朝、キッチンの窓を開けたら、自然と目が丸くなり、

うわ~、と声がでました。

豊かで濃い、

花の香りがたちこめていたからです。

 

お花屋さんに入った時に少しにているけれど

それよりもっと自然な、野の匂い・・。

 

その香りのもとは、この子たちでした。

 

エゾカンゾウ

 

 

初夏の草むらの中に、星を散りばめたように

咲いてくれます。

 

窓を開けただけでそんな匂いにいつも出会えるか、というと

そうではなくて、日々変化する自然の中で

ぽっと命が燃えたつような、

みんなが咲き出した旬の一瞬、に強く感じるように

思います。

 

あー、今年も沢山咲いてくれてよかった。

ありがとう。

そのふわりと甘い匂いを胸に吸い込みました。

 

同じ日の午後。

 

キッチンに立ち、片付けをしていると

なんだか視線を感じて、振り向くと

この子たちがいました。

 

若草を食べながら移動する鹿の小さな群れです。

耳をピンと立て、警戒をしているけれど

しばらくこちらを眺め、静かに森の奥に消えていきました。

 

美人さんです。

 

北の5月から6月は

いっせいに伸びてくる木々や草花、

森に歌う小鳥たち、生まれてくる子鹿や子ギツネたち

 

今日と同じ明日ではなく

時には、数時間でそこになかった花が咲いていたり

どんどんふくらむ命の力を感じられます。

 

一年の半分が5月ならいいのになー、などと

思ってしまうほど、大好きな季節です。

 

4月の5日から。

 

自分の立っている世界が

なにか非日常のもやのようなものに包まれてしまいました。

あれもこれもやらなくては、と思う心とは裏腹に

時だけがただただ進んでしまっているような

感覚でしたが、どんな時でも変わらず

強く、美しく、呼吸をし、変化し続ける

自然に向き合うなかで

日々の小さな出会いや発見が

心の温度を上げ、目を覚まし、

前へと背中を押してくれました。

 

 

ムツさんの書斎の窓にも

緑がぐんぐん生い茂っています。

 

 

「そのままでいいじゃないか。」

ムツさんは、草でも木でも

手をつけず伸びるままにしておくのが

好きだったなー、と屋根に伸びるツタをみて

思います。

 

少しずつ、片付けものをしたり

ムツさんが残した世界をつないでいくために

できることを手がけたりしながら

「イヒヒー大変だろー。」って

笑いながら見てるんでしょー?と、

書斎の天井に向かって話しかけ、

 

ムツさんを思うと

100の中に笑顔が98、その中に仕事に向き合うときの

厳しい顔が2だなー、ほとんど笑顔だね!

と、心のなかでつぶやきながら

 

ゆっくりとですが再起動中です。

 

ひよこ豆、ひよちゃんも

スクスク成長中です。

 

ブログの更新もおこたってしまい

申し分けありません。

 

そのうち読者のみなさまにちょっと素敵な

お知らせもできる予定です。

 

ちょびっとずつがんばっていきますので

これからもよろしくお願いいたします。

 

明日美