親父の居た場所… | ぜんそく力な4コマ漫画ブログ

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第1話 「衝撃的な死…」はこちら
第2話 「親父の死亡診断書」はこちら


僕らは、親父の住んでいたアパートの大家さんの家を訪れた。

大家さん夫婦は、70歳ぐらいの老夫婦だった。

リングに案内され、少し話をした。

親父の第一発見者は、叔父さんと大家さんの奥さんだった。

奥さんの話では…

「相当苦しかったんでしょうね…(右腕で)左胸をギューっと抑えた感じで死んでましたよ…」
「でもね…顔は穏やかでしたよ…苦しさから解放された安堵の顔だったのかな…」

そう言って、奥さんは涙を流してくれた。


しばらく話をした後、親父の居た部屋に行った。

親父の部屋は、風呂なしトイレ付きの2Kの間取りだった。

部屋の中は大量の焼酎のペットボトルやビールの空き缶、ゴミなどが散乱していた。

部屋の状態は予想はしていたが、燦々たるものだった…

叔父さんはポツリと言った…

「僕が部屋を訪れた時は、酒なんて全くなかったんだよ…きっと、押し入れに隠していたんだろうね…」

叔父さんが部屋の隅にある布団を指差し、

「ここで死んでいたんだよ…」

と言った。


ここで親父が死んだ…

誰にも看取られることなく、1人寂しく逝った親父…

しばらく沈黙した後、叔父さんが…

「部屋の荷物はどうする?」

母は、

「……残しておいてもしょうがないから、処分してください…」

冷たい様だが、母は離婚まで考えていた相手の遺品なんて、欲しいとは思わなかった…


僕らは部屋を出て、そして親父の死亡の手続きや書類などを用意する為、自宅に戻る事にした。


そして行きと同じ様に、一般道で5時間以上をかけて、自宅に帰った。


自宅に帰ったのは深夜2時を過ぎ、1人で運転し切った僕は、親父の死を悲しむ余裕もなく、倒れる様に眠った…


こうして僕らの長い1日は終わった…




続く…





親父の死んだ時の話の3回目です…

話にもある通り、親父の遺品はほとんど残ってません…


僕が唯一持っている物は親父の組長スーツだけ、弟達も時計やら何かでやはり1つぐらいしかありません…

写真も嫌いな人だったので、写真も少なく、特に晩年の写真は全くありません…

親父の思い出は本当に記憶の中だけになっていますね…


次回は、親父が働いていたタクシー会社を訪れた時の話です。




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