一雫水面におちる
立ち上がった小さな波紋
余韻を残し
ふっと消え入る

また一雫おちる

しずまりそうな波の縁に

もう一雫

すると波は
より遠くまで
より永く
より高く広がる

また一雫もう一雫

いつしかそれは
大きなうねりとなり
目に見えない彼岸までとどくのかもしれない

僕達はその波を互いにひろげたり
或いは打ち消すために

一雫一雫水面にあかしをのこす