昨日公開されたTAP the POPのコラムに、
昨年10月に、アメリカのシアトルのレーベルからリリースされた、日本の古いフォーク・ロックを集めたコンピレーション・アルバムについて書かせていただきました。
今、世界で注目を集める日本の音楽〜『Even A Tree Can Shed Tears : Japanese Folk & Rock 1969-1973』
このアルバムについて、ご存知なかった方が多かったのが、実は意外でした。
というのも、私がこのアルバムについて知ったのが、昨年末のNHK FMのゴンチチの番組「世界の快適音楽セレクション」のスペシャル放送で、音楽評論家の渡辺亨さんが紹介されていたからです。
誰かこの放送を聴いた方はいらっしゃいませんか?
もっと沢山の人が聞いて知っているんじゃないかと思ってたのです。
その中で渡辺亨さんがおっしゃっていたことが、あまりにも興味深くて、私は録音していたものを3回以上は聞き直しましたよ。
そして、このアルバムを手に入れたわけです。
放送の中で、渡辺亨さんがおっしゃってたんですけど、
今のアメリカの20〜30代の若者は、生まれた時から打ち込みの音とヒップホップしかほとんど聞いてこなかったので、1970〜80年代のいわゆる日本で言うAORの音楽、例えばスティーリー・ダンやボビー・コールドウェル、ネッド・ドヒニーなんかの音(アメリカのジャーナリストは揶揄の意味も込めて“ヨット・ロック”と呼ぶのだそうです)を新鮮だと思って聞いているとか、そして同時に日本のその時代の音楽にも、そのクオリティーの高さに驚き、興味を持って聞いているんだとか。。
また、渡辺亨さんがインタビューしたという、アダン・ホドロフスキー(映画監督アレハンドロ・ホドロフスキーさんの息子)が、来日時に友部正人や岡林信康やはっぴいえんどなどのレコードを買ったとかいうお話もされていました。
また、アメリカのシンガーソングライター、デヴェンドラ・バンハートは、細野晴臣信奉者なのだそうです。
ニューヨーク・タイムスの記事にもありましたけど、発端はフランシス・コッポラ監督の2003年の映画「ロスト・イン・トランスレーション」のエンドロールで流れたはっぴいえんどの「風をあつめて」のようです。
そこから、じわりじわりと日本の音楽に興味を持つ若者が増えてきたようですね。
このアルバムがリリースされたレーベルLight In The Atticのサイトを見に行ったのですが、これからリリース予定のアルバムとして、今回このコンピレーションに収録されなかった、岡林信康や高田渡、三上寛、早川義夫、休みの国などの当時のオリジナルアルバムを見つけましたよ。
この企画があるということは、それなりの購買層をつかんでいるということでしょう。
だけどね、
きっとヒットチャートに上るようなことはないと思うのです。
アングラはアングラのままだと思うのですよ。
でも、いつの時代にも、
アングラやサブカルの中に宝石はあるのです。
まさに、レアグルーヴです。
そして、このインターネットの時代だからこその現象とも言えますね。
動画サイトや配信では、国境も時代もひょいと簡単に飛び越えてしまいます。
「いいもんは、いい!」ってね。
だからね、
本当にこの現象が面白いと思ったの。
私もリアルタイムではないからね、この時代の音楽は。
そんな私にもこの選曲がかなり面白いと思ったので、ハマって聴いているんですよ。
今回のTAP the POPのコラムは久々の大ヒットとなって嬉しいです!
ま、年に1回はホームラン級のを飛ばします(笑)
しかし最近のフェイスブックは凄いですね。
誰が記事をシェアしたかが、非公開のは別として見ることができるのです。
それで、ザ・ディランⅡの大塚まさじさんが、この記事をシェアしてくださっていて、そのため反響がさらに大きくなっているみたいです。このアルバムのこと、ご本人もご存知なかったようで。。
もちろん輸入盤でしか手に入りません。
丁寧な解説も全て英語です。
でも、面白いです。
そして、音がいいです!
日本人が逆輸入で聴いているのも変かもしれませんが(笑)
興味のある方はぜひ。