がん幹細胞性阻害剤ナパブカシンの胃または食道胃接合部腺がんを対象としたフェーズ3試験の盲検解除 | 大腸癌(直腸癌)とある患者の所感

大腸癌(直腸癌)とある患者の所感

「治療は患者との相互理解のもとに行っていくものである」という考え(アドヒアランス)に同意し、情報を集め分析しています。
「治療は医師の指示に従う」という考え(コンプライアンス)だけで、がん治療を乗り切れるとは到底思えないからです。


ナパブカシン(BBI608)についての新情報です。


要約すると、胃または食道胃接合部腺がん患者を対象とした国際共同フェーズ3試験であるBRIGHTER試験について、独立データモニタリング委員会は、「ナパブカシンの安全性上の懸念は認められないが、本試験の終了時に、ナパブカシン群が対照群に比べて、主要評価項目である全生存期間の有意な延長を示す見込みは低い」と判断したことにより、本試験の盲検を解除することが決定されたようです。


BRIGHTER試験とは、2014年8月から日米カナダ等で試験開始されていたパクリタキセルとの併用試験のことだと思われます。


尚、現在実施中のフェーズ3試験(結腸直腸がん対象試験、膵がん対象試験)は継続され、ナパブカシンの早期の承認取得を目指すようです。

 


個人的には、ナパブカシンが特に有意となる、p-STAT3高発現患者を判別する検査の開発、既存の術後補助化学療法レジメンにナパブカシンを併用する試験の実施を提案したいです。



ソースと関連情報

2017年06月26日 がん幹細胞性阻害剤ナパブカシンの胃または食道胃接合部腺がんを対象としたフェーズ3試験の盲検解除について | 大日本住友製薬株式会社

2017年05月18日 米国臨床腫瘍学会(ASCO)2017におけるデータ発表のお知らせ | 大日本住友製薬株式会社

がん幹細胞経路阻害剤:ナパブカシとアムカセルチブの最新情報|大腸癌(直腸癌)とある患者の所感

がん幹細胞経路阻害剤:BBI608(ナパブカシン)とBBI503の最新情報|大腸癌(直腸癌)とある患者の所感

GCPガイドライン4.7:無作為化の手順および盲検解除