腎臓癌とガルパンおじさんの兄 | 弟はつらいよ40光洋サラダ記念日

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映画と機能性発声障害治療日記と
機能性発声障害は、ほぼ最悪からほぼ完治まで改善。
二年間の治療日記があるので、同じ病気の方は、かる〜く読んで、あ、治るんだ♪って思ってもらえると嬉しいです。

腎臓癌とガルパンおじさん①

我が最愛兄の話をしよう。

兄がガルパンおじさんになったのには、理由がある。

20年ほど前、セガサターンのアドヴァンスドワールドウォーの影響により、戦車好きになる。
※どれくらいハマったかと言うと、このゲームの完全攻略本のミスを発見し、独自に修正したデータで完全な攻略情報を再編するくらいハマっていた。
このゲームの地上、航空分割マップが本当に秀逸で、現在のゲームでも、本作を越す戦略シミュレーションゲームは皆無と言って、いや、ゲームの話はいい

それから二十年、警備員の仕事で、茨城に赴任。

数年間茨城で過ごすが、その際に震災復興の大変さを目の当たりにすると同時に、ガルパンと出会う。

ガルパンとは、テレビアニメ「ガールズ&パンツァー」のことで、中年〜壮年ファンのあまりの多さに、ファンを総評して「ガルパンおじさん」と呼ばれている。

※プロレスラー蝶野正洋さんが、本アニメの広告塔、ガルパン 大使であることでも有名。
ちなみに私はteam2000時代からの蝶野さんファンであり、大仁田厚氏との抗いや、私の話はいい
↑ガールズ&パンツァー第1話より↑


我が兄は、現在千葉県在住であるが、物語の舞台となった茨城県大洗市に、イベント時は言うに及ばず、ほぼ毎週といっていいくらいに生徒巡礼を行う、ガルパンおじさんの鑑だ。


2017年12月
「ガールズ&パンツァー最終章第1話」
が劇場公開され、後に、第2話が2019年6月公開と発表。
全6話を予定しており、どうペースで公開していくと、最終話まで10年を要することと、ファン年齢の高さから
「ガルパンおじさん寿命大丈夫か?」
と冗談交じりにネタにされたものだった。




2018年12月

兄が風邪をひく。
主な症状は、咳。
私もインフルエンザにかかったばかりで、「オメーもインフうつるぞ?」なんて会話をする。

私がインフルエンザをぶり返し、二ヶ月ほど体調不良が続いた後、回復。

だが、兄の咳は治らない。

「それ、咳喘息になってる可能性高いから、病院行け」
だが兄は、いつものようにおどけて
「ぽんぐぅ〜?」(文字通り、ぽんぐぅ〜?と言います)
なんてバカなことを言っていた。

2019年5月

あれから半年も経つのに、兄の咳は止まらない。

25日頃、私が腹痛で救急搬送され、病院にて検査を受ける。
風呂場で便を撒き散らしながらのたうち回り、ホスピタル沙汰に。

回復して帰宅し、風呂の便を重ねたトイレットペーパーで持つと、なんだか柔らかくて、気持ちい、、

いや、うんこと私の話はいい。


二日後、母と兄が、聖地巡礼

母も兄の影響で、ガルパンおじさんというか、ガルパンおばあちゃんだ。

毎回ドゥーチェとパッチョ姐とロニ子のフィギュアを持って、現地の飲食店で写真を撮る、真性のバカガルパンフリークだ。


その帰りのことだったらしい。

母が兄から
「なんか、腎臓にでっかい腫瘍ができているらしい」
と聞かされる。

単純に言うと、腎臓癌であると。

大きさは10cm以上

転移はわからないが、大きさから言って、かなり進行している。

5月25日くらいだったか

それを聞いた私は、すぐに腎臓癌について情報を収集する。

「肺に転移しやすい

一瞬、絶望がよぎった。

「咳が止まらないのはそのせいか...!!」

と。

たが、兄はいたって普通に、
「保険入っててよかった♩おいコチ(なぜか兄は、私をそう呼ぶ)、お前も保険入ったほうがいいぞ!」
と、いつものようにおどけている。

大変な状況であるはずの本人が、いつも通りだと言うのは、彼を愛する者にとって、これほど心強いものはない。

「とりあえず、今日24時間勤務して、帰りにでも紹介状書いてもらいに行くか」

バカかオメーは!!

と思ったが、案の定、「早く病院行け」と、職場にいわれ帰宅。
「休みになった、ラッキー」
じゃねーっつの!!

どこまで能天気なんだ!
とはおもわず、普段通りにしている兄の強さと優しさに感謝した。

夕方、私が仕事に行く

休憩時間、一度だけ泣いた。

「なんで俺じゃないんだ!」
「なんで俺の一番大切な人を傷つけるんだ!」
運命を呪った。

私は、自分が死ぬのは全く怖くないが、人に死なれるのは恐ろしくて仕方がないのだ。

だから、一度だけ泣いた。

それから
「まぁでも、俺が癌になっても、保険入ってないから、周りに迷惑かけるだけだしな、兄でむしろよかったんだな」
と冷静になる。

とにかく、精密検査の結果を待たなければ。

腎臓移植が必要なら、俺のをやればいい
転移があって、肺の移植が必要なら、俺のをやればいい

そう思って、普段通りの兄に報いるため、私も普段通り接することにした。

そして思ったのだ、、

「ガルパンおじさん寿命大丈夫か!?」

シャレになってねーんだけどな!

と。


to be continued...⇨