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   アクシドロス 9は、神聖プニプ二帝国の航空機メーカー、アクシドロス社が開発した複葉戦闘機である。


[開発経緯]

   本機の開発は、プニプ二陸軍が諸外国と比較して低性能の自国軍戦闘機を更新すべく提出した新型戦闘機要求仕様書「Ti9B」に端を発する。その内容は単発エンジン、複葉で最高速度400km/hを目指すというもので、これは当時のプニプニでは極めて野心的な目標だった。これに応えたのがプニプ二新鋭の航空機メーカー、アクシドロス社だった。その中でも中心的役割を果たしたのが、後に辣腕設計士として名を馳せるP.プニコフ設計技師である。この戦闘機で成功した彼は独立し、後に多くの名(迷)機を生み出すプニコフ航空機製作所を立ち上げることとなる。


   複葉でありながら400km/hという高速性能を発揮する為には、大きな空気抵抗となる支柱を極力削減することに加えて1000馬力級の大出力エンジンが必要になると考えられた。しかし、当時のプニプ二にそれだけの大出力エンジンを製造する技術が無かった為、外国から輸入した1000馬力エンジンを用いることになった。

   製作された試作機は目標を概ね達成し、アクシドロス 9中で制式採用された。


[設計]

   本機の大きな特徴として視界確保の為、上翼が分割されたガル翼となっていることが挙げられる。また、抵抗の少ないI字支柱と1000馬力エンジンにより、要求には一歩届かなかったものの385km/hの高速度を発揮した。複葉機特有の高い旋回性能も持ち合わせ、主力戦闘機として申し分ない性能であった。

   固定武装として機首に4挺の7.7mm機関銃を装備しており、7.7mm級機銃を2挺のみ装備する他の同世代機に対し武装面で優位に立った。

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横からの写真

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後方からの写真



[実戦]

   アクシドロス 9はプニプ二北西部のムーマ戦争で初めて実戦投入され、ムーマ自由軍側の使用した他国の複葉機を性能的に圧倒した。その一方で幾つかの欠点が露呈した。まず、本機の大きな特徴であった視界確保の為のガル翼は、却って視界を悪化させているとして多くのパイロットから不評であった。さらに扱いに慣れない大馬力エンジンであるが故に発動機由来の故障が多かった。この点はエンジン改良と整備兵への教育の徹底で徐々に解決されていった。

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飛行するアクシドロス 9


   本機最大の弱点は航続力の不足であった。アクシドロス 9は邀撃を主任務として設計されていた為、開発段階では長い航続距離は求められていなかったのである。この欠点は、爆撃機の護衛や遠方進出の際の大きな足枷となった。更に初戦では圧倒的優位に立ったアクシドロス 9であったが、当時の急激な航空技術の進歩により、その優位は数年で失われていった。これによりプニプ二軍はより優れた単葉戦闘機の開発を急ぐこととなる。


[あとがき]

ソ連のI-15を参考に製作した複葉戦闘機です。小さいながらも上手く戦間期の雰囲気を出すことが出来たのではないかと思っています。ただ脆いのが難点です。