もしお気に召さなかったらごめんなさい」という気持ちが強く働いていたからです。
そんなことは考えずに「来てくれてありがとう」の気持ちで挨拶すればいいだけなのですけれどもね。

作品に自信がなかったらまさかお金なんていただけません。
しかし、いかんせん僕自身がよその作品を観ていて「金と時間を返せ」と思うことが多々ある以上、こちらも同じように思われることはあって当たり前です。

そういうわけで、傍目には固い顔をしていたかもしれませんが、僕は僕なりにお客様とのコミュニケーションを楽しんでいました。
ありがたいことにうちの公演は毎回アンケートの回収率が80~90%ぐらいあったので、それを繰り返し拝読することで、かなりリアルな声が聴けていたはずだと思っています。
「好みの問題」でない「明らかな欠陥」をアンケートによって発見することも結構ありました。
アンケートを一切書かない人や、アンケートに率直な感想を書かない人もいる――ということはもちろん承知の上です。

アンケート以外に、Twitterとかブログもめっちゃサーチしてました。

演劇でも何でも、「感想」あっての「作品」だと思うのです。
発表するというのはまだ工程の半分に過ぎず、誰かが受信して75%、受信した人が何かを送り返してくれてようやく完結します。
そういう意味で、お客様はみんな劇団バッコスの祭の「関係者」でした。
長年支えてくれて、ではなく、関わってくれて、本当にありがとうございました。



②脚本の使用料について

日本でたぶん一番メジャーな脚本サイト「はりこのトラの穴」では、著作権使用料の基本規定を「小学校、中学校、高校、その他学生の無料公演→無料」としています。
このサイトに掲載しているほとんどの作家さんがこの規定に準じていますが、僕は今まで「無料公演でも使用料5000円」という独自規定を設けていました。
というのは、「少しでも作家として収入を得たいから」が半分、「脚本って超重要なのにそれが無料ってことはないだろう」が半分でした。

けれども、考えが変わって、今度から無料公演に関しては使用料を無料にします。
無料なら、無料でいいです。

ただし、はりトラさんの規定に完全に準じるわけではありません。
有料公演に関しては今の通り「一般前売チケット20枚分」です。
なぜなら、僕には「アマチュア劇団」と「プロ劇団」の区別がつかないからです。

僕の脚本は今のところ年に1~2回ぐらいどこかで使っていただいていますが、これはまぁ決して多いほうとは言えないでしょう。
無料にすることで増えたらいいな……と密かに思っています。



「組織の長としてどうするか」という記事及びいくつかの批判的な記事について

「伊藤詩織さん事件と最近旗揚げした劇団について」という記事に関しては、さすがに投稿するタイミングが良くなかったかとは後で思いました。
しかし、これはいつか誰かが必ず言わなければならないことであり、引っ込める気はありません。

もっと直接的で強い文書も用意していたのですが、いろいろな意味でこれが限界でした。
察してください。
被害者たちが告発しない以上、僕にできるのはここまでです。

お客様にとってはただただ不愉快で、夢を壊された思いかもしれませんけれども、先に深刻な破壊があり、僕がそれをなかったことにするつもりはないということです。

僕はこれまで、他人様の作品を褒める時も叩く時も、常に本名を名乗って発言してきました。
それは自分を売りたいからではなく、いくらでも匿名で発信できる時代だからこそ、名乗るリスクを負うべきだと考えるからです。
タバコのパッケージがでかでかと健康リスクを表示しているようなものです。
売りたいだけなら外したいでしょう。

今後、専業の物書きとして身を立てるということを優先するなら、件の記事や、他人様の批判をしている記事は全部消すべきかもしれません。
発見されたら敬遠する理由になってしまうからです。
自由に発言したいならせめてビートたけしぐらいになってからにすべきで、地べたにいるうちはデメリットが大きすぎます。
というか劇団時代にも「うわあ主宰こんな奴か」って思われて動員を減らしていたところはあったでしょう。

わかっていて消さないのだから、つまりそういうことです。

もし今後、このブログが突然消えたりしたら、「あいつ信念曲げやがったな」と心の中で笑ってください。
それか、Amebaのサービスが終了したかです。



それでは、よろしければ移転先のブログ『それにしても語彙が欲しい』でまたお会いしましょう。
1年9ヶ月という微妙な期間でしたが(・∀・)、『微妙』をお読みいただいてありがとうございました。

このブログ『微妙』は次回、12月29日(金)の記事で更新を終了します。

『それにしても語彙が欲しい』という新しいブログに移転して、週に1本、そこそこボリュームのある文章を書いていきます。



新ブログは毎週土曜日24:00に更新します。

これまでは(自己顕示欲のために)なるべく毎日更新しようとしていましたが、最近はどうも惰性で続けている感じがしていたので、「書くならちゃんと書こうぜ」ということです。



演劇から完全に離れたわけではないので、舞台を観に行くこともあると思いますが、詳しく語りたい時だけ記事にして、感想は基本的にTwitterで書きます。

小説や映画に関しても同様です。



あと、このブログでは常体と敬体が行ったり来たりしていましたが、新ブログでは敬体に統一します。



劇団を解散したおじさんはその後、どのように生きていくのでしょうか?(・∀・)

よかったら週に1度、のぞきにきてください。
 

すべての劇団主宰者へ。



あなたが率いる劇団の中で、深刻なセクハラやレイプがあったら、どうしますか。

「女の子を何人も泣かせている」なんていうとちょっとカッコよく聞こえますが、その内容が「レイプして泣かせる」だったらどうしますか。



断固として処罰できる人は、ぜひ引き続きそうしてください。



「役者のプライベートには立ち入らない」

「いい演技をしてたくさんお客さんを呼んでくれれば、私生活はどうでもいい」

僕はそう考えていました。

僕のように考えている人はいませんか。



僕は、事が発覚した直後、実質、加害者をかばってしまいました。

「かばった」というのは、「何事もなかったかのように公演を続けた」という意味です。



即刻退団させなかったことを、今でも後悔しています。



自分の組織の中で「加害」が発覚したらどうするか――これは、劇団主宰者に限らず、組織を率いるすべての人に考えておいてもらいたいことです。

完全に想定外だと対応力が半減します。



お堅いアイドル事務所みたいですが、いっそ「恋愛禁止」にしておくのもアリだと思います。

それなら、「自由恋愛」にかこつけたレイプを――完全に防ぐのは難しいかもしれませんが――少なくとも牽制することができるからです。



若い女の子がたくさんいるチームに10年以上いて、僕が「男として間違った行動」を何一つしなかったかと言えば、そんなことはありません。

レイプこそしていないはずですが、「はず」としか書けません。

だから今少し怯えながら文章を書いています。

もし今後、あるいは生まれ変わった後、何かのチームを率いるようなことがあれば、一切の逡巡なく不正に立ち向かえるよう、自分自身は完璧に公明正大でいたいものです。

乾燥した人生かもしれませんが、人の上に立つとはそういうことだと今は思っています。

 

 

 

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