日々を楽しく人間くさく「東京都北区赤羽 以外の話」 | ムダ打ちわかめ酒

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不定期毎日更新 ゴックン漫画感想


~北に住む商業ライターが、過去読んだ漫画を勝手な感想を交えて紹介していきます。
完結している作品がメインです
ネタバレ多少あり~


その3.

日々を楽しく、人間くさく「東京都北区赤羽 以外の話」


エッセイ漫画が続いてしまうのですが。


ところで私は清野とおるの漫画を人に薦める際には

「世の中の95パーは金だけど、清野とおるの
漫画には、金で割り切れない5パー未満があるんだよぉ」
と言うと


だいたい「…お、おう」と
いう反応をされます。


清野とおるの代表作

「東京都北区赤羽」
「ウヒョ! 東京都北区赤羽」は

山田孝之主演のドキュメンタリードラマとして
本年放送されたので、知ってる方が多いと思います。


今回勝手に書かせて頂くのは
「東京都北区赤羽 以外の話」。


清野とおる「東京都北区赤羽 以外の話」(講談社)

                 清野とおる「東京都北区赤羽 以外の話」(講談社)


「東京都北区赤羽」の清野とおるは比較的
好青年に自身を描いていますが


「東京都北区赤羽 以外の話」は、
その要素は皆無といえます。


内容はエッセイ漫画の短編集。


清野とおるが、赤羽以外で知り合った人との

エピソードが中心です。


同時期にデビューし親友である
漫画家押切蓮介に、先に童貞を卒業された
ことに憤りを感じ


電話やメールの徹底無視をきめこむ

(後に清野とおるが童貞を捨てたことにより
友情が復活するのですが)


10代男子ならではの嫉妬うずまく話や


能町みね子と初めて会った飲み会で


リア充臭が気に入らない隣のテーブルに
敵意を感じた清野とおる。


(注:隣のテーブルといっても
清野とおると同じ飲み会グループ)


そこで


清野「能町さんとやら、
あっちのテーブルから明太子チーズポテトフライ
かっぱらってきて下さいよ」
と鬼畜オーダー。


なんなく、かっぱらってくる
能町みね子!


最終的に能町みね子は

隣テーブルから
「鍋」までかっぱらってくる!


私はこの能町みね子との話が好きすぎて。

大人になっても、なんてしょーもないことをして
るんだ…。


と心を揺さぶられました。


その他にも「ハッテン場」潜入レポエピソードや


最低の遊び「名刺切り刻み対決」や


漫画家「漫☆画太郎先生の思い出」
(ベールに包まれた漫☆画太郎先生の
私生活が暴かれています)や


清野とおる幻のデビュー作「アニキの季節」まで
収録されており


清野とおる好きな方は、満足しすぎて
胃もたれする傑作です。


なお冒頭で述べました

「清野とおるの漫画には、
金で割り切れない5パー未満がある」
なのですが


じゃーその5パー未満ってなによ?
って聞かれたときに


「人生を楽しんで生きている、楽しむ気持ちを
継続しているのが胸にささるんだよぉ」
と答えています。


「…まぁ、知らんけど」

と最後にと付け加えていますが。


ともあれ、日々の些細なことを
楽しむのは大切なのだと気づか
されるエッセイコミックです。


…まぁ、知らんけど。