手術台の上
不安と
もうすぐ息子に会える喜びで
心拍があがる
そんな中
お腹を切る先生の声が響く
『えっ』
『あれっちょっと』
何?
えって何?
あれって何が?
ちょっとって、一体なんなの?
そう思った瞬間
お腹がスッと軽くなったと同時に
『にゃ~』
『ふにゃ~』
まるで仔猫の様な か細い
愛しい息子の声が聞こえた
よかった、生きてる。
でもその二回の泣き声で終わり
手術室は焦った声が飛び交う
お腹から処置台に移動する
小さい小さい息子は
先生方に囲まれてハッキリと見ることができない
それでも隙間から見ようとする
見えた!
え?
見えた?
あれは、、、なんだ?
私は、何を産んだの?
、、、人じゃない。
訳がわからない
どうなってるの
誰か教えて
誰か助けて
私の息子は
大丈夫なの?
呼吸確保の処置が終わり
すぐに無菌カプセルに入れられ
私の近くにきた
『おめでとうございます』
と先生は言った
私は
『ありがとうございます』
と言うしかなかった
そして
『この子は大丈夫なんでしょうか』
と尋ねると
『なんともいえません』の一言。
今からすぐ集中治療室NICUへ移動とのこと
あっ、
手術室の前には
夫と私の母が楽しみにして待っている
大丈夫かな
倒れないかな
そう考えているうちに
パチッパチンッと開いたお腹を
ホッチキスで塞ぐ音が聞こえ
帝王切開は無事に終了
手術室から出ると
案の定
真っ青な顔の夫
私を心配そうに見つめる母
そして
なぜか強がり笑顔の私
部屋に戻り
睡魔
身体の震え
発熱
痛み
に耐えながら私は眠りについた
つづく
⭐現在に追い付くまでは、過去の話となる為、
ブログとは少し違う感じとなります。
少しずつ、母として強く成長していく姿を
優しく見守って頂けると幸いです。